1 / 2
プロローグ 死神の始め
しおりを挟むストレス社会。
少子高齢化に引き続き、世界恐慌、インフレの続くこの世で人々は苦痛に耐えかねる、―――自らの死を望むほどに。
さあ、世界はどうなるのだろうか。
宗教で言うところの神が存在するのならば、遠くで傍観するだけの神々はさぞかしこの話題で盛り上がっているだろう。
宗教というものに疑いを感じない人々はただ神の奇跡を待つばかり。
―――冗談じゃない、そういい始めたのは誰だったか…。
神に祈ることに必死な人々には視界にも入らなかったことだろう。
魔女だ魔法使いだと適当なことを言われて殺された両親を持つ、善良な家庭を築いていた一人の少年のことなど。
少年はその時「罪」というものを知ってしまった、そして頭のいい奴らに惑わされる人々が馬鹿なのだと思ってしまった。
―――もう神なんて待っていられない、神なんていないのだ。だったら私がこの世界を変えてやろう。
そのちょっとした歪が新たな世界を呼び起こすことになる。
少年は「罪」を人々に償わせるようになった、「死」という形で。
それを見た人々は思うのだ、ああ救世主様、やっと神が我々に救いの手を差し伸べたのだと。
少年は不本意ながらも人々からこう呼ばれるようになった。
「死神」と。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる