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帰って来たディモン
1話 ディモンの帰還
しおりを挟むその日、一本の剣を背負っている1人の男が、剣都リューズに到着した
「おぉ~!!ここがかつて剣王の称号を持っていた男が作った街かぁ~!!」
剣を背負っている男は、街に入るなり、周りを見渡し、目を輝かせていた
「すっげぇ~!!…あっ!あっちのあれ何だ!?」
男は、道行く度、露店や店に入り、目を輝かせながら、好奇心の赴くままに、商品を見て回っていた
そんな男を、店主や街の住民達は、微笑ましいそうに見ていた
「「「「きゃぁぁぁ!!!」」」」
「「「「うわぁぉぁ!!!」」」」
「ん?なんだ?」
店に入った男が、目を輝かせながら、商品を見ていると、店の外から悲鳴が聞こえてきた
「…行ってみよ!」
「ちょっと待ちな!」
好奇心に駆られ、男が店の外に行こうとすると、店主の老婆が男を止めた
「…店主、どうして止めるんだ?」
止められた男は、店主の方に振り返り、真剣な表情で止めた理由を聞いた
「っ…剣を持っている所を見ると、あんた剣士の称号を持ってるだろ?」
男の真剣な表情に、店主は驚きつつも、男の剣を見ながら、質問した
「ああ、持ってる」
「ランクは?」
男が店主を見ながら答えると、店主は真剣な表情で男の顔を見ながら、ランクを聞いた
「聞いて驚け!剣聖だ!」
男は、胸を張り、自信満々に答えた
「はぁ~…なら行くのは止めときな」
ため息を吐いた店主は、首を横に振り、男を憐れんだ目で見ながら止めた
「っ!どうしてだ!」
店主の態度に驚いた男は、店主の肩を掴み、大声で理由を聞いた
「…簡単だよ、今この街で暴れている奴は、剣王の称号を持つ男だからだよ」
肩を掴まれた店主は、暗い表情で理由を話した
「そんな…何故、剣王の称号を持つ男が、街で暴れる様な事を…」
理由を聞いた男は、店主から手を外し、絶望した表情で、床に崩れ落ちた
「…理由は誰にも分からないよ、ただこの街の住民は、剣王の称号を持つ男には、誰も逆らえないんだよ」
店主は、男の肩に手を置き、諦めた表情で男に話した
「ほら、立ちな、そして早く、この街から出て行くんだよ」
「店主…」
「邪魔するぜ婆さん」
店主が、床に崩れ落ちている男を立ち上がらせようとしていると、血の付いた剣を持った男が、店に入って来た
「っ!あなたは!」
入って来た男を見た店主は、驚き、固まってしまった
「ん?誰だこの男?」
入って来た男は、固まった店主を無視して、床に崩れ落ちている男を見た
「…剣士か、称号は剣聖だな」
店に入って来た男は、崩れ落ちている男を、ひと目見ただけで、称号を言い当てた
「っ!…何故、剣王の称号を持てるまで努力した方が、この様な罪なき一般人を殺すという、非人道的な事ができるのですか?」
崩れ落ちている男は、ひと目で称号を見抜かれた事に驚きつつ、立ち上がり、店に入って来た男を見つめながら、質問した
「あ゙~?何だお前…もしかして剣王の称号を持つなら、それに見合った行動をしろって言いたいのか?ぶっはっはっはっはっはっ!くだらねえ!称号が全ての世界で、称号に見合った行動なんて、誰一人してないだろ!」
店に入って来た男は、質問してきた男を見下し、嘲笑った
「っ!・・・・・・・・・・・・」
質問した男は、ただ力強く拳を握るしかなかった
「お~!相変わらずボロい店だな~」
そんな中、1人の男が、懐かしそうに店に入って来た
「っ!ディモン!あんた帰って来たのかい!」
固まっていた店主は、店に入って来たディモンを見て驚き、駆け寄った
「よぉローナ婆ちゃん久しぶりだな!」
ディモンは、笑顔で、駆け寄って来たローナを見た
「「っ!!!!!!」」
剣王と剣聖の称号を持つ2人は、店に入って来たディモンを見て、目を見開き固まってしまった
「あんた…なんで今、帰ってきたんだい…せめて、少し後なら」
ディモンに駆け寄ったローナは、哀しい表情でディモンを見た
「はぁ?可愛い孫が帰って来たのに、なん…ん?誰だお前ら?」
ローナの哀しい表情に、疑問を感じたディモンは、ローナを見ながら話していると、固まっている2人を見つけ、睨みつけた
「っ!逃げな!あの2人は剣王の称号を持つ男と剣聖の称号を持つ男だよ!」
ディモンが2人を睨みつけているのを見たローナは、ディモンを逃がす為に、ディモンを店の外に押し出そうとした
「何だ、たかが剣王と剣聖かよ…おいお前ら!殺されたくなかったらこの店で暴れるなよ!」
ディモンは、ローナの言葉を聞いて、がっかりした表情を浮かべた後、2人を指差して命令した
「「・・・・・・・・・・・・」」
命令を受けた2人は、ディモンに睨まれ、恐怖から冷や汗を流していた
「っ!ディモン!何をい…なんだい?どうして2人共固まっているんだい?」
ディモンの態度に、ローナはディモンを叱り付けようとしたが、冷や汗を流し固まっている2人を見て、疑問に思い、ディモンの方を見て質問した
「そりゃぁ簡単な事だよ、あの2人は、俺には、天地がひっくり返っても、絶対に勝てないと感じているから動けないんだよ」
ローナの質問に、ディモンは、2人を見ながら答えた
「それっていったい…っまさか!ディモン!あんた剣帝の称号を持っているのかい!?」
ディモンの言葉に、意味が分からず首を傾げていたローナだが、ディモンの言葉の意味が分かり、驚きの表情でディモンを見た
「いや、剣帝の称号は持ってない、ただ剣神の称号は持ってる」
「はぁ!?」
ディモンの言葉に、ローナは驚き、ディモンを凝視した
「…ディモン、あんた剣神の称号を持っているのかい?」
「ああ、持ってるぞ!」
ローナが恐る恐る質問すると、ディモンは自慢するかの様に胸を張りながら答えた
「そんな…私の孫が剣神の称号を…っ!ディモン!あの剣王の称号を持つ男!この間、ただムカつくからって理由で、あんたの幼馴染のカインを病院送りにしたんだよ!他にも、ここ2年の間に、数多くの住民があいつに殺されたんだ!」
ディモンの言葉に、困惑していたローナは、正気に戻り、剣王の称号を持つ男を指差して、剣王の称号を持つ男の悪行を伝えた
「っ!!!」
剣王の称号を持つ男は、ローナの言葉に驚き、店から逃げようとし始めた
「何!?カインの奴が!?おいお前!逃げようとしたな!これはカインを病院送りにした罰だ!【神剣】!」
「ぐっぁぁぁぁ!俺の腕が!」
ディモンは、ローナの話を聞き、怒りを露わにし、何処からともなく剣を取り出し、逃げようとしていた、剣王の称号を持つ男の両腕を斬り飛ばした
「ぁぁぁぁぁ!!俺の称号が!」
「っ!!!!」
腕を斬り落とされた男は、称号が消えるのを感じ取り涙を流した
剣聖の称号を持つ男は、ディモンの容赦の無さに、よりいっそう、動けなくなっていた
「仕方ない【治癒】」
ディモンは、腕を斬り落とされた男に近づき、【治癒】を使い、止血をした
【治癒】は、切り傷や刺し傷ぐらいなら直ぐ治す事が出来る魔法
切断された腕は直せない
中級ヒーラーの称号を持つと覚える事が出来る
「っ!ディモンあんた…」
ローナはディモンが【治癒】を使った事に驚きの表情を浮かべた
「じゃあ婆ちゃん、ちょっと出掛けてくる」
「そうかい、余り遅くなるんじゃないよ」
「分かってる」
「離せぇ!離してくれぇ!」
腕を斬り落とされた男の止血を終わらせたディモンは、立ち上がり、腕を斬り落とされた男の服を掴み、店を出て行った
「…店主、貴方の孫は、剣神の称号だけじゃなく、他にも神の称号を持ってますよ」
ディモンが店を出た後、剣聖の称号を持つ男は、自身がディモンに感じていた事を、ローナに伝えた
「っ!それはどういう事だい!?」
剣聖の称号を持つ男の言葉に、驚いたローナは、剣聖の称号を持つ男に詰め寄った
「…俺の様に、剣聖クラス以上の称号を持つ者は、神の称号を持つ者を、感じ取る事が出来るんです」
ローナに詰め寄られた剣聖の称号を持つ男は、ローナから目を逸らしながら答えた
「…あの子は一体、この5年の間、どれだけ努力したんだい」
剣聖の称号を持つ男の言葉を聞いたローナは、店の外を見ながら、ディモンの事を考えた
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