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ヘンタイ同人誌
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「え~と、何々……シンは情熱的なケイの攻め立てにあえぎ、ベッドの上で激しく体を反らせた。ケイは、どうだ、気持ちいいだろう。俺の○○○は……」
「こらーッ! 音読するなバカモン」
慧一よりよほど大きな声で真介が怒鳴ったので、周囲の客が一斉に注目してきた。悪目立ちした真介は赤面し、恨めしげに慧一を睨む。
「官能小説か。ははあ、お前、こんなものに驚いてるの?」
真介は、必死にかぶりを振っている。
「おかしなもの読まないでちょうだいよ慧一クン、店の品位が下がるじゃない」
カフェオレを運んできたバイトのおばちゃんが愉快そうに笑った。
「ハハハ、今度は古典文学でも朗読しようかな」
慧一も笑って冗談口を合わせる。
「それにしても、さっきのチラッと聞いたけど可笑しいの。シンとケイって、あなた達と一緒じゃない」
おばちゃんの言葉に、慧一は目を見開く。
「そういえばそうだな。シンとケイ? 気色悪いなあ、オイ」
苦笑する慧一に、真介は真面目な眼差しを向けている。
「これ、どこで拾ったんだ」
おばちゃんが立ち去ってから、慧一は真顔になって訊いた。
「休憩室。テーブルの下の棚に、茶封筒に入った状態であった」
「休憩室? 自販機の部屋か」
「ああ。誰かの忘れ物かと思って中を確かめたんだ。そしたら、その文章に挿絵が……挿絵も見てみろよ」
慧一は改めてページをめくった。
挿絵が見開きを使って描かれている場所を見つけ、じっと見つめる。
「あっ」
と、思わず声が出た。
それは男と男がベッドの上で、どう見ても性交している場面だった。
下に組み敷かれた男の顔は、目の前にいる真介そのもの。そして、上に乗ってイってしまっている男の顔は、慧一そっくりだ。
「すっげえ、間抜け面……」
漫画タッチだが、実にありありと、ここで向き合って座る男二人そのままが、繊細なタッチで描かれている。
「俺達をネタに変な小説を書いてるやつが、あの工場にいるんだよ」
声をひそめて言う真介に慧一は応えず、さらに挿絵に見入った。
「変だな……」
やがて慧一は、ぼそっと呟く。
「ああ、変な小説だよ。ヘンタイだよ」
真介は額に手をやり、悩ましげに頭を左右に振った。
「いや、お前これさ、変だろ。男同士なのに何で正常位なんだ。こういうのもアリなのか?」
真介ははっと顔を上げ、やがて真っ赤になって、慧一の手から同人誌を引っ手繰った。慧一はそんな彼に構わず頭の後ろで手を組むと、椅子にもたれて悠々と天井を仰ぐ。
今朝の眼鏡の女の子――
彼女の深刻そうな顔を目に浮かべ、思わず知らずほくそ笑んでいた。
「こらーッ! 音読するなバカモン」
慧一よりよほど大きな声で真介が怒鳴ったので、周囲の客が一斉に注目してきた。悪目立ちした真介は赤面し、恨めしげに慧一を睨む。
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真介は、必死にかぶりを振っている。
「おかしなもの読まないでちょうだいよ慧一クン、店の品位が下がるじゃない」
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「これ、どこで拾ったんだ」
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慧一は改めてページをめくった。
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「あっ」
と、思わず声が出た。
それは男と男がベッドの上で、どう見ても性交している場面だった。
下に組み敷かれた男の顔は、目の前にいる真介そのもの。そして、上に乗ってイってしまっている男の顔は、慧一そっくりだ。
「すっげえ、間抜け面……」
漫画タッチだが、実にありありと、ここで向き合って座る男二人そのままが、繊細なタッチで描かれている。
「俺達をネタに変な小説を書いてるやつが、あの工場にいるんだよ」
声をひそめて言う真介に慧一は応えず、さらに挿絵に見入った。
「変だな……」
やがて慧一は、ぼそっと呟く。
「ああ、変な小説だよ。ヘンタイだよ」
真介は額に手をやり、悩ましげに頭を左右に振った。
「いや、お前これさ、変だろ。男同士なのに何で正常位なんだ。こういうのもアリなのか?」
真介ははっと顔を上げ、やがて真っ赤になって、慧一の手から同人誌を引っ手繰った。慧一はそんな彼に構わず頭の後ろで手を組むと、椅子にもたれて悠々と天井を仰ぐ。
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