9 / 30
中間テスト優秀者順位
しおりを挟む
中間試験は当たり前だがつつがなく終わり、成績優秀者が掲示板に貼り出された。
学年ごとに、三百名中五十位まで総合成績優秀者の名前がわかる。また科目ごとに上位五名の名前も貼り出される。
総合順位が低くても何か得意科目があれば名を載せることができるので、それを狙って特定の得意科目に特化して頑張る生徒もいた。
「遼、やっぱりすごいね、六位じゃん」星は羨ましそうに言った。
掲示板の前に遼と星は並んで立っていた。登校時のことだ。
「私、百六十二位。真ん中より少し下。微妙……」珍しく星はテンションが低かった。
個人の順位は個人ごとに渡される成績表に載っている。結果が帰ってきた日の星はいつも憂鬱そうにしていた。
「星は頑張っているよ、オレは知っている」
「慰めになってない」星は頬を膨らませた。「アルバイトは無理だわ。親の年収と本人の好成績維持が必要なんだもの」
「許可がおりないのか……、じゃあファミレスでバイトしていた……あの子、何て名前の子だっけ?」
「相変わらず人の名前覚えないね、小早川さんだよ、遼のすぐ下にいるじゃん」
星が指す先に、七位に小早川明音の名前があった。
「さすがよね、試験期間中にバイトしていて十位に入っているんだもの。頭を分けて欲しいよ」よよと泣き真似をする星に遼は呆れた。
「じゃあな」
遼は星と別れた。星のまわりに彼女の友人たちが集まってきたからだ。
A組教室に入った。席に着くなり小山内が寄ってきた。「香月君、六位とはすごいね」
「部活もしてないし、本を読むか勉強するくらいしか能がないからな」
「いやいやいやいや、それにしたって十傑入りはすごいよ、ボクなんか三十位以内を維持するのが精一杯」
「それほど差はないだろ」遼は他人の成績は自分の成績以上に興味がない。
「でもさ、このクラス、みんな成績にこだわりがある人ばかりだから、順位表が貼り出されるとしばらくはざわつくよ」
「ざわつく?」
「ほら、一位がH組の星川だったじゃん。去年の二学期期末試験、三学期試験に続いて三回連続の一位。A組が一位をとれない事態が三回続いているんだぜ。エリート意識のかたまりみたいなのが多いから大変だよ。これで年間総合順位も星川が一位になろうものなら天変地異が起こったような騒ぎになるよ」
「どうでも良い話だな」アホくさい、という言葉はさすがに飲み込んだ。
「おはよ」と声をかけてきたのは高原和泉だった。
「おはよう」とすぐに返すのは小山内。遼は遅れて「あ、おはよう」と目を向けた。
すでに遼は席についていたから高原を横目で見上げるような形になった。
「高原さん、四位だね、さすが」小山内は目を輝かせて称賛した。
「ありがと」高原は誰に対しても笑顔を向ける。「なんとか五位以内に入れたよ。ほんとは東矢さん、神々廻さんに負けたくなかったのだけどね」
「高原さんは学級委員もしているし、部活も掛け持ちして忙しいから、それで四位ならすごいよ」小山内の称賛は止まない。
遼はすでに会話から離れていたが、遼を囲んで二人は話を続けていた。
「A組で十位以内に入ったのは五人か」高原はチラリと遼を見た。
「A組の面目は保てたのじゃない?」小山内は呑気に言った。
「小山内君も頑張って」
「うん、頑張るよ」小山内は高原に励まされて嬉しそうだった。
高原は朝の挨拶に忙しく、その場を離れた。
学年ごとに、三百名中五十位まで総合成績優秀者の名前がわかる。また科目ごとに上位五名の名前も貼り出される。
総合順位が低くても何か得意科目があれば名を載せることができるので、それを狙って特定の得意科目に特化して頑張る生徒もいた。
「遼、やっぱりすごいね、六位じゃん」星は羨ましそうに言った。
掲示板の前に遼と星は並んで立っていた。登校時のことだ。
「私、百六十二位。真ん中より少し下。微妙……」珍しく星はテンションが低かった。
個人の順位は個人ごとに渡される成績表に載っている。結果が帰ってきた日の星はいつも憂鬱そうにしていた。
「星は頑張っているよ、オレは知っている」
「慰めになってない」星は頬を膨らませた。「アルバイトは無理だわ。親の年収と本人の好成績維持が必要なんだもの」
「許可がおりないのか……、じゃあファミレスでバイトしていた……あの子、何て名前の子だっけ?」
「相変わらず人の名前覚えないね、小早川さんだよ、遼のすぐ下にいるじゃん」
星が指す先に、七位に小早川明音の名前があった。
「さすがよね、試験期間中にバイトしていて十位に入っているんだもの。頭を分けて欲しいよ」よよと泣き真似をする星に遼は呆れた。
「じゃあな」
遼は星と別れた。星のまわりに彼女の友人たちが集まってきたからだ。
A組教室に入った。席に着くなり小山内が寄ってきた。「香月君、六位とはすごいね」
「部活もしてないし、本を読むか勉強するくらいしか能がないからな」
「いやいやいやいや、それにしたって十傑入りはすごいよ、ボクなんか三十位以内を維持するのが精一杯」
「それほど差はないだろ」遼は他人の成績は自分の成績以上に興味がない。
「でもさ、このクラス、みんな成績にこだわりがある人ばかりだから、順位表が貼り出されるとしばらくはざわつくよ」
「ざわつく?」
「ほら、一位がH組の星川だったじゃん。去年の二学期期末試験、三学期試験に続いて三回連続の一位。A組が一位をとれない事態が三回続いているんだぜ。エリート意識のかたまりみたいなのが多いから大変だよ。これで年間総合順位も星川が一位になろうものなら天変地異が起こったような騒ぎになるよ」
「どうでも良い話だな」アホくさい、という言葉はさすがに飲み込んだ。
「おはよ」と声をかけてきたのは高原和泉だった。
「おはよう」とすぐに返すのは小山内。遼は遅れて「あ、おはよう」と目を向けた。
すでに遼は席についていたから高原を横目で見上げるような形になった。
「高原さん、四位だね、さすが」小山内は目を輝かせて称賛した。
「ありがと」高原は誰に対しても笑顔を向ける。「なんとか五位以内に入れたよ。ほんとは東矢さん、神々廻さんに負けたくなかったのだけどね」
「高原さんは学級委員もしているし、部活も掛け持ちして忙しいから、それで四位ならすごいよ」小山内の称賛は止まない。
遼はすでに会話から離れていたが、遼を囲んで二人は話を続けていた。
「A組で十位以内に入ったのは五人か」高原はチラリと遼を見た。
「A組の面目は保てたのじゃない?」小山内は呑気に言った。
「小山内君も頑張って」
「うん、頑張るよ」小山内は高原に励まされて嬉しそうだった。
高原は朝の挨拶に忙しく、その場を離れた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる