万の称号を持つ男 〜称号が全てを決める世界〜

しょう

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帰って来たディモン

2話 ローナの説教

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「頼む、離してくれぇ」

「うるさい!」

「ぐっ!」

店を出たディモンは、腕を無くし涙を流しながら頼み込む男の鳩尾を殴り、気絶させた


「「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」」

ディモンが男を気絶させると、店の前に集まっていた近所の住民や、野次馬が歓声を上げた

「おい!あれってディモンだろ!」

「本当だ!帰って来てたのか!」

「すげぇぞ!ディモン!」

「格好いいぞ!ディモン!」

「よくやった!ディモン!」

「流石はローナ御婆の孫!ディモン!」

「「「「「「ディ・モ・ン!・ディ・モン!・ディ・モ・ン!・ディ・モン!」」」」」」

1人の住民が、ディモンの存在に気がづくと、周りに居る住民達も気づき、笑顔でディモンをおだて始めた

「やめろ!恥ずかしいだろ!」

住民達のコールに、ディモンは、頬を赤くし、照れた様子で、止めるよう叫んだ

「「「「「ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!・ディ・モ・ン!」」」」」

ディモンが止めるように言っても、住民達は、笑顔のままコールを続けた

「はぁ~勘弁して…「ディモンちゃん!」…ん?」

ディモンが諦めた表情で、周りの住民達を見ていると、急いだ様子で、1人の女性が住民達や野次馬の間を通り、ディモンの下に向かって来た


「あっ!アスカおばちゃん!久しぶりだな!」

ディモンは、近づいて来た女性の顔を見て、誰か気づき声を掛けた

「ディモンちゃん!カインが!カインが!」

アスカは、ディモンの肩に手を置き、ディモンを見ながら、カインの名前を叫び、涙を流した

「っ!カインがどうかしたのか!?」

アスカの様子に、ディモンは慌てて、カインの事を聞いた

「うっぅ、…医者が…うっぅ…もうあの子は…うっぅ…3日も持たないって…うっぅ」

アスカは、泣きながらディモンに説明した

「「「「「「っ!」」」」」」

「嘘だろ…」

周りに居た住民達は、アスカの話を聞き、笑顔から一気に暗い表情に変わり、ディモンは、ショックを受け、固まってしまった

「うっぅ…ディモンちゃん…うっぅ…お願い…うっぅ…カインに…うっぅ会ってあげて」

アスカは、固まっているディモンの手を取り、泣きながら頼んだ

「…分かった、今すぐ行くよ、案内して」

「うっぅ…えぇ…うっぅ…こっちよ」

ディモンは、暗い表情を浮かべながら、アスカに案内を頼み、アスカは泣きながら、ディモンを案内し始めた



アスカの案内で、ディモンが病院に向かった後、店の前には暗い表情を浮かべた住民達と、両腕を無くし気絶している男が残った

「…クソ!こいつのせいで、カインが!」

「ぐふっ!」

暗い表情をしていた1人の住民が、気絶している男を睨みつけ、男のお腹を思いっ切り蹴り上げた

「お前のせいで!」

「ぐっ!」

「カインの仇だ!」

「がっ!」

「カインだけじゃない!他の皆の仇だ!」

「ぐぁ!」

「よくも2年もの間、好き勝手してくれたな!」

「がぁ!」 

1人の住民が、蹴りを入れた後、周りに居た他の住民達も、男を睨みながら蹴ったり、棒で殴り始めた

「私の恋人を返せ!」

「ぐっ!」

「私の娘を返せ!」

「がぁ!」

「儂の孫を返せ!」

「がっ!」

「俺の息子を返せ!」

「ぐぁ!」

「私の息子を返せ!」

「ぐっ!」

住民達が、男をボコボコにしていると、噂を聞きつけた、男に恨みを持つ者達が押し寄せ、男をよりボコボコにし始めた


暫くすると、男は、体中痣だらけで、顔が変形し、全身の所々から血を流した状態で、警備隊に見つかった

「ゔっ…あ゙っ…ゔっ…あ゙っ…ゔっ…」

「これは酷い…こいつ何をやらかしたんだ?」

警備隊の隊長は、ボロボロの男を見て、顔をしかめた

「ボルド隊長!この男、あの剣王ですよ!」

暫くすると、周りに居た住民に、話を聞いて来た1人の警備隊員が、ボロボロの男の横に居る、ボルドの下に駆け寄ってきた

「なに!…不味いな…」

ボルドは驚き、ボロボロの男をよく見てから、不安そうな顔になった

「ボルド隊長、何か不安な事でもあるんですか?」

ボルドの不安そうな顔を見た、隊員の1人が、理由を聞いた


「…余り知られてないが、この男は、公爵の息子なんだよ」

「「「「「「えっ!」」」」」」

ボルドの言葉に、周りに居た警備隊の隊員達は、驚きの表情を浮かべた

「…あの~ボルド隊長」

住民から話を聞いて来た隊員が、恐る恐るボルドに話し掛けた

「…なんだ?」

ボルドは、嫌な予感を感じながら、住民から話を聞いて来た隊員を見た

「…住民から聞いた話だと、この男の両腕を斬り落としたのは、ボルド隊長の御子息の、ディモン坊ちゃんです」

住民から話を聞いて来た隊員は、凄く言い辛らそうに話した

「なに!あの愚息がやったのか!」

話しを聞いたボルドは、驚き、住民から話を聞いて来た隊員を凝視した

「はい…」

凝視された隊員は、ボルドから目を逸らし、返事をした

「はぁ~あの馬鹿息子め、帰って来てそうそう、こんな問題を起こしやがって!」

手でおでこを押さえながら、ため息を吐いたボルドは、ディモンの文句を言いながら、地面に有った小石を蹴った

「こら!この馬鹿息子!」

「痛っ!」

ボルドが地面に有った小石を蹴ると、ちょうど店から出て来たローナがそれを見て、手に持っていた杖で、ボルドの頭を叩いた

「何するんだよ!母さん!」

「うるさい!私のピンチに駆け付けない馬鹿息子が!ピンチに駆け付けたくれた孫を、よく馬鹿息子なんて、言えたね!」

「ちょっ!痛っ!痛いって!」

頭を叩かれたボルドは、ローナに文句を言ったが、ローナは、ボルドに叱りながら、杖で叩き続けた



「ふぅ~今日はこのぐらいにしといて上げるよ」

「っ~それで、母さんのピンチって、もしかして…この男が店に来たのか?」

ボルドを叩き続けたローナが、満足気に杖を下ろすと、ボルドは、頭に出来た、たんこぶを撫でながら、空いている片方の腕で、ボロボロの男の襟を掴み、持ち上げてから聞いた

「そうだよ…でもまぁ、剣神の称号を持つ、私の自慢の孫が、その男の両腕を斬り落としてくれたんだよ!」

ローナは、ボルドが持ち上げた男を見て答えた後、ボルドの顔を見ながら、自慢気にディモンの事を話した

「なに!?」

「「「「「「えぇぇ!!!」」」」」」

ローナの話を聞いたボルドは、驚きの表情を浮かべ、話を聞いていた周りの警備隊員達は、驚きの声を上げた

「母さん!ディモンは、剣神の称号を持っているのか!?」

ボルドは、ローナに詰め寄り、大声で質問した

「そうだよ、流石は私の孫だ、何処かの、上級剣士の称号しか持ってない息子と違って、優秀だからね!」

ボルドに、詰め寄られたローナは、ボルドをからかいながら答えた

「ぐぅ!」

ローナにからかわれたボルドは、悔しそうな表情を浮かべた

「はぁ~息子は剣神の称号を持つのに、父親は上級剣士の称号…やれやれ、蛇が龍を産んだね」

ボルドの悔しそうな表情を見たローナは、これ見よがしに、ため息を吐き、ボルドとディモンを比べた

「クッソ!見てろよ婆ぁ!直ぐに剣聖まで成長してやる!息子に負けてられるか!」

ディモンと比べられたボルドは、より悔しそうな表情を浮かべ、ローナに暴言を吐いてから、その場から走り去った

「「「「「ちょっ!ボルド隊長!」」」」」

「止めときな!」

警備隊員達は、走り去ったボルドを、慌てて追いかけようとしたが、ローナに止められた

「「「「「ローナさん」」」」」

止められた警備隊員達は、止めたローナを睨みつけた

「なんだい、文句でもあるのかい?」

睨みつけられたローナは、逆に警備隊員を睨みつけた

「…何故、ボルド隊長を追い詰める様な事をしたんですか?」

警備隊員達の中から、1人隊員が前に出て、ローナに質問した

「そんなの、あの馬鹿息子を成長させる為だよ…あの馬鹿息子は、上級剣士の称号を手にしてから、努力するのを辞めた!お前達もだ!何故努力を辞めた!」

最初は呆れた様子で答えていたローナだが、途中から、怒りを露わにし、隊員達を睨みつけ叱り始めた

「「「「「「っ!」」」」」」

「何がこの街最強の剣士達だ!そこの剣王の称号を持っていた男が来ただけで、何も出来なくなる無能のクセに!」

「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」

「上級剣士の称号如きで満足するな!この街を誰が作ったと思ってる!剣王の称号を持っていた!リューズ様が作った街だ!なのにそこの警備隊が!上級剣士で満足?ふざけるな!」

「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」

警備隊員達は、ローナの言葉に、悔しそうな表情を浮かべ、拳を力いっぱい握るだけで、何も言い返す事が出来ずにいた

「ふぅ~馬鹿息子は、これから死ぬ程、努力するだろうね、あんた達はどうするんだい?」

隊員達の悔しそうな表情を見たローナは、怒りを沈め、真剣な表情で質問した

「「「「「っ!私達も!ボルド隊長に負けないぐらいの努力します!」」」」」

隊員達は、覚悟を決めた表情で答えた

「なら、頑張りな」

「「「「「はい!失礼します!」」」」」

隊員達は、ローナに敬礼した後、ボルドを追いかけ始めた


「流石はローナ婆さんだ!」

「良く言ってくれた!」

「カッコ良かったよ!」

隊員達が居なくなると、周りに居た住民達が、拍手をしながら、ローナを褒め称えた

「やめな!恥ずかし!」

ローナは頬を赤くし、止めるように叫んだ

「ぷっ!あはっはっはっはっ!流石祖母と孫!反応が一緒だ!」

「「「「「あはっはっはっはっはっはっ!」」」」」

ローナの反応を見た1人の住民が笑いながら言うと、周りに居る住民達も笑い始めた

「はぁ~まったく、変わり者が多い街だね」

ローナは、ため息を吐き、諦めた表情で、店に戻って行った




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