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学園編
82 ゴードン
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「す、凄いわねっ!あっ、いえ、申し訳ございません。冒険者登録ですね。では、身分カードの提示をお願いします」
受付嬢は興奮した様子をすぐに仕事モードに戻した。
私は今朝、御祖父様から貰った銅で作られたであろうそれを渡す。
ちなみに、貴族のそれは金で作られている。
それが教会での祝福で全員に配られるのだから、金持ちの無駄使いだと思う。
「はい、お預かり致しますね。少々お待ちください」
受付嬢はそそくさと奥の部屋に入っていった。
しばらくすると、ソワソワしながらこれまた筋肉質な男性を連れてやって来た。
男性は五十代ほどに思われるが、デキル雰囲気を纏わせている。
「ふーん、お前が冒険者になりたいやつか」
「はい、初めまして。ララです」
ロロだから、ララ。
安直だと思ったが、考えるのが面倒だった。
「お前、もしかして仮面の乙女『ロロ』の娘か?」
先程からソワソワしている受付嬢が言いづらかったことを、さらりと言った男に少し感心する。
静まっていたギルド内がざわつき始めた。
「はい、そうですね。私の母はロロですよ」
というか、なんだ?仮面の乙女って?
「うーん、そうか。やっぱなー……、ロロは元気にしているのか?」
「とても元気ですね」
私は冒険者だったことを微塵も感じさせない、マナーの鬼である母を想像する。
実はたまに家の兵士たちと内緒で訓練しているのを目にするので、その腕っぷしは今も健在だろう。
それもここ最近知ったことだが。
この男性はお母様の知り合いらしい。
どういう関係なのかなと私がじーっと見ていると、男性は在りし日を思っていたのであろう、ぼうっとして視線を感じるとにこりと微笑みながら現し世に戻ってきた。
「ま、ここで会うのもなにかの縁だよな。俺はギルドマスターのゴードンだ。ロロとは昔一緒に戦った仲だ。よろしく」
「よろしくお願いします」
私よりも何回りも大きい手と握手する。
この習慣はなぜか前世と同じだ。
「んで、冒険者登録か……。飛び級試験、受けんだろ?」
ニヤニヤしながら顎を撫でるゴードン。
私はお髭がジャリジャリしていそうだなと、つまらないことを考えていた。
「はい、もちろんです」
飛び級試験とは、ランクを上げるための手段の一つである。
主に新人冒険者が受け、その実力にあったランクにつくことで効率よく仕事を受けられるという良い制度だ。
私には夏休みという少ない時間しかないので、たいへん都合が良い。
わざわざ、お母様の娘として身分カードを偽ってもらったのはこのためである。
「よっし、なら、俺と一勝負しようか」
「えっ!?マスター!危険です!」
ゴードンが斧を取ったのを見た受付嬢は、なにがとは言わずに止めようとした。
というか、ゴードンの斧は筋肉質で全体的に大きいゴードンよりも大きい。
ゴードンが身体強化を使う様子はないので、素でのパワーなのだとわかる。
「えー、良いじゃん。俺、ロロの娘とやりあってみたい!」
「で、ですが……」
「私も、ゴードンさんと戦ってみたいです。ゴードンさん、お強そうですし」
強い人は好きだ。
戦うのが楽しい。
それが伝わったのだろうか、同種のゴードンの目が光る。
「ふっ、やっぱロロの娘だなぁ。好戦的なやつ、俺は好きだぜ。さあ、闘技場へ行こうか!」
「マスタ~……」
ゴードンは止めようとする受付嬢を引きずって歩いている。
私はクスクスと笑いながらその後をついていった。
受付嬢は興奮した様子をすぐに仕事モードに戻した。
私は今朝、御祖父様から貰った銅で作られたであろうそれを渡す。
ちなみに、貴族のそれは金で作られている。
それが教会での祝福で全員に配られるのだから、金持ちの無駄使いだと思う。
「はい、お預かり致しますね。少々お待ちください」
受付嬢はそそくさと奥の部屋に入っていった。
しばらくすると、ソワソワしながらこれまた筋肉質な男性を連れてやって来た。
男性は五十代ほどに思われるが、デキル雰囲気を纏わせている。
「ふーん、お前が冒険者になりたいやつか」
「はい、初めまして。ララです」
ロロだから、ララ。
安直だと思ったが、考えるのが面倒だった。
「お前、もしかして仮面の乙女『ロロ』の娘か?」
先程からソワソワしている受付嬢が言いづらかったことを、さらりと言った男に少し感心する。
静まっていたギルド内がざわつき始めた。
「はい、そうですね。私の母はロロですよ」
というか、なんだ?仮面の乙女って?
「うーん、そうか。やっぱなー……、ロロは元気にしているのか?」
「とても元気ですね」
私は冒険者だったことを微塵も感じさせない、マナーの鬼である母を想像する。
実はたまに家の兵士たちと内緒で訓練しているのを目にするので、その腕っぷしは今も健在だろう。
それもここ最近知ったことだが。
この男性はお母様の知り合いらしい。
どういう関係なのかなと私がじーっと見ていると、男性は在りし日を思っていたのであろう、ぼうっとして視線を感じるとにこりと微笑みながら現し世に戻ってきた。
「ま、ここで会うのもなにかの縁だよな。俺はギルドマスターのゴードンだ。ロロとは昔一緒に戦った仲だ。よろしく」
「よろしくお願いします」
私よりも何回りも大きい手と握手する。
この習慣はなぜか前世と同じだ。
「んで、冒険者登録か……。飛び級試験、受けんだろ?」
ニヤニヤしながら顎を撫でるゴードン。
私はお髭がジャリジャリしていそうだなと、つまらないことを考えていた。
「はい、もちろんです」
飛び級試験とは、ランクを上げるための手段の一つである。
主に新人冒険者が受け、その実力にあったランクにつくことで効率よく仕事を受けられるという良い制度だ。
私には夏休みという少ない時間しかないので、たいへん都合が良い。
わざわざ、お母様の娘として身分カードを偽ってもらったのはこのためである。
「よっし、なら、俺と一勝負しようか」
「えっ!?マスター!危険です!」
ゴードンが斧を取ったのを見た受付嬢は、なにがとは言わずに止めようとした。
というか、ゴードンの斧は筋肉質で全体的に大きいゴードンよりも大きい。
ゴードンが身体強化を使う様子はないので、素でのパワーなのだとわかる。
「えー、良いじゃん。俺、ロロの娘とやりあってみたい!」
「で、ですが……」
「私も、ゴードンさんと戦ってみたいです。ゴードンさん、お強そうですし」
強い人は好きだ。
戦うのが楽しい。
それが伝わったのだろうか、同種のゴードンの目が光る。
「ふっ、やっぱロロの娘だなぁ。好戦的なやつ、俺は好きだぜ。さあ、闘技場へ行こうか!」
「マスタ~……」
ゴードンは止めようとする受付嬢を引きずって歩いている。
私はクスクスと笑いながらその後をついていった。
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