夢の中の夢は……

裕雨(ゆう)

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夢を見た

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 僕はよく自分が死ぬ予知夢を見ることがある。最初はただ自分が死ぬ夢を見ただけだろうと思いながらも、もし本当に夢で起きた死が起こる事を恐れ、夢と同じ状況を作らないように無意識に行動していた。川に転落して死ぬ夢を見れば、川に近づかないようにし、トラックに追突されて死ぬ夢を見れば、その日は家に閉じ籠もっていた。でも、まだその時はこれが予知夢という確信は持てていなかった。
 だから僕は一つ検証して見ることにした。
 僕はバイト中、コンビニ強盗に腹部をナイフで刺される夢を見た。これはいい機会だと思い、バイトをその日は休みんで強盗が入ってくるであろう時刻にコンビニに訪れた。すると夢で見たあの強盗がやって来て、僕の代わりにレジを担当していた人をナイフで突き刺したのだ。僕は急いで救急車と警察を呼び、その人は一命を取り留め、強盗は後に警察に捕まった。そして僕はここで予知夢の存在を確信した。

 そんなある日、僕は黒ずくめの男に刺される夢を見た。大学から帰っている途中のことだったので、僕は図書館で帰る時間を潰す事で、自分の死から逃れようとした。しかし、僕はその黒ずくめの男に刺された。夢で見た場所と同じところで、僕は考えが甘かったと悔やみ、死を受け入れた……はずだった。そして僕は自分のベットの上で目を覚ました。僕の頭にクエスチョンマークが無数に浮かび上がった。現実で死んだはずだった。なのに僕はベットの上で目を覚ました。日付を確認すると昨日の日付だった。もしかしたら夢の中の夢だったのかもしてないと僕は思った。そして僕は仕方なく今日は家に引きこもることにした。しかし、そのまま何事も無く終わることは無かった。夢で死んだのと同じ時刻に黒ずくめの男は僕の家にやってきた。僕はその時テレビゲームに夢中で、まさか家の中に入って来るとは思ってもいなかった。そして僕はまた殺された。
 また目を覚ませば自分のベットの上、また夢だったのだろうか?だが、何やら僕の体に疲れがどっとのしかかる。僕は異変を感じて鏡に写した自分を見ると目の下に隈ができているのを見た。
(寝れてない)
 僕は一瞬でそう思った。明らかにおかしいこの疲れと目の隈。今まで起きたことは夢では無かった。目を覚ませば前日と同じ日付に戻っている。時計の針はちゃんと進んでいる。そこで僕の頭に一つの可能性が浮かび上がって来た。

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