43 / 84
芸能界編
新しい仕事 2
しおりを挟む
あれから涼宮さんのマネージャーに家まで送ってもらう。
「今日はありがと。おかげで自分の歌に自信が持てたよ」
「いえいえ!私の方こそダンスを見てくれてありがと!」
「全くアドバイスできなかったけどな」
「ううん!シロくんが見てくれたってところが大事だから私にとっては良い練習になったよ!」
「そうか。それなら良かったよ」
そんなやり取りをして車を降りる。
「シロくん!今日は梨奈が邪魔したから今度は二人きりでデートしようね!」
「……え?あれ、本気なの?」
「もちろん!また連絡するね!」
「あ、あぁ。その時が来たら連絡してくれ」
そう答えた後、車を見送って家に入る。
「ただいまー」
「あ、お兄ちゃん!おかえりー!今、神野さんが来てるよー!」
「え、電話でもよかったのに!」
俺は慌ててリビングへと向かう。
「すみません、神野さん。用事があって出かけていました」
「いえいえ!連絡なくコチラに伺った私が悪いですから気にしなくて良いですよ!むしろ楓先生と小説の話ができて楽しかったです!」
「神野さん、私のファンだったようね」
「サイン本をいただいちゃいました!」
そう言って嬉しそうに見せる神野さん。
どうやら俺がいない間、母さんや桜がもてなしてくれたようだ。
「今日はコチラをお届けに来ました!お仕事の話もあるのですが、日向さんが留守の場合は後ほど電話させていただく予定でした!」
そう言って神野さんが大きな紙袋を俺に渡す。
「あのぉ。これって、もしかして――」
「はい!日向さん宛のファンレターです!今回も軽く10000通は超えてますね!」
「またかよ!」
紙袋を見た瞬間、そんな予感はしていた。
「何通か開けてみますか?」
「いえ。時間がある時、ゆっくりと確認します」
(前回同様、訳の分からない事ばかり書かれてそうだからな)
そんなことを思いつつ、もう一つの要件を問いかける。
「ファンレター以外にも話があるんですよね?」
「はい!日向さんへ新しいお仕事の依頼です!来週、日向さんたちの写真集を撮ろうと考えてます!」
「今度は写真集ですか。俺の写真集なんか売れないと思うので断ろうと――」
「ダメだよ!写真集だよ!これは受けるべきだよ!」
ものすごい迫力で桜に止められる。
「な、なぜだ?」
「え、えーっと。わ、私がお兄ちゃんの写真集が欲しいから」
すると今度は一転、モジモジしながら桜が答える。
「な、なるほど。俺の黒歴史写真集を手に入れて俺を脅すつもりか。考えたな桜」
「そっ、そんなこと――」
「日向さん、安心してください!今回は日向さんだけの写真集じゃないので黒歴史にはならないと思いますよ!」
桜が何かを言っていたが神野さんと言葉が被り、かき消される。
「いや写真集に俺が載ること自体が黒歴史なのですが。まぁ、とりあえず話だけは聞きます」
「ありがとうございます」
そう言って一拍置く。
「なんとですね。今回、星野ミクさんと二人でイチャイチャカップル写真集を撮っていただきます!ちなみにイチャイチャカップル写真集は業界初の試みなので、売れるかは未知数です!」
「より一層嫌になったんだけど!俺、ミクさんのファンから殺されるんだけど!」
(「俺のミクちゃんに近づくんじゃねぇ!」って言われながら刺し殺される未来が見える!)
「えっ!待って!それなら私は反対だよ!」
「桜はどっちの味方なんだ!?」
そして何故か突然、俺の味方になる。
「お兄ちゃん!これは絶対断るべきだよ!」
「あぁ。俺もそう思う。だから桜は俺の援護を頼むぞ」
「まかせてー!」
桜を仲間に引き入れて神野さんへ対抗する。
「絶対やらない方がいいと思います!」
「私もお兄ちゃんに賛成です!」
2人一緒に反対するが、なぜか神野さんが余裕の笑みを浮かべる。
「分かってます。私も反対されると思ってました。なので楓先生の力を借りました!」
その言葉を待っていたかのように、隣にいた母さんが動き出す。
(やべぇ!嫌な予感しかしねぇ!)
そんなことを思い、身構える。
「真白くん。さっそくなんだけど、良いニュースと悪いニュースがあるわ」
「また!?数日前もこのパターンあったぞ!?」
「さぁ、どっちから聞きたいかしら?」
「そ、そうだなぁ。前回は悪いニュースから聞いたんで今回は良いニュースからで」
「わかったわ。良いニュースは隣の家に住んでいる老夫婦の娘さんに3人目の子供が産まれたことよ」
「誰それ!?俺に関係のないことなんだけど!」
確かに良いニュースではあるが、俺に無関係過ぎて手放しに喜べない。
「で、次が悪いニュースになるのだけど、その写真集の依頼、私が了承したから、もう断れないわ」
「先に言えよ!」
やはり嫌な予感は的中したようだ。
「だって真白くんが後に聞きたいって」
「確かにそう言ったけど、良いニュースの内容が喜べる内容かと思ったんだよ!」
俺の予定では良いニュースを盛大に喜ぶことで、悪いニュースを忘れる予定だった。
しかし手放しに喜べる内容ではなかったので微妙な反応となる。
「あら。とても良いニュースだと思ったのだけど」
「良いニュースだよ!?でも『わ~おめでと~!』くらいしかならないから!」
「私の気遣いが無駄だったと言いたいのかしら?少しでもガッカリする気持ちを抑えようと、私なりに配慮したのだけど」
「いや気遣いは嬉しいんだよ!でも良いニュースの内容が――」
「じゃあ、そういうことだから」
そう言って母さんがリビングから出て行く。
「えぇー。言いたいことだけ言って出て行ったんだけど」
「というわけで日向さん!よろしくお願いしますね!」
「………はい」
俺は頷くしかできず、仕事を引き受けることにする。
(だから神野さん、終始ニコニコしてだんだな)
そんなことを思う。
その横で桜が「なんでお母さんは引き受けたのよー!」と言いながら部屋から飛び出す。
「い、忙しい奴だなぁ」
「ふふっ、桜ちゃんは可愛いですね」
その様子を見て、神野さんが微笑ましそうに呟いた。
「今日はありがと。おかげで自分の歌に自信が持てたよ」
「いえいえ!私の方こそダンスを見てくれてありがと!」
「全くアドバイスできなかったけどな」
「ううん!シロくんが見てくれたってところが大事だから私にとっては良い練習になったよ!」
「そうか。それなら良かったよ」
そんなやり取りをして車を降りる。
「シロくん!今日は梨奈が邪魔したから今度は二人きりでデートしようね!」
「……え?あれ、本気なの?」
「もちろん!また連絡するね!」
「あ、あぁ。その時が来たら連絡してくれ」
そう答えた後、車を見送って家に入る。
「ただいまー」
「あ、お兄ちゃん!おかえりー!今、神野さんが来てるよー!」
「え、電話でもよかったのに!」
俺は慌ててリビングへと向かう。
「すみません、神野さん。用事があって出かけていました」
「いえいえ!連絡なくコチラに伺った私が悪いですから気にしなくて良いですよ!むしろ楓先生と小説の話ができて楽しかったです!」
「神野さん、私のファンだったようね」
「サイン本をいただいちゃいました!」
そう言って嬉しそうに見せる神野さん。
どうやら俺がいない間、母さんや桜がもてなしてくれたようだ。
「今日はコチラをお届けに来ました!お仕事の話もあるのですが、日向さんが留守の場合は後ほど電話させていただく予定でした!」
そう言って神野さんが大きな紙袋を俺に渡す。
「あのぉ。これって、もしかして――」
「はい!日向さん宛のファンレターです!今回も軽く10000通は超えてますね!」
「またかよ!」
紙袋を見た瞬間、そんな予感はしていた。
「何通か開けてみますか?」
「いえ。時間がある時、ゆっくりと確認します」
(前回同様、訳の分からない事ばかり書かれてそうだからな)
そんなことを思いつつ、もう一つの要件を問いかける。
「ファンレター以外にも話があるんですよね?」
「はい!日向さんへ新しいお仕事の依頼です!来週、日向さんたちの写真集を撮ろうと考えてます!」
「今度は写真集ですか。俺の写真集なんか売れないと思うので断ろうと――」
「ダメだよ!写真集だよ!これは受けるべきだよ!」
ものすごい迫力で桜に止められる。
「な、なぜだ?」
「え、えーっと。わ、私がお兄ちゃんの写真集が欲しいから」
すると今度は一転、モジモジしながら桜が答える。
「な、なるほど。俺の黒歴史写真集を手に入れて俺を脅すつもりか。考えたな桜」
「そっ、そんなこと――」
「日向さん、安心してください!今回は日向さんだけの写真集じゃないので黒歴史にはならないと思いますよ!」
桜が何かを言っていたが神野さんと言葉が被り、かき消される。
「いや写真集に俺が載ること自体が黒歴史なのですが。まぁ、とりあえず話だけは聞きます」
「ありがとうございます」
そう言って一拍置く。
「なんとですね。今回、星野ミクさんと二人でイチャイチャカップル写真集を撮っていただきます!ちなみにイチャイチャカップル写真集は業界初の試みなので、売れるかは未知数です!」
「より一層嫌になったんだけど!俺、ミクさんのファンから殺されるんだけど!」
(「俺のミクちゃんに近づくんじゃねぇ!」って言われながら刺し殺される未来が見える!)
「えっ!待って!それなら私は反対だよ!」
「桜はどっちの味方なんだ!?」
そして何故か突然、俺の味方になる。
「お兄ちゃん!これは絶対断るべきだよ!」
「あぁ。俺もそう思う。だから桜は俺の援護を頼むぞ」
「まかせてー!」
桜を仲間に引き入れて神野さんへ対抗する。
「絶対やらない方がいいと思います!」
「私もお兄ちゃんに賛成です!」
2人一緒に反対するが、なぜか神野さんが余裕の笑みを浮かべる。
「分かってます。私も反対されると思ってました。なので楓先生の力を借りました!」
その言葉を待っていたかのように、隣にいた母さんが動き出す。
(やべぇ!嫌な予感しかしねぇ!)
そんなことを思い、身構える。
「真白くん。さっそくなんだけど、良いニュースと悪いニュースがあるわ」
「また!?数日前もこのパターンあったぞ!?」
「さぁ、どっちから聞きたいかしら?」
「そ、そうだなぁ。前回は悪いニュースから聞いたんで今回は良いニュースからで」
「わかったわ。良いニュースは隣の家に住んでいる老夫婦の娘さんに3人目の子供が産まれたことよ」
「誰それ!?俺に関係のないことなんだけど!」
確かに良いニュースではあるが、俺に無関係過ぎて手放しに喜べない。
「で、次が悪いニュースになるのだけど、その写真集の依頼、私が了承したから、もう断れないわ」
「先に言えよ!」
やはり嫌な予感は的中したようだ。
「だって真白くんが後に聞きたいって」
「確かにそう言ったけど、良いニュースの内容が喜べる内容かと思ったんだよ!」
俺の予定では良いニュースを盛大に喜ぶことで、悪いニュースを忘れる予定だった。
しかし手放しに喜べる内容ではなかったので微妙な反応となる。
「あら。とても良いニュースだと思ったのだけど」
「良いニュースだよ!?でも『わ~おめでと~!』くらいしかならないから!」
「私の気遣いが無駄だったと言いたいのかしら?少しでもガッカリする気持ちを抑えようと、私なりに配慮したのだけど」
「いや気遣いは嬉しいんだよ!でも良いニュースの内容が――」
「じゃあ、そういうことだから」
そう言って母さんがリビングから出て行く。
「えぇー。言いたいことだけ言って出て行ったんだけど」
「というわけで日向さん!よろしくお願いしますね!」
「………はい」
俺は頷くしかできず、仕事を引き受けることにする。
(だから神野さん、終始ニコニコしてだんだな)
そんなことを思う。
その横で桜が「なんでお母さんは引き受けたのよー!」と言いながら部屋から飛び出す。
「い、忙しい奴だなぁ」
「ふふっ、桜ちゃんは可愛いですね」
その様子を見て、神野さんが微笑ましそうに呟いた。
112
あなたにおすすめの小説
『パンツの色』を視るだけで最強になった俺、聖女様の『白』で無敵の守護騎士と崇められる ~七色のヒロインに挟まれて理性が限界突破~
白山 乃愛
ファンタジー
「この世の真理は、下着の中にある」
山奥の美魔女師匠にそう教え込まれ、視認した「下着の色」をステータスに変換する最強の魔眼、『煩悩眼(デザイア・アイ)』を手に入れた高校生、色島カナタ。
ある日、学園の「聖女」と呼ばれる生徒会長・真白セイラを襲う魔獣を倒すため、カナタは彼女のスカートの中にある『純白』をガン見する。
「白(ホワイト)……ッ! 君の色は最高だァァァ!」
覚醒したカナタは、「物理無効化」の無敵バフを発動し、華麗に魔獣を撃破。
ただの変態として通報されるかと思いきや――
「誰もが見て見ぬ振りをした私の内面(心)の白さを、貴方だけが見抜いてくれた……!」
なぜか「高潔な精神を持つ騎士様」だと盛大に勘違いされてしまう。
その日から、カナタの学園生活は一変する。
物理的な質量を持つ「極太の好意の矢印」を顔面に押し付けてくる、重すぎる聖女様(白・防御特化)。
「私を見れば、もっと激しくなれるわよ?」と、漆黒の勝負下着で誘惑してくる小悪魔な転校生(黒・攻撃特化)。
白と黒。
二人のヒロインに挟まれ、カナタの理性と鼻血は限界突破寸前!
見れば最強。見すぎれば死(社会的に)。
これは、不純な動機と能力で戦う変態紳士が、なぜか世界を救って英雄になってしまう、ドタバタ学園無双ラブコメディ。
【更新頻度】
毎日更新(予定)
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
『俺アレルギー』の抗体は、俺のことが好きな人にしか現れない?学園のアイドルから、幼馴染までノーマスク。その意味を俺は知らない
七星点灯
青春
雨宮優(あまみや ゆう)は、世界でたった一つしかない奇病、『俺アレルギー』の根源となってしまった。
彼の周りにいる人間は、花粉症の様な症状に見舞われ、マスク無しではまともに会話できない。
しかし、マスクをつけずに彼とラクラク会話ができる女の子達がいる。幼馴染、クラスメイトのギャル、先輩などなど……。
彼女達はそう、彼のことが好きすぎて、身体が勝手に『俺アレルギー』の抗体を作ってしまったのだ!
「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!
野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。
私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。
そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる