14 / 17
『傾城』
しおりを挟む
「小乙女女史は、小人のコート・カード、ナンバーは11、『傾城』に閉じ込められてしまった」
星鏡はテーブルの『傾城』をジッと見つめた。小乙女の目が何かに怯えているようだ。
一体、そこで何が起こっているんだ。
星鏡は、男にまっすぐに目を向け、言った。
「このデッキにダイブさせてもらおうか」
「主の願いを受けて下さるのですか」と男がうれしそうに言った。
「あなたの主の依頼は何だ」
「パメラ・スミスがタロットダイバーとして成し遂げた伝説のフォーチュンテリング。ご存じでしょう。それと同じことをしていただきたいのです」
「なるほど。小乙女が無謀なダイビングをした最大の理由の一つがわかった。彼女はパメラ・スミスを歴史上最も偉大なダイバーとして深く尊敬していたんだ」
「ピクシーは不世出のタロットダイバーでございました」と男は遠い過去を思い出すかのようにしばし目を瞑った。
男はテーブルに配ったカードを両手でかき集めると、手中に一つにまとめ、シャッフルした。男はシャッフルし終わると、またカードをテーブルに配り始めた。
『夢』『竜使い』『独裁者』『ホムンクルス』『恐怖政治』『ジェノサイド』『大淫婦』『オストラコン』『冬将軍』『美酒』『プランテーション』『繭』『ゲーム』『ハルマゲドン』『飢餓』『革命家』『羅睺と計都』『女装者』『詐欺師』『操り人形』『ネメシス』『クラカトア』『アジテーター』『アヘン』『黒死病』
「ここに並べた26枚のカードは大黙示と呼ばれています。タロットの大アルカナと同じようにそれぞれ複雑な意味を有しています。良い意味も、悪い意味も含めて」
それから、男はまたカードを配り始め、12枚を星鏡から見て正位置に縦に一列に並べた。
小人が1人から10人まで描かれたカードが10枚と、『傾城』と『暗君』という標題のカードだった。
「小人のスートです。数札が10枚に、コート・カードが2枚の合計12枚。タロットでは各スートのコート・カードはペイジ、ナイト、クイーン、キングの4枚がありますが、この『偉大なる指輪のカード』ではクイーンとキングの2枚のみ。小人のスートではこの『傾城』と『暗君』がそれです」
『傾城』には小乙女が絵に閉じ込められている。『暗君』には愚かそうな皇帝が描かれていた。
次に……、と男は言いながら、さらに12枚のカードを同じように一列に並べた。
奴隷が1人から10人の数札と『枢密卿』『暴君』というコート・カードが2枚。
さらに男は、もう12枚を並べた。
傭兵が1から10人、それと『異端審問官』と『王位簒奪者』
そして、曲馬団。コート・カードは『偽予言者』と『空位』だった。
「いうまでもなく、小黙示にもその一枚一枚に深い意味がございます。単純にどれがよくてどれがよくないかとはいえません」
「このカード世界にダイブして、あなたの主人に頼まれたものを持って帰ってくればいいのだな」
「さようで。ご無事をお祈りしております」
星鏡はテーブルの『傾城』をジッと見つめた。小乙女の目が何かに怯えているようだ。
一体、そこで何が起こっているんだ。
星鏡は、男にまっすぐに目を向け、言った。
「このデッキにダイブさせてもらおうか」
「主の願いを受けて下さるのですか」と男がうれしそうに言った。
「あなたの主の依頼は何だ」
「パメラ・スミスがタロットダイバーとして成し遂げた伝説のフォーチュンテリング。ご存じでしょう。それと同じことをしていただきたいのです」
「なるほど。小乙女が無謀なダイビングをした最大の理由の一つがわかった。彼女はパメラ・スミスを歴史上最も偉大なダイバーとして深く尊敬していたんだ」
「ピクシーは不世出のタロットダイバーでございました」と男は遠い過去を思い出すかのようにしばし目を瞑った。
男はテーブルに配ったカードを両手でかき集めると、手中に一つにまとめ、シャッフルした。男はシャッフルし終わると、またカードをテーブルに配り始めた。
『夢』『竜使い』『独裁者』『ホムンクルス』『恐怖政治』『ジェノサイド』『大淫婦』『オストラコン』『冬将軍』『美酒』『プランテーション』『繭』『ゲーム』『ハルマゲドン』『飢餓』『革命家』『羅睺と計都』『女装者』『詐欺師』『操り人形』『ネメシス』『クラカトア』『アジテーター』『アヘン』『黒死病』
「ここに並べた26枚のカードは大黙示と呼ばれています。タロットの大アルカナと同じようにそれぞれ複雑な意味を有しています。良い意味も、悪い意味も含めて」
それから、男はまたカードを配り始め、12枚を星鏡から見て正位置に縦に一列に並べた。
小人が1人から10人まで描かれたカードが10枚と、『傾城』と『暗君』という標題のカードだった。
「小人のスートです。数札が10枚に、コート・カードが2枚の合計12枚。タロットでは各スートのコート・カードはペイジ、ナイト、クイーン、キングの4枚がありますが、この『偉大なる指輪のカード』ではクイーンとキングの2枚のみ。小人のスートではこの『傾城』と『暗君』がそれです」
『傾城』には小乙女が絵に閉じ込められている。『暗君』には愚かそうな皇帝が描かれていた。
次に……、と男は言いながら、さらに12枚のカードを同じように一列に並べた。
奴隷が1人から10人の数札と『枢密卿』『暴君』というコート・カードが2枚。
さらに男は、もう12枚を並べた。
傭兵が1から10人、それと『異端審問官』と『王位簒奪者』
そして、曲馬団。コート・カードは『偽予言者』と『空位』だった。
「いうまでもなく、小黙示にもその一枚一枚に深い意味がございます。単純にどれがよくてどれがよくないかとはいえません」
「このカード世界にダイブして、あなたの主人に頼まれたものを持って帰ってくればいいのだな」
「さようで。ご無事をお祈りしております」
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる