2 / 14
帰って来たディモン
2話 ローナの説教
しおりを挟む「頼む、離してくれぇ」
「うるさい!」
「ぐっ!」
店を出たディモンは、腕を無くし涙を流しながら頼み込む男の鳩尾を殴り、気絶させた
「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」
ディモンが男を気絶させると、店の前に集まっていた近所の住民や、野次馬が歓声を上げた
「おい!あれってディモンだろ!」
「本当だ!帰って来てたのか!」
「すげぇぞ!ディモン!」
「格好いいぞ!ディモン!」
「よくやった!ディモン!」
「流石はローナ御婆の孫!ディモン!」
「「「「「「ディ・モ・ン!・ディ・モン!・ディ・モ・ン!・ディ・モン!」」」」」」
1人の住民が、ディモンの存在に気がづくと、周りに居る住民達も気づき、笑顔でディモンをおだて始めた
「やめろ!恥ずかしいだろ!」
住民達のコールに、ディモンは、頬を赤くし、照れた様子で、止めるよう叫んだ
「「「「「ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!」」」」」
ディモンが止めるように言っても、住民達は、笑顔のままコールを続けた
「はぁ~勘弁して…「ディモンちゃん!」…ん?」
ディモンが諦めた表情で、周りの住民達を見ていると、急いだ様子で、1人の女性が住民達や野次馬の間を通り、ディモンの下に向かって来た
「あっ!アスカおばちゃん!久しぶりだな!」
ディモンは、近づいて来た女性の顔を見て、誰か気づき声を掛けた
「ディモンちゃん!カインが!カインが!」
アスカは、ディモンの肩に手を置き、ディモンを見ながら、カインの名前を叫び、涙を流した
「っ!カインがどうかしたのか!?」
アスカの様子に、ディモンは慌てて、カインの事を聞いた
「うっぅ、…医者が…うっぅ…もうあの子は…うっぅ…3日も持たないって…うっぅ」
アスカは、泣きながらディモンに説明した
「「「「「「っ!」」」」」」
「嘘だろ…」
周りに居た住民達は、アスカの話を聞き、笑顔から一気に暗い表情に変わり、ディモンは、ショックを受け、固まってしまった
「うっぅ…ディモンちゃん…うっぅ…お願い…うっぅ…カインに…うっぅ会ってあげて」
アスカは、固まっているディモンの手を取り、泣きながら頼んだ
「…分かった、今すぐ行くよ、案内して」
「うっぅ…えぇ…うっぅ…こっちよ」
ディモンは、暗い表情を浮かべながら、アスカに案内を頼み、アスカは泣きながら、ディモンを案内し始めた
アスカの案内で、ディモンが病院に向かった後、店の前には暗い表情を浮かべた住民達と、両腕を無くし気絶している男が残った
「…クソ!こいつのせいで、カインが!」
「ぐふっ!」
暗い表情をしていた1人の住民が、気絶している男を睨みつけ、男のお腹を思いっ切り蹴り上げた
「お前のせいで!」
「ぐっ!」
「カインの仇だ!」
「がっ!」
「カインだけじゃない!他の皆の仇だ!」
「ぐぁ!」
「よくも2年もの間、好き勝手してくれたな!」
「がぁ!」
1人の住民が、蹴りを入れた後、周りに居た他の住民達も、男を睨みながら蹴ったり、棒で殴り始めた
「私の恋人を返せ!」
「ぐっ!」
「私の娘を返せ!」
「がぁ!」
「儂の孫を返せ!」
「がっ!」
「俺の息子を返せ!」
「ぐぁ!」
「私の息子を返せ!」
「ぐっ!」
住民達が、男をボコボコにしていると、噂を聞きつけた、男に恨みを持つ者達が押し寄せ、男をよりボコボコにし始めた
暫くすると、男は、体中痣だらけで、顔が変形し、全身の所々から血を流した状態で、警備隊に見つかった
「ゔっ…あ゙っ…ゔっ…あ゙っ…ゔっ…」
「これは酷い…こいつ何をやらかしたんだ?」
警備隊の隊長は、ボロボロの男を見て、顔をしかめた
「ボルド隊長!この男、あの剣王ですよ!」
暫くすると、周りに居た住民に、話を聞いて来た1人の警備隊員が、ボロボロの男の横に居る、ボルドの下に駆け寄ってきた
「なに!…不味いな…」
ボルドは驚き、ボロボロの男をよく見てから、不安そうな顔になった
「ボルド隊長、何か不安な事でもあるんですか?」
ボルドの不安そうな顔を見た、隊員の1人が、理由を聞いた
「…余り知られてないが、この男は、公爵の息子なんだよ」
「「「「「「えっ!」」」」」」
ボルドの言葉に、周りに居た警備隊の隊員達は、驚きの表情を浮かべた
「…あの~ボルド隊長」
住民から話を聞いて来た隊員が、恐る恐るボルドに話し掛けた
「…なんだ?」
ボルドは、嫌な予感を感じながら、住民から話を聞いて来た隊員を見た
「…住民から聞いた話だと、この男の両腕を斬り落としたのは、ボルド隊長の御子息の、ディモン坊ちゃんです」
住民から話を聞いて来た隊員は、凄く言い辛らそうに話した
「なに!あの愚息がやったのか!」
話しを聞いたボルドは、驚き、住民から話を聞いて来た隊員を凝視した
「はい…」
凝視された隊員は、ボルドから目を逸らし、返事をした
「はぁ~あの馬鹿息子め、帰って来てそうそう、こんな問題を起こしやがって!」
手でおでこを押さえながら、ため息を吐いたボルドは、ディモンの文句を言いながら、地面に有った小石を蹴った
「こら!この馬鹿息子!」
「痛っ!」
ボルドが地面に有った小石を蹴ると、ちょうど店から出て来たローナがそれを見て、手に持っていた杖で、ボルドの頭を叩いた
「何するんだよ!母さん!」
「うるさい!私のピンチに駆け付けない馬鹿息子が!ピンチに駆け付けたくれた孫を、よく馬鹿息子なんて、言えたね!」
「ちょっ!痛っ!痛いって!」
頭を叩かれたボルドは、ローナに文句を言ったが、ローナは、ボルドに叱りながら、杖で叩き続けた
「ふぅ~今日はこのぐらいにしといて上げるよ」
「っ~それで、母さんのピンチって、もしかして…この男が店に来たのか?」
ボルドを叩き続けたローナが、満足気に杖を下ろすと、ボルドは、頭に出来た、たんこぶを撫でながら、空いている片方の腕で、ボロボロの男の襟を掴み、持ち上げてから聞いた
「そうだよ…でもまぁ、剣神の称号を持つ、私の自慢の孫が、その男の両腕を斬り落としてくれたんだよ!」
ローナは、ボルドが持ち上げた男を見て答えた後、ボルドの顔を見ながら、自慢気にディモンの事を話した
「なに!?」
「「「「「「えぇぇ!!!」」」」」」
ローナの話を聞いたボルドは、驚きの表情を浮かべ、話を聞いていた周りの警備隊員達は、驚きの声を上げた
「母さん!ディモンは、剣神の称号を持っているのか!?」
ボルドは、ローナに詰め寄り、大声で質問した
「そうだよ、流石は私の孫だ、何処かの、上級剣士の称号しか持ってない息子と違って、優秀だからね!」
ボルドに、詰め寄られたローナは、ボルドをからかいながら答えた
「ぐぅ!」
ローナにからかわれたボルドは、悔しそうな表情を浮かべた
「はぁ~息子は剣神の称号を持つのに、父親は上級剣士の称号…やれやれ、蛇が龍を産んだね」
ボルドの悔しそうな表情を見たローナは、これ見よがしに、ため息を吐き、ボルドとディモンを比べた
「クッソ!見てろよ婆ぁ!直ぐに剣聖まで成長してやる!息子に負けてられるか!」
ディモンと比べられたボルドは、より悔しそうな表情を浮かべ、ローナに暴言を吐いてから、その場から走り去った
「「「「「ちょっ!ボルド隊長!」」」」」
「止めときな!」
警備隊員達は、走り去ったボルドを、慌てて追いかけようとしたが、ローナに止められた
「「「「「ローナさん」」」」」
止められた警備隊員達は、止めたローナを睨みつけた
「なんだい、文句でもあるのかい?」
睨みつけられたローナは、逆に警備隊員を睨みつけた
「…何故、ボルド隊長を追い詰める様な事をしたんですか?」
警備隊員達の中から、1人隊員が前に出て、ローナに質問した
「そんなの、あの馬鹿息子を成長させる為だよ…あの馬鹿息子は、上級剣士の称号を手にしてから、努力するのを辞めた!お前達もだ!何故努力を辞めた!」
最初は呆れた様子で答えていたローナだが、途中から、怒りを露わにし、隊員達を睨みつけ叱り始めた
「「「「「「っ!」」」」」」
「何がこの街最強の剣士達だ!そこの剣王の称号を持っていた男が来ただけで、何も出来なくなる無能のクセに!」
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
「上級剣士の称号如きで満足するな!この街を誰が作ったと思ってる!剣王の称号を持っていた!リューズ様が作った街だ!なのにそこの警備隊が!上級剣士で満足?ふざけるな!」
「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」
警備隊員達は、ローナの言葉に、悔しそうな表情を浮かべ、拳を力いっぱい握るだけで、何も言い返す事が出来ずにいた
「ふぅ~馬鹿息子は、これから死ぬ程、努力するだろうね、あんた達はどうするんだい?」
隊員達の悔しそうな表情を見たローナは、怒りを沈め、真剣な表情で質問した
「「「「「っ!私達も!ボルド隊長に負けないぐらいの努力します!」」」」」
隊員達は、覚悟を決めた表情で答えた
「なら、頑張りな」
「「「「「はい!失礼します!」」」」」
隊員達は、ローナに敬礼した後、ボルドを追いかけ始めた
「流石はローナ婆さんだ!」
「良く言ってくれた!」
「カッコ良かったよ!」
隊員達が居なくなると、周りに居た住民達が、拍手をしながら、ローナを褒め称えた
「やめな!恥ずかし!」
ローナは頬を赤くし、止めるように叫んだ
「ぷっ!あはっはっはっはっ!流石祖母と孫!反応が一緒だ!」
「「「「「あはっはっはっはっはっはっ!」」」」」
ローナの反応を見た1人の住民が笑いながら言うと、周りに居る住民達も笑い始めた
「はぁ~まったく、変わり者が多い街だね」
ローナは、ため息を吐き、諦めた表情で、店に戻って行った
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる