40 / 86
5章 孤島の森
挿話 青灰色に茜さす
しおりを挟む
コーメイでの魔物騒ぎを解決した後、キョウネ達の家で小さな祝勝会をしている時。ライカの探し物について、踏み込んだ話を聞くことができた。トラメはひとつの疑念も抱かずに、次の目的地に興味を示す。ライカは面食らった。
「信じるの? 今まで何も言わなかった奴の話だよ」
「なんだよ~、まだ難しいこと考えてんのか?」
トラメほど裏表のない、善意の塊も珍しい。神殿の中にだって、ここまで眩しい者はいないだろう。ため息をつこうとしたら、セルの口から言葉もこぼれた。
「君はもう少し考えたほうがいい」
「よく言われる。でもさ、ライカが俺に嘘つく理由もないだろ」
「まあ……それ言われちゃうとね……そうだね」
冒険する上での知識や経験、足の速さも、ライカの方が上なのだ。その気になればいつでも撒けるし、騙したければもっと仲良くする。他人の機微を感じとるのは、トラメが誰より得意なようだった。
セルには、この時ライカが諦めたような苦笑いを浮かべた理由がわからない。ラルゴ港を目指す途中、魔物の霧で口が滑ってようやく、彼女の内面が少し見えたくらいだ。飴を持ち歩いているだけで甘党を見抜かれて、不公平なものだと思った。
淡々と、神殿で任務に就いて、ことの次第を報告して、また次の任務へ。特に心を揺らすこともない暮らしから、急に激動の冒険へ放り出された。自分が置かれた状況を理解したのは、クーンシルッピに降り立ってからかもしれない。
余所者を警戒する土地柄は分かっていたから、制服にも視線が刺さるのは想定内。村長の家まで連れられていく間、空気がぴりぴりした。
「おおう、なんか思ってた以上にすげー雰囲気だな……」
「ああ」
トラメの呟きが、わかりやすく同意を欲していたので、てきとうに頷いておく。そうしたら、ぐいぐいと距離を詰めてくる存在があることに戸惑った。
「あれっ、もしかして男の子?」
声を聞いて初めて気づいた、とはしゃぐのは、ライカの親友ナバナだ。顔をじっと見てくるので、右に目をそらす。ナバナが視界に入ってくる。左にそらす。
「へぇ~まつげ長~い! トラメはずいぶん背が高いんだね、これと同じくらい?」
あっという間に話題が移って、手持ちの槍とトラメで背比べをしている。身長は槍よりいくぶん低かった。
(やはり、この顔は……女性に間違われるものなんだな)
面と向かって女顔だと言われたのは久しぶりだ。陰で言われるのとどちらにしても、なんだか胸がむかむかする。
ナバナ達が知る由もないが、セルが幼少期に両親から虐待を受けた原因は、綺麗な顔だった。こんなに綺麗で可愛いのに、なぜ女の子じゃないのか──今思えば、彼らはどこかが壊れていた。冷静に思い返しても、女の子扱いされる不快感は大きい。暴力の引き金として、記憶の片隅にこびりついているのだ。
「ごめんね、思ったこと真っ直ぐ言っちゃう子なの」
ライカが小声で謝ってきた。
「君が謝ってどうする。こんなこと、珍しくもない」
表情に気持ちが出にくくても、声は変わる。これまでより低い音に怒りを感じ取り、ライカは親友を庇ったのだろう。セルにとって、その行動はほとんど無意味だった。
「何かするほど腹が立っているわけでもないしな」
「やっぱり、怒ってはいるんだ」
ナバナに対する声音の低さで、ライカが痛いような顔をするのは変な気分だ。やはり、対人関係とは難しい。村長の家に着くまで、セルはもう口を閉じておくことにした。
玉石を求めて森を探索する明日に向け、さあ休もうという夜。ライカの住む集合住宅で、空き部屋に泊めてもらえることになる。部屋は男女で分かれた。手持ちの矢の数や矢尻の具合を確かめながら、行先の環境を考える。この島は湿度が高い。高めに射たほうが狙いが当たりそうだ。
「明日の天気、大丈夫かな」
トラメがこう言うのは、気候の特徴として急な強い雨があると聞いたから。セルも気にしていることだが、言葉にしても明日の天気は変わらない。
「さあな」
「だよな~、晴れでありますように!」
握り締めて祈るのは、シャインヴィル国章を象ったペンダントだった。なるほど、あの国は太陽の印象がある。
「そういえば、セルはお祈りとかしないんだ?」
大地母神エリスを祀る神殿に所属しているのだから、トラメの疑問は当然だ。敬虔な信徒なら、朝晩に祈りの時間をとる。だが、旅に出てから今まで、セルは一度も祈っていない。
「……熱心に祈っていて、魔物にやられたら本末転倒だ」
「ほん……何だって?」
「本末転倒。余計なことに執着して、必要なものを失うのはバカらしい、ような意味だよ」
はっきり祈りを「余計なこと」と言ってしまったが、とっさに出た解説がこれだった。ちらり、トラメの様子をうかがう。
「そっか、命の方が大事だもんな。僧兵はお祈り時間がすげえ短いのかと思ってた」
「祈る者もいるが、僕はしない。それだけさ」
本当は神なんか嫌いなんだ、ということは伏せた。トラメはあまりにすんなりと、セルの言い分を受け入れた。これ以上、詳しい説明はいらない。
(よく、こんなに素直なまま生きれこられたな。馬鹿と言ったらそれまでだが……あの目は、僕の本心を見抜いていそうで)
ナバナに顔を覗き込まれた時も同じだった。セルは弓を手に取り、目をそらす。
トラメは、誰に対するときも相手をよく見る。背が高いくせに見下ろす感じはなくて、真っ直ぐとはいえ探るような目線ではない。彼の考えていることは、皆に筒抜け。度を超えた素直さは、無意識に、心の壁を溶かしていく。
(言葉の意味を説明するのに、いちおう彼が理解できるようにと考えた。僕が少しでも他人を思いやるなんてな)
絆される、というのはこういうものか。自分を俯瞰してみて、まあこれでいいと思えるから不思議だ。
武器の手入れも終わり、あとは寝るだけ。制服を緩め始めたころ、トラメが思い出したように尋ねる。
「明日さ、俺ら崖下の担当じゃん。洞窟見終わったら合流する?」
トラメとヒスイ、セルとヴァルの二組は、崖を降りた低地をいく予定だ。それぞれ、玉石を探して見回る洞窟が複数あった。
「そうだな、行き違いを避けるには……僕達がそちらに向かおう。魔物が少ない場所のほうがいいだろう」
「うん」
それぞれ就寝準備ができ、ランプを消そうとして、セルはもうひとつ確認事項を思い出す。
「あと、洞窟の中にいる時は、入り口に目印を置いて欲しい。例えば、バンダナとか」
「なるほど。じゃあ、最後に見た洞窟からは動かないでいるよ」
トラメがいつも身につけている赤いバンダナは、森の中では目立つ。円滑に打ち合わせができて、心置きなく布団に入る。
翌日、予定通りに二人一組で森の低地と高地に散り、それぞれ目的の洞窟へ。セルはヴァルに観察されているのが気になったが、行動を共にするうちに解決した。ライカの兄貴分として、いまひとつ打ち解けていないセルを警戒していたようだ。
担当の洞窟が残りひとつとなり、邪魔な魔物を倒しながら進む。雲が太陽を隠したわけではないのに、不意に暗くなった気がした。
一瞬だけ肩を強張らせて、ヴァルが周囲の空気を睨む。セルも同じく異変を感じ取っていた。魔物が増加する兆候だ。
「探索は後回しだ。セル、あいつらん所に行くぞ!」
返事も待たずにヴァルは駆け出す。土地勘のある彼は、トラメ達がいる方を目指すのだろう。焦りの訳に、セルも遅れて気付く。
(この急な変化……もし大物が現れたら、あのふたりでは手に負えない)
原因が〈何〉かはわからないが、戦闘能力に合わせた行先の割り振りが意味をなくした。
「あった、目印だ」
赤いバンダナが、洞窟近くの木に結ばれていた。彼らはここにいる。入ってすぐ分かれ道になっていたから、セルとヴァルは目配せして別々の方へ行く。
やがて開けた場所に出た時、光景に息を飲む。天井の岩が崩れ落ち、空洞に山と積もっている。地面が見えている場所や岩壁には血の跡があって、ぐったりと倒れているのは。
「……息は、あるのか?」
トラメの服は大きく裂け、ぐっしょりと血に染まっている。かなりの重傷に見えた。側に座っているヒスイも傷だらけで、その膝を枕にライカも倒れている。
「ええ、なんとか……ライカのおかげよ。ナバナは……ユニマを呼びに行ったのかしら」
出血はずっと少ないものの、ヒスイは話すだけでも辛そうだ。とりあえず、ここで何があったか確かめるのは後回しがいい。
「今必要な処置があれば言ってくれ。僕も応急程度はできる」
手持ちの包帯をトラメの胴に巻いた形跡はあるが、気功でつなぎやすくするためと見えた。もう緩んでいる。
「こりゃあ、包帯っていうよりこれの方が使えるな。ヒスイはどこをやられた?」
言って、ヴァルは自分の飾り布を外す。
「トラメの、腹部は刺し傷だから……まだ深いと思う。肩からの傷より優先したい。私は、ほとんど打撲だけど……肋骨がだめね。動かなければ、まだ耐えられるわ」
セルとヴァルが協力してトラメの止血をしているうちに、元気な羽音が近づいてきた。
「おまたせ! ユニマ、大丈夫?」
「な、なんとか……」
ユニマを小脇に抱えたナバナが、天井に空いた大穴から入ってくる。怪我人がいると知るや震えを止めて、ユニマはすぐに治癒術を使い始めた。
「すごい……ここまで、ライカが? 治癒気功、得意じゃないって言ってたのに」
出血の量と、治癒にかかる時間とを比べて、大きな目をもっと丸くする。
「この状況だ。ちっと、限界超えるまで頑張っちまったかな」
ライカをヒスイの膝から抱え上げる。平らな場所を選んで寝かせると、ヴァルは思案げに息をついた。ひょこひょこ近くに寄るのはナバナで、ライカの顔をじっと見る。涙の跡があった。そして、ヴァルにだけ聞こえる声で、ここでの出来事を伝える。
「ふたりを襲ったのは〈アキレア〉なんだ」
「おい!? それって……」
大きくなりそうな声を抑える。ヴァルも話に聞いたことがある人物だった。
深い外傷はきれいに塞いだ。治癒の対象はヒスイに移る。自分で体を支えているのが辛そうなので、セルが背もたれ代わりに肩を貸している。ユニマが骨を痛めた箇所を確かめながら、やわらかな光で包む。
(ふたりの傷から考えると、ここには武器を持ち、人の形をした何者かがいたんだろう。ライカに目立った怪我はない、退けて治癒を施した……とすると、そいつの力量も見当がつく)
セルは、得られただけの情報から何があったかを探る。ふたりを襲ったのは、おそらく魔物ではない。
(トラメひとりなら、ここまでには。幼馴染みを庇ったか。ライカと、ナバナもここに来たようだが、経緯がわからんな)
そういえば、高地を探索していたライカが、なぜここに? 組んでいたキョウネは?
「そうだわ、キョウネは……?」
思考と重なるようにして、ヒスイも彼女の不在を気にする。
「キョウネは、今は村。魔物の毒で動けなくなっちゃったから、私と一度戻ったの」
術に集中するため、ユニマは多くを語らない。高地の方でも色々あったらしいことはわかった。
「そう……。ここに来たひとは、アキレア、と名乗っていたわ。ライカをおびき出すために……私たちを」
言葉に詰まる様子から、〈アキレア〉とやらは殺意に満ちていたのだろう。戦闘経験の浅いヒスイには、恐ろしかったはずだ。それによって森の空気は変わり、セル達がここに駆けつけることとなった。
(だが、間に合わなかった。もっと早く来れば、こんなに……)
血が流れずに済んだのでは? いや、治癒気功を持たない僕が何の役に立つ? 複雑な考えが頭をよぎる。
「私が……あと少しでも強かったら。こんなにトラメが傷つくこと、なかった……」
肩を震わせるヒスイを見て、セルは胸がモヤモヤする。丸めた毛糸が絡みついている感じだ。
それから、背中を支える腕に違和感を覚える。制服の袖に血がついていた。
「ん? 背中も怪我しているのか」
「そういえば……そうね。必死で、忘れてた」
刃物による刺し傷は、トラメの腹と比べたら浅い。肋骨の具合が良くなってから、ユニマが背中側に回って治療した。
本来の目的である玉石探しは中断し、村へ帰ることになった。怪我人も多いし、各々の余力も少ない。力持ちのナバナがいるから、大柄なトラメも運べる。
「ごめんね、制服汚れちゃったでしょう」
ヴァルがライカを抱えているので、必然的にセルがヒスイを支えて歩く。すっかり落ち込んだヒスイは、こぼす言葉も暗くなった。
「些細なことを。怪我人の救護が優先に決まっている」
普段のセルなら、これで口を閉じていた。
「だいたい、あれはトラメを守ろうとして受けた傷だろう。何を謝る必要がある」
「でも……守れなかったじゃない……」
「守ったさ、彼は生きている」
「ライカにも、無理させたわ」
「無理でも、彼女の意思でしたことだろう」
「私、手当てはできても、傷が消せるわけじゃないし」
「そうだな、僕もだ」
勝手に言葉がこぼれてくる。あまりない感覚だった。
「セル……もしかして、ちょっとヤケになってる?」
指摘されて、頭の辞書からヤケの意味を導くまでに時間がかかる。たしか、思い通りにいかなくて、思慮を欠いた乱暴な振る舞いになること。
(彼らの危機を助けにも行けず、治癒の術を持たず。あれほどの無力感は、ずいぶん……久しぶりだった)
せっかく蓋をしようとしても、ヒスイが開けてしまうから。躍起になって言葉を被せた。
「あなたも、悔しかったのね」
「……ああ、たぶんな」
ため息と共に、ずっと心に絡みついていた毛糸がほどけていく。悔しい気持ちが重なる今は、ヒスイの言葉を素直に聞けた。
(彼らのように、僕が身を挺する覚悟を持っているかは、わからないが……彼らを、手の届く限り守りたいな)
これは、初めて抱く気持ちだ。今までのセルには、守りたいものなんてなかった。およそ全てが他人事だったのに、神殿を出てからは物事が自分に降りかかってくる。ライカに甘党なのを見破られたり、トラメと気安く話せるようになったり。ヒスイとの間に置いていた壁だって、いつの間にか薄くなっているではないか。
(生きているって、こういう感じか)
肺が勝手に動くから、息を吸って吐いていた。祈りも願いもなく流されてきた。くすんだ世界に色がつき始めて、まず鮮明に思い出したのは夕焼け。ライカと出会った日没だ。太陽が沈まぬように、世界が災禍に呑まれぬように。今やっと、セルの心に祈りが生じた。
村に戻って、ライカが目を覚ましたら、もっと色々なことが分かる気がした。必死に守った仲間を連れて、ライカが生きたいのはどんな世界だろう。
「信じるの? 今まで何も言わなかった奴の話だよ」
「なんだよ~、まだ難しいこと考えてんのか?」
トラメほど裏表のない、善意の塊も珍しい。神殿の中にだって、ここまで眩しい者はいないだろう。ため息をつこうとしたら、セルの口から言葉もこぼれた。
「君はもう少し考えたほうがいい」
「よく言われる。でもさ、ライカが俺に嘘つく理由もないだろ」
「まあ……それ言われちゃうとね……そうだね」
冒険する上での知識や経験、足の速さも、ライカの方が上なのだ。その気になればいつでも撒けるし、騙したければもっと仲良くする。他人の機微を感じとるのは、トラメが誰より得意なようだった。
セルには、この時ライカが諦めたような苦笑いを浮かべた理由がわからない。ラルゴ港を目指す途中、魔物の霧で口が滑ってようやく、彼女の内面が少し見えたくらいだ。飴を持ち歩いているだけで甘党を見抜かれて、不公平なものだと思った。
淡々と、神殿で任務に就いて、ことの次第を報告して、また次の任務へ。特に心を揺らすこともない暮らしから、急に激動の冒険へ放り出された。自分が置かれた状況を理解したのは、クーンシルッピに降り立ってからかもしれない。
余所者を警戒する土地柄は分かっていたから、制服にも視線が刺さるのは想定内。村長の家まで連れられていく間、空気がぴりぴりした。
「おおう、なんか思ってた以上にすげー雰囲気だな……」
「ああ」
トラメの呟きが、わかりやすく同意を欲していたので、てきとうに頷いておく。そうしたら、ぐいぐいと距離を詰めてくる存在があることに戸惑った。
「あれっ、もしかして男の子?」
声を聞いて初めて気づいた、とはしゃぐのは、ライカの親友ナバナだ。顔をじっと見てくるので、右に目をそらす。ナバナが視界に入ってくる。左にそらす。
「へぇ~まつげ長~い! トラメはずいぶん背が高いんだね、これと同じくらい?」
あっという間に話題が移って、手持ちの槍とトラメで背比べをしている。身長は槍よりいくぶん低かった。
(やはり、この顔は……女性に間違われるものなんだな)
面と向かって女顔だと言われたのは久しぶりだ。陰で言われるのとどちらにしても、なんだか胸がむかむかする。
ナバナ達が知る由もないが、セルが幼少期に両親から虐待を受けた原因は、綺麗な顔だった。こんなに綺麗で可愛いのに、なぜ女の子じゃないのか──今思えば、彼らはどこかが壊れていた。冷静に思い返しても、女の子扱いされる不快感は大きい。暴力の引き金として、記憶の片隅にこびりついているのだ。
「ごめんね、思ったこと真っ直ぐ言っちゃう子なの」
ライカが小声で謝ってきた。
「君が謝ってどうする。こんなこと、珍しくもない」
表情に気持ちが出にくくても、声は変わる。これまでより低い音に怒りを感じ取り、ライカは親友を庇ったのだろう。セルにとって、その行動はほとんど無意味だった。
「何かするほど腹が立っているわけでもないしな」
「やっぱり、怒ってはいるんだ」
ナバナに対する声音の低さで、ライカが痛いような顔をするのは変な気分だ。やはり、対人関係とは難しい。村長の家に着くまで、セルはもう口を閉じておくことにした。
玉石を求めて森を探索する明日に向け、さあ休もうという夜。ライカの住む集合住宅で、空き部屋に泊めてもらえることになる。部屋は男女で分かれた。手持ちの矢の数や矢尻の具合を確かめながら、行先の環境を考える。この島は湿度が高い。高めに射たほうが狙いが当たりそうだ。
「明日の天気、大丈夫かな」
トラメがこう言うのは、気候の特徴として急な強い雨があると聞いたから。セルも気にしていることだが、言葉にしても明日の天気は変わらない。
「さあな」
「だよな~、晴れでありますように!」
握り締めて祈るのは、シャインヴィル国章を象ったペンダントだった。なるほど、あの国は太陽の印象がある。
「そういえば、セルはお祈りとかしないんだ?」
大地母神エリスを祀る神殿に所属しているのだから、トラメの疑問は当然だ。敬虔な信徒なら、朝晩に祈りの時間をとる。だが、旅に出てから今まで、セルは一度も祈っていない。
「……熱心に祈っていて、魔物にやられたら本末転倒だ」
「ほん……何だって?」
「本末転倒。余計なことに執着して、必要なものを失うのはバカらしい、ような意味だよ」
はっきり祈りを「余計なこと」と言ってしまったが、とっさに出た解説がこれだった。ちらり、トラメの様子をうかがう。
「そっか、命の方が大事だもんな。僧兵はお祈り時間がすげえ短いのかと思ってた」
「祈る者もいるが、僕はしない。それだけさ」
本当は神なんか嫌いなんだ、ということは伏せた。トラメはあまりにすんなりと、セルの言い分を受け入れた。これ以上、詳しい説明はいらない。
(よく、こんなに素直なまま生きれこられたな。馬鹿と言ったらそれまでだが……あの目は、僕の本心を見抜いていそうで)
ナバナに顔を覗き込まれた時も同じだった。セルは弓を手に取り、目をそらす。
トラメは、誰に対するときも相手をよく見る。背が高いくせに見下ろす感じはなくて、真っ直ぐとはいえ探るような目線ではない。彼の考えていることは、皆に筒抜け。度を超えた素直さは、無意識に、心の壁を溶かしていく。
(言葉の意味を説明するのに、いちおう彼が理解できるようにと考えた。僕が少しでも他人を思いやるなんてな)
絆される、というのはこういうものか。自分を俯瞰してみて、まあこれでいいと思えるから不思議だ。
武器の手入れも終わり、あとは寝るだけ。制服を緩め始めたころ、トラメが思い出したように尋ねる。
「明日さ、俺ら崖下の担当じゃん。洞窟見終わったら合流する?」
トラメとヒスイ、セルとヴァルの二組は、崖を降りた低地をいく予定だ。それぞれ、玉石を探して見回る洞窟が複数あった。
「そうだな、行き違いを避けるには……僕達がそちらに向かおう。魔物が少ない場所のほうがいいだろう」
「うん」
それぞれ就寝準備ができ、ランプを消そうとして、セルはもうひとつ確認事項を思い出す。
「あと、洞窟の中にいる時は、入り口に目印を置いて欲しい。例えば、バンダナとか」
「なるほど。じゃあ、最後に見た洞窟からは動かないでいるよ」
トラメがいつも身につけている赤いバンダナは、森の中では目立つ。円滑に打ち合わせができて、心置きなく布団に入る。
翌日、予定通りに二人一組で森の低地と高地に散り、それぞれ目的の洞窟へ。セルはヴァルに観察されているのが気になったが、行動を共にするうちに解決した。ライカの兄貴分として、いまひとつ打ち解けていないセルを警戒していたようだ。
担当の洞窟が残りひとつとなり、邪魔な魔物を倒しながら進む。雲が太陽を隠したわけではないのに、不意に暗くなった気がした。
一瞬だけ肩を強張らせて、ヴァルが周囲の空気を睨む。セルも同じく異変を感じ取っていた。魔物が増加する兆候だ。
「探索は後回しだ。セル、あいつらん所に行くぞ!」
返事も待たずにヴァルは駆け出す。土地勘のある彼は、トラメ達がいる方を目指すのだろう。焦りの訳に、セルも遅れて気付く。
(この急な変化……もし大物が現れたら、あのふたりでは手に負えない)
原因が〈何〉かはわからないが、戦闘能力に合わせた行先の割り振りが意味をなくした。
「あった、目印だ」
赤いバンダナが、洞窟近くの木に結ばれていた。彼らはここにいる。入ってすぐ分かれ道になっていたから、セルとヴァルは目配せして別々の方へ行く。
やがて開けた場所に出た時、光景に息を飲む。天井の岩が崩れ落ち、空洞に山と積もっている。地面が見えている場所や岩壁には血の跡があって、ぐったりと倒れているのは。
「……息は、あるのか?」
トラメの服は大きく裂け、ぐっしょりと血に染まっている。かなりの重傷に見えた。側に座っているヒスイも傷だらけで、その膝を枕にライカも倒れている。
「ええ、なんとか……ライカのおかげよ。ナバナは……ユニマを呼びに行ったのかしら」
出血はずっと少ないものの、ヒスイは話すだけでも辛そうだ。とりあえず、ここで何があったか確かめるのは後回しがいい。
「今必要な処置があれば言ってくれ。僕も応急程度はできる」
手持ちの包帯をトラメの胴に巻いた形跡はあるが、気功でつなぎやすくするためと見えた。もう緩んでいる。
「こりゃあ、包帯っていうよりこれの方が使えるな。ヒスイはどこをやられた?」
言って、ヴァルは自分の飾り布を外す。
「トラメの、腹部は刺し傷だから……まだ深いと思う。肩からの傷より優先したい。私は、ほとんど打撲だけど……肋骨がだめね。動かなければ、まだ耐えられるわ」
セルとヴァルが協力してトラメの止血をしているうちに、元気な羽音が近づいてきた。
「おまたせ! ユニマ、大丈夫?」
「な、なんとか……」
ユニマを小脇に抱えたナバナが、天井に空いた大穴から入ってくる。怪我人がいると知るや震えを止めて、ユニマはすぐに治癒術を使い始めた。
「すごい……ここまで、ライカが? 治癒気功、得意じゃないって言ってたのに」
出血の量と、治癒にかかる時間とを比べて、大きな目をもっと丸くする。
「この状況だ。ちっと、限界超えるまで頑張っちまったかな」
ライカをヒスイの膝から抱え上げる。平らな場所を選んで寝かせると、ヴァルは思案げに息をついた。ひょこひょこ近くに寄るのはナバナで、ライカの顔をじっと見る。涙の跡があった。そして、ヴァルにだけ聞こえる声で、ここでの出来事を伝える。
「ふたりを襲ったのは〈アキレア〉なんだ」
「おい!? それって……」
大きくなりそうな声を抑える。ヴァルも話に聞いたことがある人物だった。
深い外傷はきれいに塞いだ。治癒の対象はヒスイに移る。自分で体を支えているのが辛そうなので、セルが背もたれ代わりに肩を貸している。ユニマが骨を痛めた箇所を確かめながら、やわらかな光で包む。
(ふたりの傷から考えると、ここには武器を持ち、人の形をした何者かがいたんだろう。ライカに目立った怪我はない、退けて治癒を施した……とすると、そいつの力量も見当がつく)
セルは、得られただけの情報から何があったかを探る。ふたりを襲ったのは、おそらく魔物ではない。
(トラメひとりなら、ここまでには。幼馴染みを庇ったか。ライカと、ナバナもここに来たようだが、経緯がわからんな)
そういえば、高地を探索していたライカが、なぜここに? 組んでいたキョウネは?
「そうだわ、キョウネは……?」
思考と重なるようにして、ヒスイも彼女の不在を気にする。
「キョウネは、今は村。魔物の毒で動けなくなっちゃったから、私と一度戻ったの」
術に集中するため、ユニマは多くを語らない。高地の方でも色々あったらしいことはわかった。
「そう……。ここに来たひとは、アキレア、と名乗っていたわ。ライカをおびき出すために……私たちを」
言葉に詰まる様子から、〈アキレア〉とやらは殺意に満ちていたのだろう。戦闘経験の浅いヒスイには、恐ろしかったはずだ。それによって森の空気は変わり、セル達がここに駆けつけることとなった。
(だが、間に合わなかった。もっと早く来れば、こんなに……)
血が流れずに済んだのでは? いや、治癒気功を持たない僕が何の役に立つ? 複雑な考えが頭をよぎる。
「私が……あと少しでも強かったら。こんなにトラメが傷つくこと、なかった……」
肩を震わせるヒスイを見て、セルは胸がモヤモヤする。丸めた毛糸が絡みついている感じだ。
それから、背中を支える腕に違和感を覚える。制服の袖に血がついていた。
「ん? 背中も怪我しているのか」
「そういえば……そうね。必死で、忘れてた」
刃物による刺し傷は、トラメの腹と比べたら浅い。肋骨の具合が良くなってから、ユニマが背中側に回って治療した。
本来の目的である玉石探しは中断し、村へ帰ることになった。怪我人も多いし、各々の余力も少ない。力持ちのナバナがいるから、大柄なトラメも運べる。
「ごめんね、制服汚れちゃったでしょう」
ヴァルがライカを抱えているので、必然的にセルがヒスイを支えて歩く。すっかり落ち込んだヒスイは、こぼす言葉も暗くなった。
「些細なことを。怪我人の救護が優先に決まっている」
普段のセルなら、これで口を閉じていた。
「だいたい、あれはトラメを守ろうとして受けた傷だろう。何を謝る必要がある」
「でも……守れなかったじゃない……」
「守ったさ、彼は生きている」
「ライカにも、無理させたわ」
「無理でも、彼女の意思でしたことだろう」
「私、手当てはできても、傷が消せるわけじゃないし」
「そうだな、僕もだ」
勝手に言葉がこぼれてくる。あまりない感覚だった。
「セル……もしかして、ちょっとヤケになってる?」
指摘されて、頭の辞書からヤケの意味を導くまでに時間がかかる。たしか、思い通りにいかなくて、思慮を欠いた乱暴な振る舞いになること。
(彼らの危機を助けにも行けず、治癒の術を持たず。あれほどの無力感は、ずいぶん……久しぶりだった)
せっかく蓋をしようとしても、ヒスイが開けてしまうから。躍起になって言葉を被せた。
「あなたも、悔しかったのね」
「……ああ、たぶんな」
ため息と共に、ずっと心に絡みついていた毛糸がほどけていく。悔しい気持ちが重なる今は、ヒスイの言葉を素直に聞けた。
(彼らのように、僕が身を挺する覚悟を持っているかは、わからないが……彼らを、手の届く限り守りたいな)
これは、初めて抱く気持ちだ。今までのセルには、守りたいものなんてなかった。およそ全てが他人事だったのに、神殿を出てからは物事が自分に降りかかってくる。ライカに甘党なのを見破られたり、トラメと気安く話せるようになったり。ヒスイとの間に置いていた壁だって、いつの間にか薄くなっているではないか。
(生きているって、こういう感じか)
肺が勝手に動くから、息を吸って吐いていた。祈りも願いもなく流されてきた。くすんだ世界に色がつき始めて、まず鮮明に思い出したのは夕焼け。ライカと出会った日没だ。太陽が沈まぬように、世界が災禍に呑まれぬように。今やっと、セルの心に祈りが生じた。
村に戻って、ライカが目を覚ましたら、もっと色々なことが分かる気がした。必死に守った仲間を連れて、ライカが生きたいのはどんな世界だろう。
0
あなたにおすすめの小説
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる