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学園編
103 お兄様はお見通し
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遠征中にスノーサーベルタイガーが現れた。
なんて、物語のようだが現実である。
ある程度の知能を持ち、雪原の頂点であるスノーサーベルタイガーが人間のいる場所までやってくるなんて驚きをなのだが、そこに更に亜種というおまけまで付いてきていた。
現在、先生の忠告を聞かない馬鹿二人組が魔獣討伐を挑みに外へ飛び出したところである。
ま、私も人のこと言えないけど。
部屋まで戻ると、なんとそこにはお兄様が居座っていた。
「にいに……、よく私の考えがお分かりで」
隠しようがないと判断したので、正直な気持ちを述べると、お兄様はため息をついた。
「今年の一年生は馬鹿ばかりなのか……」
ははは、残念でしたねお兄様、こんな年から先生で。
「サァラ、僕は君のことを分かってるから言うけど、今回の件、どうも様子がおかしい。スノーサーベルタイガーがここまで下りてくるのは今までにないことなんだ。食料が無くなったという訳でもないし、なぜか怪我を負っている。僕としては大人しくしていて欲しいけれど、俺としては猫の手も借りたいぐらいだからね。今、学園長に連絡をして救援を頼んでいる。騎士団が来るまで粘れるか?」
「にいにったら、誰にものを言っているんですの?」
来るまで粘るんじゃなくて、来るまでに倒すから。
私はにこりと笑って、兄を部屋から追い出した。
部屋の前で準備を待っていたらしい兄は私の姿に絶句する。
「……さ、サァラ?」
「ふふっ、今はAランク冒険者『ララ』ですわ、にいに」
お兄様の姿を見るまではサリィになろうと思っていたが、お兄様に似ているのだったとやめた。
兄弟ですか?と聞かれれば答えようがない。
親戚はみんな有名貴族だからね。
「……夏休暇の時か」
「当たりです」
ふむ、やっぱり影を引き入れていてよかった。
冒険者のことを喋っていない様子である。
私を殴ってきたあの大男のことが少し心配だったんだよねー。
「さっ、行きますよ。レッツらトラ退治です!」
「きゅぃ!」
私の掛け声にファニも元気に鳴く。
「……いや、だから時間稼ぎなんだって」
宿に大きな結界を張った私たちは、転移でトラの居るすくそばまで来ていた。
そこからは走りなのだが、数秒もかからずに着く。
状況はトラに大きく押されているようだった。
不意に映るピンク髪にお兄様が眉間にシワを寄せる。
「なぜあいつが居る?」
「にいに、知り合いでしたか?」
誰とは言わずもがな、自らヒロインを名乗る現代っ子少女メロディである。
ーーーっと、彼女はお兄様にぞっこんでしたわ。
ならばコンタクトくらい取っているのだろう。
「僕、あいつ嫌いなんだよね。媚た目線でサァラと僕が不仲だとか、母上がいないとかほざくんだ。意味が分からないよ。喋り方も馬鹿丸出しだし」
「……」
どうやらメロディ少女の思いはシスコン兄には通じなかったようである。
そしてそれはゲームの世界での設定だったのだろう。
……なんか、ごめんね。
「というか、今も邪魔してるみたいだし。本当存在がもう邪魔だよね」
というかお兄様が珍しいくらい相手を貶している。
いや、見下すとか貶すとか常時だけど。
ここまでは初めてかもしれない、エドモントを抜いてね。
ーーーもしかして。
「まだあの事引きずってますの?」
わざわざあの事と言ったのに、一気にお兄様の機嫌が悪くなる。
これは確定ですね。
「……なにもしないでくださいませね?」
脅迫気味に言えば目を泳がせる。
私はため息をついて、シスコンすぎる兄の腕を掴み、メロディの近くに転移させてあげた。
なんて、物語のようだが現実である。
ある程度の知能を持ち、雪原の頂点であるスノーサーベルタイガーが人間のいる場所までやってくるなんて驚きをなのだが、そこに更に亜種というおまけまで付いてきていた。
現在、先生の忠告を聞かない馬鹿二人組が魔獣討伐を挑みに外へ飛び出したところである。
ま、私も人のこと言えないけど。
部屋まで戻ると、なんとそこにはお兄様が居座っていた。
「にいに……、よく私の考えがお分かりで」
隠しようがないと判断したので、正直な気持ちを述べると、お兄様はため息をついた。
「今年の一年生は馬鹿ばかりなのか……」
ははは、残念でしたねお兄様、こんな年から先生で。
「サァラ、僕は君のことを分かってるから言うけど、今回の件、どうも様子がおかしい。スノーサーベルタイガーがここまで下りてくるのは今までにないことなんだ。食料が無くなったという訳でもないし、なぜか怪我を負っている。僕としては大人しくしていて欲しいけれど、俺としては猫の手も借りたいぐらいだからね。今、学園長に連絡をして救援を頼んでいる。騎士団が来るまで粘れるか?」
「にいにったら、誰にものを言っているんですの?」
来るまで粘るんじゃなくて、来るまでに倒すから。
私はにこりと笑って、兄を部屋から追い出した。
部屋の前で準備を待っていたらしい兄は私の姿に絶句する。
「……さ、サァラ?」
「ふふっ、今はAランク冒険者『ララ』ですわ、にいに」
お兄様の姿を見るまではサリィになろうと思っていたが、お兄様に似ているのだったとやめた。
兄弟ですか?と聞かれれば答えようがない。
親戚はみんな有名貴族だからね。
「……夏休暇の時か」
「当たりです」
ふむ、やっぱり影を引き入れていてよかった。
冒険者のことを喋っていない様子である。
私を殴ってきたあの大男のことが少し心配だったんだよねー。
「さっ、行きますよ。レッツらトラ退治です!」
「きゅぃ!」
私の掛け声にファニも元気に鳴く。
「……いや、だから時間稼ぎなんだって」
宿に大きな結界を張った私たちは、転移でトラの居るすくそばまで来ていた。
そこからは走りなのだが、数秒もかからずに着く。
状況はトラに大きく押されているようだった。
不意に映るピンク髪にお兄様が眉間にシワを寄せる。
「なぜあいつが居る?」
「にいに、知り合いでしたか?」
誰とは言わずもがな、自らヒロインを名乗る現代っ子少女メロディである。
ーーーっと、彼女はお兄様にぞっこんでしたわ。
ならばコンタクトくらい取っているのだろう。
「僕、あいつ嫌いなんだよね。媚た目線でサァラと僕が不仲だとか、母上がいないとかほざくんだ。意味が分からないよ。喋り方も馬鹿丸出しだし」
「……」
どうやらメロディ少女の思いはシスコン兄には通じなかったようである。
そしてそれはゲームの世界での設定だったのだろう。
……なんか、ごめんね。
「というか、今も邪魔してるみたいだし。本当存在がもう邪魔だよね」
というかお兄様が珍しいくらい相手を貶している。
いや、見下すとか貶すとか常時だけど。
ここまでは初めてかもしれない、エドモントを抜いてね。
ーーーもしかして。
「まだあの事引きずってますの?」
わざわざあの事と言ったのに、一気にお兄様の機嫌が悪くなる。
これは確定ですね。
「……なにもしないでくださいませね?」
脅迫気味に言えば目を泳がせる。
私はため息をついて、シスコンすぎる兄の腕を掴み、メロディの近くに転移させてあげた。
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