【完結】婚約破棄された公爵令嬢 アンジェリカ様

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公爵は今でも愛妻家
これは周知の事実だが……
どう対応するのが正解なのか

ラインハルトは悩んだ

「ラインハルト様
此方をお持ちください」

そう言って 公爵は指に嵌めていた
一つの指輪を抜き
ラインハルトに渡す

受け取ったラインハルトが
指輪を眺めていると

「あぁ 小指でも宜しいですよ
指に嵌めてくだされば どこでも
大丈夫です」

「分かったよ」

言われた通り 小指に嵌めてみる


ただの指輪だと思うんだが
なぜ?


「………ハルト……ま」

え?

「……ラインハルト様?」

「公爵?
女性の声が…聞こえてるのではない?
いや え?」

「妻の声が頭に聞こえてきているのです」

「はい?
奥方はなくなられていますよね…」
キョロキョロと周りを見渡すが
誰も居ることなく

「ラインハルト様
目を瞑って 心を大人しくされて下さい」

公爵がつげる

「ラインハルト様
私の声が聞こえたら お返事されてくださいますか?」
「えぇ 聞こえております」
「あぁ 良かったわ」
「ホントに奥方ですか?」
「はい お久し振りです
お元気でいらっしゃいましたか?」
「お陰様で」
「リザがいつも我儘を申し訳ありませんね」
「いえそうでもないですよ
楽しく構われております」
「そう言ってくださると 
気が楽になりますわ フフ」
「あの 何故お亡くなりになった
奥方とお話できるのでしょうか?」
「そうですね 
それを話すと長くなりますの」
「はぁ」
「それに 主人以外にこちらを使われると 多分お体に負担がかかりますので
主人に後でお聞きになってくださいませ」

ぇ!
俺大丈夫?
ドキドキ

「少し位は大丈夫ですわよ ふふふ」

「成程 それで 奥方のお話とは」
早めに終わらせるのが良いのだろ
公爵が少しソワソワしている

「そうですわね
先程主人が話しておりましたが
アンジェリカと婚約を結ばれるとか」

「はい 本当は仮にではなく
本当に婚約して 直ぐにでも結婚したいのですが まだアンジェリカ嬢には
男としての魅力をあまり感じてもらえていないようですし 公爵にも勝っておりませんしね」

「まぁ 主人にですか?
それはそれは いつご結婚になりますでしょうか?ふふふ」

「奥方まで………」

「まぁまぁ 大丈夫でございますわよ
そろそろ時間もありませんし 
ラインハルト様 アンジェリカの事
宜しくお願いいたしますわ
母親として側にいてあげれないのです
が心残りですが 
ラインハルト様になら」

「畏まりました
お任せください」

「では……そろそろでございますわね
お話できて 嬉しゅうございました」

「俺もです」


その後は何も聞こえてこなかった



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