異世界召喚されて吸血鬼になったらしく、あげく元の世界に帰れそうにないんだが……人間らしく暮らしたい。

ぽんぽこ狸

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生きるためには 1

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 やめとくかって、三回ぐらいは聞いた。でもそのたびにそれもヤダヤダとナオくんは言って、お腹の中に指を入れて慣らすのを受け入れた。

 拒否の言葉を言いつつも、案外、快感を拾えてはいると思うのだが、つい震える姿が可愛くて、怯えさせることをつい言ってしまうのは許してほしい。

 こんなに時間をかけて慣らしてあげたのも初めてで、それなりにやさしくもしている。

 それに、無理強いをする気はない。本当に嫌ならやめたっていいのに、それだけにはうんと言わずに、大人しく奥をトントンされてぐずっていた。

「んぐっ……、ぅ、……ン、……ひく」

 指も三本挿れても暴れなくなったし、後ろをいじりながら前も触ってあげて、何回かイかせた。割と物覚えも早くて若いからか、体の柔軟性もある。

 ゆっくりほぐしてあげれば、緩く柔らかくなって、簡単に奥まで受け入れられるようになる。

「ゔ、ん……っ、ぁ、……ぐずっ、……う」

 でも本人はここまでの俺の意地悪な発言で相当に疲労しているらしく、泣き疲れて、でも快感におぼれて色々ととろけてきてる。

 可愛くて高い声が、誘うみたいにぐずぐず泣いてて、可愛いおしりをこっちに向けて、たまにぱたぱたって足を動かして、苦しいよって主張してくる。

 その姿がどうにも堪らなくて早く挿れたいと思うけど、絶対に、もっと無様に泣いて、ナオくんが可哀想な姿をさらすのだと思うと、それを見た自分が正気を保っていられるのかもわからない。

「っ、はう、……ぅひ……ア、っ」

 前立腺を指でころころと転がして、それから擦るように奥に入れたり、優しく性器を扱いてやる。

 そうすると少し腰が跳ねて丸くなって逃げようとするので、尾骶骨をトントンと叩くと観念するように腰を突き出した体勢に戻る。

 ひん、うう、と小さく泣き声を上げるのが可愛すぎて、ごくっと生唾を飲んだ。駄目だと思っていても、中に挿れてもっと泣くのが見たい気持ちになる。

 しかし、それをしてしまうと、本当に途中でやめてあげられなくなる。終わるまで付き合ってもらうし、こうして準備はしているけれども、やめたって良い。

 ……可哀想なのも、たしかに好きだけど、レイプはだめだよね。

 分かっているけれど、そろそろ限界がきてゆるゆると刺激していた手を止めて指を抜く。

 それだけで艶っぽい声を出して、でも子供みたいにクッションに縋りついて涙を流す彼の姿は、彼のあどけなさを象徴しているようでこういう行為をすることに罪悪感を抱く。

 でもそれと同時に、あの、いつも屈託なく笑って、誰にも彼にも優しくて可愛くて、どうしようもなく純粋で素直なナオくんに、こんなことをして泣かせて、そして教えているのだと思うと、もっと俺でいっぱいにして、犯して満たして、泣かせたいと思ってしまう。

 そんな劣情を抱きながら彼の上に覆いかぶさって、ベルトを外してスラックスのボタンを外す。自分の性器はすでにずっと堪えていた興奮を抑えきれずにそそり立ち、苦しいほどに張りつめている。

「っ、……ぅ?っ、ん」
「ナオくん、あのさ」
 
 彼に影が落ちて、ベットが軋む。ナオくんは気がついて視線を上げた。

「もう、挿れたらやめてあげられない。怖いのヤでしょ」
「……、っ、」
「今、嫌って言ったら、ちゃんとやめるよ」

 最後の最後で拒絶できるように、配慮して声をかけた。

 彼はちょっと刺激の強い事をしただけで、すぐにいやいや言っていたのに、熱いものを後孔に押し当てられても、目を見開いて、がたがた震えた後に、子供が怖いものを我慢するときみたいにきつく目をつむって肩をすくめる。

 そんな仕草に馬鹿みたいに煽られて、この子は本当に仕方がないと思う。

 よく躾られてて、良く愛されて、性格が良くて、愛らしくて、でもその分繊細で、簡単にバランスが壊れてしまう。

 居場所がないだけでストレスで、不安が積もり積もって、自傷して、それでも誰にも当たらずにいる姿は可哀想で、とても愛おしい。

 大切にしてあげたくなる。だから、こんなことにも付き合った。最後までは出来ないだろうなと思ったのに、結局、それも受け入れた。

 こんな事をされたいぐらいに彼がつらくて、もう滅茶苦茶にしてほしいのか、それとも、そうする事によるなにかを望んでるのか、理由は定かでは無かったけれども頑なに否とは言わない。

 ……言った方がいいと思うけどな。俺はやっぱり怖いからやだって言われてもいいよっていうのに。

「挿れちゃうよ。本当にいいの」

 くどいほどに最後に聞いたそうすると、ナオくんは薄っすら瞳を開いて、すんと鼻を啜ってから、蚊の鳴くような声で言う。

「っ、……あ、あんしん、した、いんです。りしゃーる、僕、だいじだって、おもわれてる、しょうめいが欲しい」

 その声はとても心細いような声色をしていて、すごく、ものすごく可哀想だ。

 でも、そうして性愛に縋った先にいたのが俺以外の誰かじゃなくてよかったと思ってしまう。

「ヤって、言うけど、がまんできます、いい子にしますっ、だ、だからぁ」

 すがるように言う彼のうなじを手で摩る。そこまで聞けば十分だった。

 ……安心、ね。こんなのでさせてあげたいわけじゃないんだけど、それも一つの指標だよね。

 彼の声に、どうしようもなく追い詰められているのだと改めて実感できて項をなめた。

 「ひゃん」と獣だった時のナオくんと同じ声を出して彼は鳴いて、その細い首筋の肉を集めて犬歯で強く噛む、肉に牙が食いこんでいる感覚がして、「い゛あ゛っ」っと引き絞るような音が耳に聞こえた。

 そのまま柔らかくほぐした後孔に自分のものをうずめていく。

 項を噛まれているからかナオくんは声も上げられずに、ただ痙攣するみたいに震えて、お腹の中で俺を受け入れてくれる。
 
 誰も知らないナオくんの奥深くに、俺のを突き入れて、押し返すような内臓の弾力を無視して押し開いた。

「っあ゛あ゛、アや、ヤダぁ!」
「……っ、うん、やだね。ごめんね」
「ぐうぅ、づ、う、ゔゔっ、や゛う」

 濁音交じりの苦しげな声と、強く噛んだうなじからあふれた血がとても心地よく感じる。

 なめとって、これで俺のってちゃんと証明になると歯型を見ながらそう思って支配感に酔いしれる。

 中は圧迫感のある異物にひくついてうねる、少しきつくて、その動きが鮮明に感じられるようで痺れるぐらいに気持ちいい。

 ナオくんは苦しそうな声のまま、クッションを強く握って足をバタバタと動かす。

 そのなんとも無意味な行動に愛おしさがこみあげてくるし、ずっとこうしたかったのを我慢してゆっくりとほぐしてあげたので、我慢が利かない。

「っ゛、ぐ、ヴヴ、っ!!、く」

 なんだか獣みたいな声を上げるナオくんの項に手を添えて、そのまま抵抗できないように体重をかけて中に全部を挿れ、温かい肉の壁に包まれている快感と、自分の下でなかに物を突き入れられて苦痛にあえいでいる彼の無力さが心地いい。

「うう、っ、ひん゛っ」
「苦しぃねえ、ナオくん」
「ひっ、ひい゛っうう」
「泣いてんの、喘いでんの、どっち?」
「ううん゛、っぐ」
「お腹、力抜いて、ほら、もう突いていい?」

 言いながら奥をぐりぐりと動かせば「ぁ、やっ、や゛だあ」と声が返ってくる。すでに満身創痍で辛いのはわかっているけれども、それでもこれだけではイけない。




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