少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部

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芸能界編

再び星野家へ 2

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 俺たち全員が絶句していると、お父さんが口を開く。

「そもそも日向くんの家っていうところがダメなんだ!ミクは日向くんに気を許しているようだが、男の家に行かせるのは結婚してからだ!まっ、俺はミクに結婚の許可を出さないから、一生ミクが男の家にお邪魔することはないがな!」

 キメ顔で言う。

「アタシ、お父さんのこと嫌いになりそうなんだけど」
「ヒナも」
「お母さんもここまでだとは思わなかったわ」

(おい、お父さん。女性陣がドン引きしてるぞ)

 それに気づき、女性陣の視線に耐えられなくなったお父さんが「こほんっ!」と咳払いを挟む。

「さ、さすがに言い過ぎた。結婚まではいかないが、俺が結婚しても良いと思った男には許可を出そう」

 その返答にミクさんたちが不敵な笑みを浮かべる。

(な、なんか3人とも目が怖くなったぞ?)

「だが俺は日向くんをミクの結婚相手にふさわしいと思っていない。よってミクが元日に日向くんの家に行くことを許可しない!」

 お父さんが堂々と言う。

「なるほど。ちなみになんだけど、お父さんがアタシの結婚相手にふさわしいって思った男性はシロ様だけか?」
「そうだな。今のところシロ様が一番ふさわしいと思ってる。だからシロ様ならミクとの結婚を許す――いや、俺がお願いしに行ってやる!」

 その返答にヒナちゃんが「勝ち確なの」と呟く。
 そしてミクさんがこっそりガッツポーズをしていた。

「最近、ミクとシロ様のイチャイチャ動画がアップされただろ?あれを見て俺はミクの結婚相手はシロ様が良いと思った」

(な、なんか知らない間にお父さんの中でシロ様の評価が上がっとる)

「本当は今日、ヒナの撮影に同行してシロ様を我が家へ招待しようと思ってたんだ。仕事があってできなかったが、そうしたいくらいシロ様にミクを紹介したいんだ」

 お父さんの返答を聞いて、さらに悪い顔になる3人。

「じゃあアタシがシロ様の家に行くって言ったら?」
「そんなの俺が家まで送ってやるよ」
「元日でも?」
「家族と過ごせなくなるのは惜しいが、ミクとシロ様が結婚するためだ。我慢しよう。だが今回はシロ様の家じゃなくて日向くんの家だからな。ミクの気持ちは分かったがクリスマスは俺が引き下がったんだ。今回はミクが諦めてくれ」

 その返答にミクさんが満面の笑みとなる。

「やったな!真白くん!アタシ、真白くんの家に行っていいって!」
「お、おう。そうらしいな」
「お姉ちゃん!楽しんでくるの!」
「ミク、元日は楽しんでね」
「あぁ!ありがとう、母さん!それにヒナも!」

 そんな感じでミクさんたち3人が喜ぶ。
 すると、今の状況について来れてないお父さんが声を上げる。

「おい!俺は日向くんの家に行っていいと許可した覚えはないぞ!?」
「いや、シロ様の家なら行っていいんだろ?」
「あぁ、そう言ったが――元日は日向くんの家に行くんだろ?」

 お父さんの目に見えて分かるくらい困惑している。

「真白さん。これかぶってください。できるだけ髪の毛を帽子の中に入れるように」

 その様子を見てお母さんから帽子を渡される。
 俺はやってほしいことが分かったので、その意図を汲み取り、シロ様だとわかるように帽子をかぶる。

 すると…

「えっ!シ、シロ様!?」

 お父さんが俺の正体に気づき、声を上げる。

「そうなの!真白お兄ちゃんはシロ様だったの!」

 その言葉をヒナちゃんが肯定する。

「そういうことだから、アタシは元日に――」

 と、ミクさんが喋っている時、“ササッ!”と、お父さんが動き出す。
 そして素早く俺の前で正座し、俺の手を握る。

「シロ様!あなたの活躍には目を見張るものがある!」

 いきなり絶賛してきた。

「あ、ありがとうございます」
「日向くんがシロ様なら初めて会った時に言ってほしかったな!そしたら『娘はやらんっ!』とか言わなかったのに!」
「いえ、前回は正体を言える空気ではなかったので」

(だってシロ様をベタ褒めしてたし!)

「あっ!正座のままでは脚が痺れるだろ?ささっ!リビングにどうぞ!高級なお菓子をご用意致しますので!あ、お腹も空いてるなら、今すぐ高級寿司をテイクアウトするぞ?なんならウチに1泊してもいい!どうだ!?」
「「「「……………」」」」

(対応が違いすぎる!)

 お父さんの変わりように言葉を失う俺たち。

「い、いえ。そこまでしていただかなくても」
「まぁまぁ遠慮せず!今なら1泊するとミクの添い寝がついてくるサービス付きだ!」
「お、お父さん!そ、それは早すぎだ!」

 ミクさんが慌ててお父さんを止める。
 その隙に俺はアイコンタクトでお母さんに助けを求める。

「あなた!まず最初に言うことがあるでしょ!」
「そ、そうだよな」

 お母さんに注意され、お父さんが姿勢を正す。

「で、シロ様とミクの結婚式はいつなんだ?」

 “スパーン!”

 お父さんの頭をお母さんが叩く。

「ちょっ!痛いんだけど!」
「違うでしょ!まずは今までの無礼を謝りなさい!」
「うっ!シロ様に会うことができて我を忘れていた。そ、そうだよな。すまなかった、シロ様。今までの無礼を謝らせてくれ」

 お父さんが俺に頭を下げて謝る。

「い、いえ!気にしてませんので頭を上げてください!」
「ありがとう!やっぱり俺の想像通り、シロ様は懐が深い男だ!シロ様ならいつでもミクをお嫁にやるぞ!」
「ま、待ってください!俺如きがミクさんをもらうことなんてできませんから!」
「そんなに謙遜しなくていいぞ!俺はミクの結婚相手にふさわしいと思ってるから!」
「そうよ。私も真白さんがミクと結婚してくれると嬉しいもの」
「ヒナも真白お兄ちゃんがお姉ちゃんと結婚した方がいいと思うの!」

 何故か家族3人からミクさんとの結婚を推される。
 その言葉にミクさんが顔を赤くしている。

「な、何度も言いますが俺はミクさんにふさわしい男ではないので」

 そう伝えると、お父さんがミクの耳元で何かを話し始める。

「ミクが日向くんのことを好きなのは理解していたが――アプローチが足りないんじゃないか?」
「うっ、その通りなんだよ」
「まぁ日向くんがシロ様ということなら俺も応援してやろう」
「ほ、ホントか!?」
「あぁ、だから元日は家族ではなくシロ様と過ごしていいぞ。その変わり、しっかりとシロ様を虜にしてこい」
「うん!ありがと!お父さん!」

 どんな会話をしていたかは聞き取れなかったが、ミクさんが嬉しそうに笑っていた。

「シロ様。元日はミクと遊んでやってくれ」
「いいんですか!」
「あぁ。その変わり――俺の分までミクと楽しんでくれよ」

 マジトーンで言われる。

「わ、わかりました」

(俺、部屋にこもる予定だけど。まぁ涼宮さんたちがミクさんを楽しませてくれるでしょう)

 そんな感じで、無事に許可を得ることができた。
 そして元日がやってくる。
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