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幼少期

冒険者になる2

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…約束の日になったから今度は直接あの受付嬢の元に転移する。
「さて、約束通り来たぞ。」
「へ!?ひゃ、ひゃい!準備はできています。ただ少し本部長に会っていただきたくて…。」
…近くに俺よりは弱いが強い奴が5人いるな。もしかして今日序列を決めるのか?
「わかった。案内してくれ。」
「はい。こちらです。」
…通された部屋には本部長と思わしき人物とS1~4までが揃っているな。
「どうも。私は元S1で今は本部長をやっているレイという。なんて呼ぶのがいいかな?」
…なるほど、帝国のSなんちゃらがいなくてもいい理由がやっとわかった。本部長が元S1だからか。
「なんでも構わん。要件は序列決めか?」
「よく知っている。S4から戦ってもらおうと思うのだが。」
「全員一斉にで構わん。」
「貴様、舐めているな。冒険者を。」
…なんか出てきたぞ。うるさいな。
「違う。圧倒的な実力差を見せつけられて心が折れないようにするためだ。」
「ほう。よくいうじゃないか。」
「横を見てみろ。S3が怯えているぞ。君は心眼持ちだろう。だったら断片的にしか見えないだろうがそれでここまで怯えているんだ考えろ。」
「まあまあ落ち着いて。ならば君には全員対1で戦ってもらおう。それで文句ないな?」
「構わん。俺はいつでもいいが、準備が必要だろう。準備が揃ったら俺に声をかけてくれ。場所は確保してある。」
「それは助かる。序列決めの場所が今ちょうど再生中でな。」
「ああ。仕掛けは何もないから安心してくれ。それじゃあ俺はギルドの屋根の上にいる。」
…そう言って俺は転移した。















〈ギルマスside〉
…なぜこんなにも自信に溢れている?
「なあS3なぜそこまで震えていたんだ?」
…S4が聞く。
「あの人の実力は…本物……。心眼で見たら全て文字化けしていた…。心眼で見れない相手はいなかったのに…。」
「どうして心眼が使えなかったんだ?」
「実力差が圧倒的すぎるとわからないらしい。こんなことは初めて…。」
「そうか。まあ強いものが来るのはギルドとしては大歓迎だ。」
…S4はプライドが高いから心配だな。俺は気づいたが入った瞬間に場の空気が変わった。こいつはまだそこまで長く生きていないから自分が強いという絶対的な自信に溺れている。それに気づけていない時点でまだまだだとは思ったが、まあこれを機に少しは考え直すだろう。
「さて、じゃあ準備をするか。」


…準備も終わり、みんなで屋根の上に行くと奴は待っていた。
「準備は終わったぞ。」
「ようやく来たか。じゃあこの中に入ってくれ。」
…どうなっているんだ?空間を切り裂いた?まあとりあえずそれは後で聞こう。
…入ってみるとそこにはでかい浮島が一つあった。
「それじゃあ勝負しようか。」
…今ので勝敗はほぼ決している。まあ一応やるか。
「審判は本部長である私がさせていただく。それでは初め!」
…そうして戦いが始まった。














〈主人公side〉
「準備は終わったぞ。」
「ようやく来たか。じゃあこの中に入ってくれ。」
…そう言って俺は俺の世界の扉を開く。全員が入ってから、
「それじゃあ勝負しようか。」
「審判は本部長である私がさせていただく。それでは初め!」
「オラア!」
…まずは殴りかかってくる。後ろで2人が魔法を放って援護している。後もう1人は同じく後ろから攻めてきているな。
「遅い。」
…そう言って俺は拳を片手で止め、ぶん投げたあと、魔法を反転させて跳ね返し、後ろの剣をもう一方の手ではさみ、投げ飛ばした。
「「「「「な!?」」」」」
「連携技はいいがまだまだ硬いな。本来1人で動くのにいきなり4人で連携するからだろう。とはいえ今正面から殴ってきたやつ、お前はダメだ。1人で動く技なのに力任せすぎる。技術が足りない。後ろの爺さんは流石だな。死角をしっかりと利用している。ただ、俺には死角がないから効かないぞ。まあ、あったとしても気配でわかるが。魔法の2人はよくわからんな。右はもっと大きな魔法を使うだろう?それに左は魔法を纏って戦うタイプだ。全員で俺に一斉に攻撃しろと俺は言ったはずだぞ。大丈夫だ。お前たちがどれほど本気を出そうと俺は倒せん。」
「貴様ぁ!」
…今度は全員連携など意識せずにきた。さっきから思っていたが爺さんは本気をまるで出してないな?一対一に持っていけば本気を出してくれるだろうか。
「奥義・極蓮撃」
…技術はすぐには身につかないと思ったからかスピードを格段に上げてきた。悪くないが、スピードでは俺に勝てないだろう。全て受け止めて弾き返す。
「奥義・紅蓮弾」
…おお、これは面白い魔法だ。とても魔力の凝縮された火の球を大量に作り、目標に向かって撃ち続ける。これは魔力障壁でガードするか。
「奥義・魔力解放」
…ほう。体内で押さえ込んでいた自分の本来の魔力を全て解放することで、自分の基礎能力を格段に高めるものか。俺の場合はそんなことする必要はないと思っていたが、こうすることで魔力の密度を上げることができそうだな。しかも魔力をさまざまな武器に変えて自在に操る方法を知っている。とはいえ極蓮撃と一緒に相手できるレベルだ。
…爺さんは動かないな。技で他の奴を巻き込むのを防ぐためか?まあとりあえず全員まとめて吹き飛ばしてから考えるか。
…頭上に極限まで熱を上げた球体を作り出す。まあ常人なら近くにいるだけで溶けるだろう。
「ビックバン」
…そう言った瞬間、あたりに閃光が走った。
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