11 / 32
3 ハガユイ旅
3_②
しおりを挟む
「ティピカだよ!」
この町で見つかったカガミは、末の妹を描いたものだった。ユッポと同じく歌が好きで、よく一緒に歌ったそうだ。妹を語る声は元気だったが、段々に沈んだ調子になり、カガミを見る目も伏せがちに変わった。
「心配かい?」
最近、僕の頭からは、人形に心があるわけないという現実が抜けてしまう。ユッポを人形として観察するのを諦めつつあるから、仕方の無いことだ。
それに、こうして話すのと、カガミで見知っているせいかな。僕はユッポの弟妹にまで情が移ってきていた。姉が不在の中、ひっそり工房で過ごすなんて、心細いはずだ。影でも姿を見られたら、何か噂が立って、探りに来る町人もいるだろう。
「うん。みんな、パパのいいつけ、守ってるかな」
ユッポは顎の角度を少し上げて、遠くを見るようにする。師が残した書き置きの他に、決め事があったんだな。
「言いつけって、どんな?」
ここは宿の一室。誰の耳もないというのに、ユッポは一度、周りを気にした。うっかり、聞いてはまずいことに踏み込んでしまったか。
部屋を一周した目線が、僕とぴったり合った時、ユッポの顔はすっと真剣な様子になった。
「むずかしい、いいつけ。セコになら……わかるかもしれない」
最初と比べると、慣れた手つきでカガミを包んでから、小さく切り出す。
「わたしたちはね、おたがいに、正体を言っちゃだめなの。自分で自分を、見てもいけないの。それから、外に出たらだめって、言われてた。ビョーキを、ひとにうつしちゃうからって。わたしは、もう少しだから、出てもいいんだって」
人形であることを隠し、鏡を見てはいけない?
外に出ないように約束させるのは、騒ぎを避けるためだろうけど。ユッポは外に出られるらしいから、他の人形はここまでの出来栄えではないんだな。
「カガミの自分が本当の自分だって信じていれば、本当になるの。いつか、カガミと自分が同じように動いたら、ビョーキがなおった、しるしなんだって。そうなったら、みんなも外に出ていいの」
「でも、ユッポは……」
自分が人形だって、知ってるんだよな。僕の工房で鏡を見ていたし、絵のカガミとの違いを知っていた。
「鏡を見たことがあるのは、みんなが生まれる前。いい子にして、カガミをほんとうにするのは、わたしの方法」
何が病気なのか、弟妹とユッポの病気は違うものなのか、疑問はいくつかある。ユッポは、「パパの言うことだから」それだけで、自分を納得させてきたんだ。
そして、出会った時に言っていた。美しい装飾の姿見を、壊してきたと。他の子は鏡を見てはいけない、だから壊した。とすると、ユッポは人形たちの中で、特別な存在なのだろう。最初に作られたことや、人間と見紛う出来栄えから考えても、間違いはなさそうだ。
考える間に、ユッポの話は続く。
「でもね、鏡を見たら自分が人形ってわかるのと同じで、おたがいを見たらわかるんだよ。わたし達はキョーダイだもの。なのに、正体をかくさなくちゃいけないの」
自分達は嘘つきだ、と強い違和感を訴えている。
「嘘をつくのは、悪い子でしょ。だけど、ほんとうのことを言いたいとは、思わないの。どうしてかな」
師の言うこと、自分の思うこと。口を閉ざすこと、見たままを話すこと。何も噛み合わなくて、不安みたいだ。カガミを与え、世界を閉ざし、夢想を吹き込む。師が考えていることは僕にもわからない。そんな中で、ユッポに何を言ってあげられるだろう。
「嘘が……必要な場合もある」
僕は、いつか言ったことを繰り返した。上手く生きるために、人は色んな嘘をつくんだ。自分や、他人を守ろうとして事実を隠し、たまに失敗するけど、それを繰り返す。自分に対してだって。
僕も嘘をついてきた。そして、これからも。
「ユッポは、正体を隠す嘘は嫌だけど、本当のことを黙っていたいんだろ。ふたつの考えに、それぞれ理由を探してみるといいよ」
全ての嘘を否定すると、優しさを殺してしまうことがある。ユッポは、弟妹が真実に傷付くのを、避けたいのかもしれない。
「嘘と……ほんとう。うん、考えてみる」
ものごとの良し悪しを単純に判断してきたユッポが、自分の考えに気付いた。そして迷うようになった。考えて、頭の中に答えを探すなんて……まるで人間だよな。
きっとユッポは生き物なんだ。木で出来ていても。
澄んだ声が感情を宿していた。家族で再び暮らす日を夢見て、父のために人間になろうと頑張っている。父に逆らうという矛盾を抱えながら、弟妹を想い、旅に出た。
健気で危なっかしいユッポの旅路を、師の足跡がくらくらかわす。なぜ振り回すのだと、感情的になる自分がいた。
でも、現実も見えている。ユッポは、正体を隠すのは必要な嘘なのか、誰のためなのかと、独り言をこぼしている。いつか答えを見つけたとしても、人形のまま、人間になれることはない。
わかっているけど、哀しい。僕はおかしくなってしまったんだろうか。工房でひとり、作品とばかり向き合ってきたやつだ。孤独が妄想を見せているのではないかという不安は、旅の中で何度も首をもたげた。
「妹や弟のため、じゃないのか」
今更、不安だからってユッポと距離をとってどうする。僕は梱包されたカガミを見つめた。
「……わかんない。わたしの、ためなのかも……」
少しうつむいて、目だけをカガミに向けるユッポ。多分、言いつけを守るいい子でいたいから、嘘をつくのだと考えたんだ。弟妹のためにしたはずの行動が、自分が人間になるためだったような気がして、苦しい。
「なんだろう、こうしたらいいっていう方法がね、なかなか見つからない」
見えない自分に、一生懸命に目を凝らしている。
僕は、曇った気分を晴らすことは出来ないけれど、その感情を何と呼ぶのかは知っている。ひとつの形容があれば、折り合いがつくと思った。
「ユッポは、歯がゆいのかもしれないね」
「ハガユイ?」
ああ、やはり難しい言葉だったか。どう説明したものか。
自分への苛立ち、悲しみ、悔しさ……沢山の感情が混じりあったもの。わかりやすい言い方を探して、僕はしばし頭を捻った。経験に沿って捉えた方がいいかな。
「誰かを助けたいのに、手を貸せない時、色々な気持ちがわいてきて、どうと言えない、変な気分になるよね。その気持ちを、歯がゆいっていうのさ。……余計なことを言ったね。考えごとが増えて、思うままに動けなくなってしまったんだろう」
見境なしに手助けするのはどうだ、考えた方がいいと指摘したことこそ、おせっかいだったのだろうか。たったひとつ言葉を教えたからって、埋め合わせになるのか?
「ううん、セコは悪くない!」
ユッポは、しばし考えてから言い切った。首を回して、じっと僕を見る。
「少しだけ、わかってたの。セコのおかげで、もう少しわかった。困ってる人をお手伝いすると、いやな顔する人もいたから。わたしは、考えなくちゃいけなかったの」
省みた自分に向けてか、複雑な笑みが浮かんだ気がした。吹っ切れたところと、腑に落ちないところが両方ある。
「だから、ありがとう、セコ」
ユッポのお礼に、僕は何も返すことができなかった。
無理して笑うのを、見ているだけだった。
この町で見つかったカガミは、末の妹を描いたものだった。ユッポと同じく歌が好きで、よく一緒に歌ったそうだ。妹を語る声は元気だったが、段々に沈んだ調子になり、カガミを見る目も伏せがちに変わった。
「心配かい?」
最近、僕の頭からは、人形に心があるわけないという現実が抜けてしまう。ユッポを人形として観察するのを諦めつつあるから、仕方の無いことだ。
それに、こうして話すのと、カガミで見知っているせいかな。僕はユッポの弟妹にまで情が移ってきていた。姉が不在の中、ひっそり工房で過ごすなんて、心細いはずだ。影でも姿を見られたら、何か噂が立って、探りに来る町人もいるだろう。
「うん。みんな、パパのいいつけ、守ってるかな」
ユッポは顎の角度を少し上げて、遠くを見るようにする。師が残した書き置きの他に、決め事があったんだな。
「言いつけって、どんな?」
ここは宿の一室。誰の耳もないというのに、ユッポは一度、周りを気にした。うっかり、聞いてはまずいことに踏み込んでしまったか。
部屋を一周した目線が、僕とぴったり合った時、ユッポの顔はすっと真剣な様子になった。
「むずかしい、いいつけ。セコになら……わかるかもしれない」
最初と比べると、慣れた手つきでカガミを包んでから、小さく切り出す。
「わたしたちはね、おたがいに、正体を言っちゃだめなの。自分で自分を、見てもいけないの。それから、外に出たらだめって、言われてた。ビョーキを、ひとにうつしちゃうからって。わたしは、もう少しだから、出てもいいんだって」
人形であることを隠し、鏡を見てはいけない?
外に出ないように約束させるのは、騒ぎを避けるためだろうけど。ユッポは外に出られるらしいから、他の人形はここまでの出来栄えではないんだな。
「カガミの自分が本当の自分だって信じていれば、本当になるの。いつか、カガミと自分が同じように動いたら、ビョーキがなおった、しるしなんだって。そうなったら、みんなも外に出ていいの」
「でも、ユッポは……」
自分が人形だって、知ってるんだよな。僕の工房で鏡を見ていたし、絵のカガミとの違いを知っていた。
「鏡を見たことがあるのは、みんなが生まれる前。いい子にして、カガミをほんとうにするのは、わたしの方法」
何が病気なのか、弟妹とユッポの病気は違うものなのか、疑問はいくつかある。ユッポは、「パパの言うことだから」それだけで、自分を納得させてきたんだ。
そして、出会った時に言っていた。美しい装飾の姿見を、壊してきたと。他の子は鏡を見てはいけない、だから壊した。とすると、ユッポは人形たちの中で、特別な存在なのだろう。最初に作られたことや、人間と見紛う出来栄えから考えても、間違いはなさそうだ。
考える間に、ユッポの話は続く。
「でもね、鏡を見たら自分が人形ってわかるのと同じで、おたがいを見たらわかるんだよ。わたし達はキョーダイだもの。なのに、正体をかくさなくちゃいけないの」
自分達は嘘つきだ、と強い違和感を訴えている。
「嘘をつくのは、悪い子でしょ。だけど、ほんとうのことを言いたいとは、思わないの。どうしてかな」
師の言うこと、自分の思うこと。口を閉ざすこと、見たままを話すこと。何も噛み合わなくて、不安みたいだ。カガミを与え、世界を閉ざし、夢想を吹き込む。師が考えていることは僕にもわからない。そんな中で、ユッポに何を言ってあげられるだろう。
「嘘が……必要な場合もある」
僕は、いつか言ったことを繰り返した。上手く生きるために、人は色んな嘘をつくんだ。自分や、他人を守ろうとして事実を隠し、たまに失敗するけど、それを繰り返す。自分に対してだって。
僕も嘘をついてきた。そして、これからも。
「ユッポは、正体を隠す嘘は嫌だけど、本当のことを黙っていたいんだろ。ふたつの考えに、それぞれ理由を探してみるといいよ」
全ての嘘を否定すると、優しさを殺してしまうことがある。ユッポは、弟妹が真実に傷付くのを、避けたいのかもしれない。
「嘘と……ほんとう。うん、考えてみる」
ものごとの良し悪しを単純に判断してきたユッポが、自分の考えに気付いた。そして迷うようになった。考えて、頭の中に答えを探すなんて……まるで人間だよな。
きっとユッポは生き物なんだ。木で出来ていても。
澄んだ声が感情を宿していた。家族で再び暮らす日を夢見て、父のために人間になろうと頑張っている。父に逆らうという矛盾を抱えながら、弟妹を想い、旅に出た。
健気で危なっかしいユッポの旅路を、師の足跡がくらくらかわす。なぜ振り回すのだと、感情的になる自分がいた。
でも、現実も見えている。ユッポは、正体を隠すのは必要な嘘なのか、誰のためなのかと、独り言をこぼしている。いつか答えを見つけたとしても、人形のまま、人間になれることはない。
わかっているけど、哀しい。僕はおかしくなってしまったんだろうか。工房でひとり、作品とばかり向き合ってきたやつだ。孤独が妄想を見せているのではないかという不安は、旅の中で何度も首をもたげた。
「妹や弟のため、じゃないのか」
今更、不安だからってユッポと距離をとってどうする。僕は梱包されたカガミを見つめた。
「……わかんない。わたしの、ためなのかも……」
少しうつむいて、目だけをカガミに向けるユッポ。多分、言いつけを守るいい子でいたいから、嘘をつくのだと考えたんだ。弟妹のためにしたはずの行動が、自分が人間になるためだったような気がして、苦しい。
「なんだろう、こうしたらいいっていう方法がね、なかなか見つからない」
見えない自分に、一生懸命に目を凝らしている。
僕は、曇った気分を晴らすことは出来ないけれど、その感情を何と呼ぶのかは知っている。ひとつの形容があれば、折り合いがつくと思った。
「ユッポは、歯がゆいのかもしれないね」
「ハガユイ?」
ああ、やはり難しい言葉だったか。どう説明したものか。
自分への苛立ち、悲しみ、悔しさ……沢山の感情が混じりあったもの。わかりやすい言い方を探して、僕はしばし頭を捻った。経験に沿って捉えた方がいいかな。
「誰かを助けたいのに、手を貸せない時、色々な気持ちがわいてきて、どうと言えない、変な気分になるよね。その気持ちを、歯がゆいっていうのさ。……余計なことを言ったね。考えごとが増えて、思うままに動けなくなってしまったんだろう」
見境なしに手助けするのはどうだ、考えた方がいいと指摘したことこそ、おせっかいだったのだろうか。たったひとつ言葉を教えたからって、埋め合わせになるのか?
「ううん、セコは悪くない!」
ユッポは、しばし考えてから言い切った。首を回して、じっと僕を見る。
「少しだけ、わかってたの。セコのおかげで、もう少しわかった。困ってる人をお手伝いすると、いやな顔する人もいたから。わたしは、考えなくちゃいけなかったの」
省みた自分に向けてか、複雑な笑みが浮かんだ気がした。吹っ切れたところと、腑に落ちないところが両方ある。
「だから、ありがとう、セコ」
ユッポのお礼に、僕は何も返すことができなかった。
無理して笑うのを、見ているだけだった。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
別れし夫婦の御定書(おさだめがき)
佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。
離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。
月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。
おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。
されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて——
※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる