少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部

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芸能界編

星野家へ 2

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「単刀直入に言おう。娘はやらん!!」
「………はい?」

 お父さんの言葉に首を傾げる。

「日向くんが娘たちに近づいた理由はわかってる。俺の娘は可愛いからな。だが君に娘を渡すつもりはない」
「………」

(えーっと。なにこれ?)

 俺は返答に困ったため、扉の隙間から覗いている3人に目線でヘルプを求める。
 すると俺のヘルプに気づいたお母さんが部屋に入ってきた。

「ごめんなさいね、真白さん。昨日の夜、真白さんが来ることを伝えてからずっとこんなことを言ってるの」
「えぇ……」
「今日の朝も『日向くんを簡単に信じたらダメだぞ!お父さんが日向くんの悪いところを見つけてやるからな!』って娘たちに言ってたんです」
「な、なぜですか?」
「バカだからです」

 なかなか辛辣なことを言うお母さん。

「ちょっと母さん!本人である俺に聞こえてるんだけど!?」
「聞こえるように言ったから聞こえて当然よ。それに将来、娘が結婚相手を連れてきた時、どうするつもりなの?」
「そんなの『娘はやらん!』って言うに決まってるだろ」
「はぁ。いつになったら娘離れできるのかなぁ」

 お母さんの呟きに俺も心の中で同意する。

「ならお父さんが相応しいと思う結婚相手は誰なの?」
「そうだな」

 その言葉にお父さんは少し考える。

「女を絶対に泣かせない男で、娘のことを大事に思ってくれる男だな。それこそシロ様のような方だ」
「!?」

 突然、俺の名前が出てきて驚く。

「シロ様なら無条件で結婚を許すんだね?」
「無条件とまではいかないが、前向きに検討してもいいと思ってる。実際に会ったことはないが、娘と同年代でシロ様以上に素晴らしい男性はいないと思ってる」
「へー。シロ様ってお父さんがそこまで言う男性なんだ」
「あぁ。俺の仕事上、芸能人の情報はたくさん耳に入ってくるが、シロ様からは良い噂しか聞いたことがないからな」
「なるほど。娘が結婚するにはシロ様を連れてくるしかないのね」
「あぁ。俺も一度、会ってみたいと思ってる」

 そんな会話を目の前で繰り広げていた。

(な、なんでシロに対しての評価が高いの!ってか過大評価しすぎて逆に怖いわ!これは訂正しなければ!)

「ま、待ってください!お父さん!」
「君に『お父さん』と呼ばれる筋合いはない!」

(確かにそうだけども!)

 自らお父さんの怒りスイッチを押していく。

(でもここは訂正する必要がある!ビビるな俺!)

「あ、あの。ヒナちゃんのお父さんに聞きたいことがあるのですが」
「ん?なんだ?」
「え、えーっと。シロ様のいい噂を具体的に聞いてもよろしいでしょうか?」
「それを聞いても日向くんが真似できるとは思わないが教えてあげよう」

 そう言ってお父さんが話し始める。

「まずは最近放送された『おしゃべり7』での振る舞いだ。あれは素晴らしいの一言だな。あれだけの振る舞いを高校生でできる人は多くないだろう」

(『おしゃべり7』のシロは偽りのシロなんだって!)

「あとは俺の耳に入ってきた情報なんだが、これを聞いていたからシロ様なら娘との結婚を前向きに検討しようと思った」

(そう!その情報よ!なんで娘の結婚を反対するお父さんがシロにだけ了承するのかを知りたかったんだ!)

「そ、それはなんでしょうか?」
「それはな。女性に対しての紳士的な振る舞いだ」
「紳士的な振る舞いですか?」
「あぁ。もちろん男性に対しての対応も素晴らしいが、女性に対しても紳士に振る舞うと聞いたんだ。それを聞いた俺はシロ様を尊敬した。この人の結婚相手は絶対幸せになれるだろうとな」

(待って!なに言ってるかわからねぇ!俺の対応が紳士!?どの辺が!?)

「えーっと、具体的にどのような出来事でそう思ったのでしょうか?」
「そうだな。例えば、というかこれが決め手なんだが、ラジオでアイドルの涼宮香織さんや女優のミレーユさんが揃ってシロ様の性格や対応を絶賛していたところだな」

(そ、そういえば誰かのファンレターに涼宮さんたちがそれぞれのラジオで俺を絶賛してたって書いてあったな)

「あの2人があそこまで絶賛するところを見たことがない。それだけシロ様は素晴らしい人間だということがわかる。他にも良い噂をたくさん耳にしたから、シロ様なら前向きに娘との結婚を考えるだろう」
(えっ。涼宮さんたち、このお父さんにそこまで言わせるくらい俺のこと絶賛したの?偽りの俺を)

 そう思ったため、改めて訂正しようとするが…

「だが日向くんはシロ様ではないから、娘たちに邪な気持ちを持って近づいたはずだ。そんな気持ちを持ってる奴は必ずボロが出る。俺は絶対、日向くんがかわいい娘たちを騙してるってところを暴いてやるからな!」

 そう言って部屋から出て行った。

「ごめんなさいね。娘のことになると冷静な判断ができなくなる夫で」
「い、いえ。気にしてませんので大丈夫です」

(えぇ、結局シロに対しての評価を訂正できなかったぞ。しかも俺への評価は最低だし)

 今からの食事会が不安になる俺であった。
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