龍を討つもの、龍となるもの

かみやなおあき

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第3部 私達でなければならない

龍であったもの

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 胸が痛む。起き上がったシオンは足元で倒れるルーゲンを見下ろしながらぼんやりとそれを思った。痛みを感じた。

 受けた瞬間は感覚が遮断され痛みを超越したのか無関係に剣で以てルーゲンを斬った。

 タイミングがずれていたらそのまま倒れていたのは自分で、と必要でない反省をしながらルーゲンの荒い息遣いを聞いていた。

「なぜ……どうして……」

 喘ぎ声と困惑の言葉のみが聞こえてくる。斬った場所からは、もう、この人は助からないとシオンは分かっていた。

 私が、殺したと。その罪は自分にあるというのにシオンは、卑怯だと思いながらも、言った。

「ルーゲン師よ……すまない」

「もっ元に戻られたのか……ならどうか急いで祭壇に行ってください……僕はもう行けない……あなたがどうか祭壇に行き……ジーナ君を……討って龍を護って……」

「分かった、行く」

 ようやく足が自由になったようにシオンはその場から歩き出すと何かが落ちた音がした。

 ルーゲンは死んだ、とシオンは察し振り返らなかった。私が殺した、龍の婿を殺した……いったい、何の罪で?

 それは……彼がそうではないからであったとしか今のシオンには思えなかった。

 胸の痛みと身体の節々が次々と痛みを増していく。今の戦闘の傷から過去の古傷までが主張しているかのように。

 私はこんなにも傷つき壊れているのだと。それが何故いまに?

 まだ戦争は続いているのだから治まれ眠れ。戦争はまだ……いつ終わる?

 私には予感があった。ずっとあった。だから髪を伸ばしだしたが、それはいつ?

 龍となる日……それだけではなく、なにかが死ぬ日に……そう、龍が死んだら終わる……逆説的となるが、これしかない。

 いま、祭壇には龍とその討つものがいて、何かをしている。殺し合い? そうだろう……だがそうなのか?

 歩けば歩くほど痛みは深く身体の奥へと入り込んで行き、古傷どもを鼓舞する。

 もっと痛めと。これが自分の戦って来た戦争そのものだと。刻まれた傷痕、癒しきれず忘れることでしか対処できなかったものたち。

 見ないことにし、記憶から失われせることで、なかったことにしてきたもの。それらが全て私自身に復讐をしに来る。

 それでも、私は行かなければならない、とシオンは遅い足取りから早く歩く足取りに変える。

 すると、背後から歌声が聞こえてきた。すぐに分かった、いや、自分が呼んだのだから分かる。

 だから振り返らずにそのまま祭壇所を目指してい歩いて行く。彼らもそのうち追付くだろう。アルの一団である。

 例の龍の赤子を連れてくるように、頼んでいた。龍が生まれる日にその一族のものをここの祭壇へと招く、これが古来からの掟であった。

 それをシオンはギリギリに通した。龍とルーゲンに知らせないよう当日に。

 これがどのような意味になるのかは自分自身でも良く分かっていないとシオンは背中で龍を招く歌を聞きながら思う。

 先頭で旗を振るアルとその後ろで赤子を抱く弱々しい母親にそれを取り巻く歌う親類の男達。

 背中で歌声が一変し悲鳴が上がった。ルーゲンの死骸に遭遇したのだろう。

 しばらくするとまた歌が再会し、追ってくる。アルがきっとうまく対処したのだろう。

 彼は間違いなく私が斬ったと判断し、それを庇い、それが正当なものであったと解釈する……正当なもの……? シオンの思考はまた引っ掛り、頭の中で転んだ。何故私はルーゲンを斬ったのか?

 思い出せなくなっている。龍の力が働いているのか? だが、推察はできる。

 この場において争うことは一つだけ、龍に関してだろう。そして彼はきっと龍に対して邪悪な意思を有していたのだろう。

 そうでなければ自分はこのようなことはできない。けれどもどうして自分は謝罪をしたのか?

 いやそれよりも……ジーナとは、誰だ?ルーゲンが言っていた名前だが、それも思い出せない。

 彼の友人であろうか? いいや違う。ルーゲンには友と呼べる人間はいなかった。昔から今に至るまで。

 するとそれは龍を討つものの名か? そうなのかもしれない。

 いま祭壇のなかには龍と龍を討つものという侵入者がいることは覚えている。

 ルーゲンはその名を私に教え、私はそれを討ちに祭壇所に向かっている。そういうことだ……それしかないのだろう。

 龍の騎士として私はこの世界における異物を除去しなければならない。

 私の使命とはそれであり、それが自分の存在理由なのだ……その決意を強めれば強めるほどにシオンは自分の身体の痛みが消失していくのを感じた。

 私は龍の力で護られている、と足取りも速くなりいつしか祭壇所の扉の前に立っていた。

 厚い扉とはいえその向こう側からは完全な沈黙のみが聞こえてくる。

 何かが終わったのだろう。私はそれの確認に行きそして……背後から誰かが駆け寄ってくる足音がする。アルである。

「……事件の臭いがしますねシオン様、いえ龍の騎士様」

 信仰の外に立つものにはそう臭うということなのか? 龍の騎士には何も臭わなかった。

 しかしこの先は平和な光景が広がっているとは到底思えず、息を整えると先に手が扉に当てられた。

「僕もお供いたします」

「ありがとう。でもいいのですアル。祭壇所に入れるのは龍の関係者のみです。私のみが入ります」

「関係者といえば僕も龍の親族になるわけですけど」

「なるほど。それならかろうじて関係者になりますね。けれども、この先は危険が待ち受けています。中に入るのは私だけです。いいですね?」

 否定できるわけもなくアルは頷くのを見るとシオンは扉に手を当て、押した。

 扉が微かに開くと死が鼻腔を突くも怯むことなく扉をあけ放つ。

 そこは光に満ち満ちた血腥い世界であった。血や肉片に眩しいばかりの光が射されている。

 この夜にあってどこからこの有り余るほどの光が生まれているのか感動を覚えるほどの輝き。

 全てをさらけ出し何ひとつとして隠さぬように光が過剰なほどその死を照らしていた。

 光は何かの死を教えるようにしていたが、その死骸がなにであるのかシオンには分からなかった。

 巨大な蛇のような……見覚えのない生き物?

「シオン様……これはまさか龍なのでは?」

 アルの言葉にシオンは全身に寒気を覚え、叫んだ。

「そんなことはありません! 龍は、死なないのです!」

 怯えたアルの顔がそこにありシオンは我に返り、謝った。

「ごめなんさいアル。つい怒鳴ってしまって……私らしからぬことを。そうですか。アルにはこれが龍に見えますか……そう」

 シオンはその死を見つめ、時間を掛けるもすぐに分かった。龍はそこにはいない、と。

 あるのは龍とは到底呼べぬ巨大な生き物の死骸の姿であった。

 それは神聖さを微塵にも感じさせぬほど、醜い死を祭壇所のなかで姿を現していた。

「改めて言いますが、これは龍ではありませんよ」

「こちらこそ失言でした。申し訳ありませんでした」

「大丈夫です。龍の信仰を持たないのですから。これを見て咄嗟にそう思っても仕方がないでしょう」

 シオンの声に安堵を覚えたのかアルは息を吐き、そして言った。

「それではこの生物が……侵入者ということでしょうか?」

「そうでしょうね」

 アルの言葉にシオンは自分でも驚くほどにすんなりと言えた。

 言ってからシオンは逆に不安となった。ここまですんなりと言えてしまっていいのかと?

「この死骸が……その、龍を討つもの? となるとここに残っているのが……龍?」

 独り言を言いながらシオンは視線を祭壇所の中心に向けた。

 中心にそびえる階段の一段目に誰かが坐っている……待っている?

「アル君、誰もここに入れないようにしてください」

 あれは誰だ? 龍の騎士は中心に向かって歩き出した。

 死臭いがするものの、強すぎる光によって臭気が抑えられているのか耐え難いものではなかった。

 それほどまでに光は強く中に入れば入るほどに進めば進むほどに、自らを見失う程の光に満たされていく。

 闇と同じだ、とシオンは思った。何も見えなくさせるという意味では深すぎる闇も強すぎる光も同じものであると。

 その二つは相反するものであると見せながら、同一のものであるかもしれないとシオンは歩きながら考える。

 なにも見えなくなる一方でその光源の中心ともいうべき場所に誰かの姿は徐々に鮮明になっていくのが分かった。

 粛清ともいえる光の中といえるこの空間で唯一、命を感じさせる存在といえた。

 もはや祭壇所内にいることさえ不明となり、床どころか死骸も自分自身すら見失うほどの光に包まれながら、ようやくシオンはその光源へと辿り着こうとし、悟った。この光は今に尽きようとしていることを。

 間合いを取ろうとしたシオンはすぐにその必要はないと判断した。

 階段に腰を掛けるそのものの身体は左半分がほぼ失われている。左脚は千切れ左腕は咬み千切られ左顔は、血に塗れている。

 左眼はもう何も見えないのだろうが右眼も閉じている。

 もうなにも見る必要がないぐらいに力なく、それでもかろうじて生きていることは分かった。この致命傷を負い死を待つだけだというのに、このものはここでなにをしているのか? 

 誰かを待っているように、その時を待っているように……この私を待っているように。

「あなたは誰だ?」

 龍の騎士が尋ねるとそのものは顔を微かに上げるも、口は開かない。

「あなたもまた侵入者のようですね」

 龍の騎士は剣に手を掛けた。直感が伝えた。この男は存在してはならないものだと。

「俺は龍を討ったものだ」

 またこれか、と龍の騎士は剣を抜いた。

「このようなものは龍ではない。龍はこのように死を晒しはしない」

「そうだ、そうだともシオン。それでいい。これは、龍ではなくなったのだからな」

 なにを意味不明なことをいうのだと龍の騎士は手に力が入るが、動きが止まる。

 この男はどうして私の名前を知っているのだ?

「偽りの龍は討たれ、消えた。そうだろシオン」

 また名前を言うが龍の騎士は血塗れな男の顔を確認する。いいや知らない。

 私はこのような男を見たことがない。いったいに誰だというのか? 私は、名を聞かなければならないのか? この男の名を。

 龍の騎士の剣に躊躇いが生まれ、再度停止する……いいや聞いてはならない。私はこの男の名を聞く必要はない。この男は死そのものなのだ。

「俺はこの龍に討たれてはならないのだ」

 もうこれ以上この男の言葉を聞く必要もない。龍のためにこの祭壇所にいる侵入者の全てを、討たなければならない。

「さぁ斬ってくれ……そのための役がお前なんだ」

 言われなくても、と龍の騎士は剣を振り上げ、構えた。

「よく来てくれたシオン……ありがとう」

 その言葉に龍の騎士はまた止まった。聞き覚えのある声がした。

 私がずっと聞き続けてきた声がいまこの男の中から聞こえた。

 それは誰だ? 迷いが走る中、男は、そのものは顔を上げる。微笑んでいた。その血塗れの笑み。

 龍の騎士は意外なものを見た。その笑顔に見入った。そう微笑むのかと。

 思えば、記憶をいくら甦らせても彼の、素直に笑った顔を引き出すことはできなかった。

「あなたは、そう笑うのか……」

 シオンは呟いた。

「教えなきゃ……」

 誰に? シオンはその言葉を口に出すと疑問と共に頬に熱いものが伝い落ち、涙の存在を知る。

 胸いっぱいに欠落感が広がり痛みと苦しさがそこを埋めていく。その感情の名は何か? 手が震えその襲い来るなにかに背きながら自らが倒れる前に龍の騎士は、シオンは剣を振り降ろし、そのものの首を落す。

 開け放たれている扉から風が流れ込み生臭い死の香りをさらっていく。死を連れ去っていった。消えゆく光のなか風はシオンの髪にも触れ、撫で、揺らした。

 だから戦争が終わる。
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