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小町深幸さんへ
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-2025年8月2日-
小町深幸さんへ
まず植物園での私の失礼極まりない言動について、謝罪をさせてください。
本当に申し訳ございませんでした。
(いつもの一つの手紙につき、謝罪は一つまでというルールを、今回に限っては無視させていただきます。お叱りはいくらでも受けます)
近くに来ないでほしいと言ったのは、あまりに自分の事が恥ずかしく、とても貴方の視界に入りたくないと思ったからなのです。
私の嫌いな私を、手紙ではある程度取り繕えていた私の醜い本性を、貴方に知られたくなかったのです。
本当に申し訳ございません。
逃げ去ってしまって、本当に申し訳ございません。
それからこの手紙も遅くなってしまいました。
申し訳ございません。
私は今一睡もせずにこの手紙を書いています。
だから変だと思います。
申し訳ございません。
貴方は逃げる私を追いかけ、こう言いましたね。
「私が貴方の事を好きになったのは貴方の所為なのだから、責任をとって交際をして欲しい」
と。
貴方の論理は破綻しています。
しかし私は貴方を拒みません。
貴方が私を拒むその日まで、私は貴方を拒みません。
柴犬(これは十中八九偽名です)については、私は何も語れません。
しかし分かっていることもあります。
あいつは人に毒を盛り、偽のクリニックに誘い込み、偽の医者に、偽の診断をさせる男なのです。
しかもそれを問い詰めても、全く悪びれません。
それどころか「それが一番速かった」と自身の行いを正当化するのです。
お願いですから、関わらないでください。
私が私という人物が嫌いです。こうやって自分の気持ちを慰めるためだけに、言い訳のために、自己弁護のために、自己満足のために、貴方の優しい言葉を心の奥底では期待して、謝罪をする、そんな卑劣極まりないところが特に。
しかし貴方は「嫌い」という感情も悪くないと言ってくれました。
最初はその意味を掴みかねていたのですが、この手紙を書いていて少し分かったような気がします。
私はやはり、私という人物が嫌いです。
しかし前よりも思い切り嫌えるようになりました。
なんだか、少し清々しい気分です。
貴方はいつでも、私の唯一の救いです。
愛しています。心から。
占見守人より
小町深幸さんへ
まず植物園での私の失礼極まりない言動について、謝罪をさせてください。
本当に申し訳ございませんでした。
(いつもの一つの手紙につき、謝罪は一つまでというルールを、今回に限っては無視させていただきます。お叱りはいくらでも受けます)
近くに来ないでほしいと言ったのは、あまりに自分の事が恥ずかしく、とても貴方の視界に入りたくないと思ったからなのです。
私の嫌いな私を、手紙ではある程度取り繕えていた私の醜い本性を、貴方に知られたくなかったのです。
本当に申し訳ございません。
逃げ去ってしまって、本当に申し訳ございません。
それからこの手紙も遅くなってしまいました。
申し訳ございません。
私は今一睡もせずにこの手紙を書いています。
だから変だと思います。
申し訳ございません。
貴方は逃げる私を追いかけ、こう言いましたね。
「私が貴方の事を好きになったのは貴方の所為なのだから、責任をとって交際をして欲しい」
と。
貴方の論理は破綻しています。
しかし私は貴方を拒みません。
貴方が私を拒むその日まで、私は貴方を拒みません。
柴犬(これは十中八九偽名です)については、私は何も語れません。
しかし分かっていることもあります。
あいつは人に毒を盛り、偽のクリニックに誘い込み、偽の医者に、偽の診断をさせる男なのです。
しかもそれを問い詰めても、全く悪びれません。
それどころか「それが一番速かった」と自身の行いを正当化するのです。
お願いですから、関わらないでください。
私が私という人物が嫌いです。こうやって自分の気持ちを慰めるためだけに、言い訳のために、自己弁護のために、自己満足のために、貴方の優しい言葉を心の奥底では期待して、謝罪をする、そんな卑劣極まりないところが特に。
しかし貴方は「嫌い」という感情も悪くないと言ってくれました。
最初はその意味を掴みかねていたのですが、この手紙を書いていて少し分かったような気がします。
私はやはり、私という人物が嫌いです。
しかし前よりも思い切り嫌えるようになりました。
なんだか、少し清々しい気分です。
貴方はいつでも、私の唯一の救いです。
愛しています。心から。
占見守人より
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