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chapter5

オリエンテーション 2

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どうも、藤川白斗です。
告白されました。
:白斗「いつから?」
普通にきになる。
:桃華「小学生の頃からだと思う。でもその感情が好きだと気づいたのは最近かも」
凄い嬉しい。
:白斗「最近って?」
:桃華「ほら、電車降りた時に助けてくれたでしょ?あの時に感じたんだ。白斗もおおきくなってるんだなぁーって。心だけじゃなく、体も。その時に実感したのよ、私はこの人の事が好きだって」
確かにあの時に桃華は見た事のない表情をしていた。
:白斗「でも僕は」
桃華が僕の言葉を遮る。
:桃華「私はさ、好なだけでいいってやつ・・・無理なの。繋がりたいって思っちゃう。隣にいてほしいって。でもあなたが選ぶのは私じゃないでしょ?だからお願い。振って?」
僕は初めて自分が欲張りな事に気付く。
なぜなら成瀬さんに僕が振られた時、桃華が居てくれるからと思ってしまったのだ。言葉通りそばに居てくれると。困った時には助けてくれると。
それが無くなると思った僕は今ここで最低の決断をする。
:白斗「僕は誰にも離れて欲しくない。だから桃華を振らないよ。桃華と付き合う」
これしかないんだ。だって桃華にまで嫌われたら。
そこで桃華の手が僕の頬を打つ。
:桃華「人のこと言えないけど、それはダメだよ絶対!自分に気持ちが向いてる以上相手を幸せにできるのは自分しかいない、でも自分には別に気持ちを向けてる人がいて、その人が振り向いてくれないのなら思ってくれている人に代わりになってもらう。こんなのずるい。私にも緑にも失礼だよ。私もさ・・・青矢に同じ事したの・・・。私達・・・似てるんだよ。でも私はちゃんと気づいた!いや、青矢に気付かせてもらったの!だから白斗にも頑張ってほしいの!それにまだ、諦めてないんでしょ、緑の事?」
さすが桃華、全部バレバレだ。
一から十まで全て桃華の言う通りだった。
確かにそう、全く諦めきれていないのだ。成瀬さんの事を。
僕も前に進もう。もう桃華には頼れない。いや、頼りたくない。
ここまで背中を押してもらったんだ!あとは自分で踏ん張ってみる!
:白斗「ありがとう・・・いつも助けてもらってばっかりだね・・・。でももう、これで終わりにする。これからは自分の脚で歩くよ。」
:桃華「頑張って、応援してる。」
本当にありがとう、桃華。
:白斗「よし、少し遅れちゃったし急いで戻ろっか!」
お尻を叩いて砂を落とす。
:桃華「そうだね!」
二人で道に戻る。ほかの班の人達がまだ居たので成瀬さんと青矢もそこまで遠くに行っていないだろう。
でも登る前に気になったことが一つある。というか忘れていた。
:白斗「あのさぁ、思ったんだけどさ、桃華って青矢の事好きなんだよね?」
まずは確認。
:桃華「まだ好きじゃないわ。好きになると思うけど」
あれ?成瀬さんは?成瀬さんも青矢好きだよね?
:白斗「成瀬さんは?」
:桃華「あっ・・・。」
いや、あっ・・・。じゃないから。どーすんのこれ。絶対忘れてたでしょ。
:桃華「でもよく考えたらあんたが緑のハートを掴めば問題ないじゃない」
:白斗「それ遠まわしに僕がハート掴まないと問題になるじゃないって言ってるよね?そうだよね?」
:桃華「そうね。」
:白斗「そうなんかい!」
思わず心の声が外に出る。
でも桃華には頑張って欲しいので、少し裏情報を・・・
:白斗「あ、それとヒントあげる。青矢は照れると耳が赤くなる」
:桃華「ふむふむ、肝に銘じとくわ。」
ごめんな青矢。これから永遠と桃華の掌で転がされると思う。でも、僕と成瀬さんの為なんだ。PS風呂あがりにコーヒー牛乳奢るから許して。
:白斗「ていうか、あれって成瀬さんたちじゃない?」
:桃華「ホントだ、ゆっくり歩いてたんでしょうね。」
二人に追いつく。
:白斗「ごめんお待たせ!」
:桃華「待たせたわね。」
:青矢「おう、おかえり!」
:成瀬「藤川君、大丈夫?桃華も!」
:白斗「もちろん!もう元気満々だよ!」
:成瀬「良かったぁ・・・。」
心配してる顔もこれまた可愛い。
:白斗「さっきはごめんなさい!どうかしてた」
:成瀬「ううん、気にしないで!元気になってくれてよかった!ていうか藤川君、なんか変わった?」
:白斗「そ、そうかな?まぁ、いろいろあったからね!!」
本当に色々あった・・・
:成瀬「いい事だね!ちなみにさっき桃華と何してたの?そんなに仲良かったっけ?桃華と?」
あ、そうだ。桃華と幼馴染みの事みんな知らないのか。まぁ隠すことじゃないし言おう。
:白斗「実はさ、言い忘れてたけど僕と桃華って幼馴染みなんだよね・・・。」
成瀬さんはビックリして桃華の方を向き、桃華はそれに対してコクンと首を落として返事をする。
:青矢「俺は知ってた」
:成瀬「ええぇー!!し、知らなかった。じゃあさっきのってこくは」
:桃華「違うから」
さすが桃華、いいところで言葉を遮る。
:成瀬「なんだぁ、良かった。って・・・あ・・・なんでもないです。」
良かったってなんで?あ、桃華に恋人ができると構ってもらえないからかな?
:白斗「成瀬さん、ちょっと話いいかな?わるい青矢、二人で先に行ってるー」
ちょっと二人きりなりたい
:桃華「え、ちょ。」
:青矢「おう、分かったー!」
桃華と青矢を置いて成瀬さんと少し先へ。
:成瀬「藤川君、話って?」
:白斗「さっきの話の事!僕でよかったら協力するよ!」
:成瀬「え?本当に!?ありがとう!!」
成瀬が表情がパァーっとなり素敵な笑顔を僕に向ける。
何この反応可愛い。くっ、青矢のやつが羨ましい。
:白斗「喜んでもらえてよかったよ、でも具体敵には何をすれば?」
:成瀬「一緒にてくれるだけでいいよ!えーっと後は困った時は助けてください!」
それって勘違いされるのでは?でも一緒に居れて困る事はないのでもちろん話に乗っかる。
:白斗「成瀬さんの為なら何でもするよ!もちろん困った時もすぐ駆けつける!助けになるかは分かんないけど・・・」
こういう時にたとえ火の中水の中って言うけど、行って自分じゃ助けにならないなら意味無いよなーとか考える。
:成瀬「居てくれるだけで助けになってるよ?」
え?なに?青矢が好きなんだよね?まるで僕に行為が向いてるような・・・
いやいや勘違いはいかんいかん、しっかりしろ僕!
:白斗「うん、わかった。ずっとそばに居る。」
やばい、嬉しいのか悔しいのか分かんないこれ。
:成瀬「ありがとっ!約束だよ?」
成瀬さんの小指がこちらに指す。
もちろん僕も小指をだし。
:白斗「うん、約束。」
てか後ろ、どーなってんだろう。


どうも、工藤桃華です。今、たいへん困っています。

いや、だから見えてる。
すごい目の前でイチャイチャしてるんですけど。
:桃華「ねぇ青矢」
ん?とこちらを向く青矢。
あれ?青矢ってこんなにカッコよかった?
:桃華「いやぁ、あの、ほら、あれあれ!」
目を合わせないように必死に指を指す
:青矢「うわー、めっちゃいちゃついてんなー。俺らもイチャつく?」
青矢とイチャつく・・・?
頭の中で妄想が広がる。
:桃華「っ。いや絶対無理無理無理無理無理」
:青矢「そんな拒否ることねーじゃん。成瀬さんはイチャついてるぜ?」
緑関係ないじゃん。
:桃華「何で緑が出てくるの?もしかして自分好きだって気付いて心動いたの?」
少し怒ってる雰囲気をだしてからかってみる。
:青矢「んな事ねーよ!今後一切一生生まれ変わってもない!俺は・・・工藤しか・・・見てない・・・から。」
:うへへ、青矢耳赤くて可愛い。
:桃華「何照れてんのよー」
いじりに入る。
:青矢「…!っるせ」
ペチっとデコピンされた、普通に痛い。ていうか手、大きいなぁ。
昔から人の手を見る癖があるけど、私って手フェチなのかな?
:桃華「青矢、手見して」
「ほい」っと差し出される左手。
:桃華「私、好きよ」
こういう手が。
:青矢「は!?おまっ何言ってんだ!?」
だから耳赤いって
:桃華「本当、可愛いんだから」
思わず笑ってしまう。 
:青矢「でも工藤もさ、そっちの方がいいよ。ここんとこ思いつめてばっかみたいだったけど、やっぱり俺は笑ってる方が好き。」
:桃華「ななな何をいっているの!?」
私の心拍数絶賛上昇中。
これずっとやられたら心臓がもたない。
:青矢「照れてやんのー」
悔しい。ここで負けずに言い返す。
:桃華「照れてないし!!でも私もアンタのそういうところ好きだよ?」
お返しよ。
:青矢「あ、あっそ!ありがとさん!」 
ふへへ、また耳赤くなってる。
これ見るの好き。
:桃華「照れてやんのー」
:青矢「っるせって」
ペシ
:桃華「アンタのデコピン普通に痛いって!私にも一発やらせなさいよ!」
:青矢「やれば?俺のデコはいつでも空いてるよ?」
分かって言ってるわねコイツ・・・。
:桃華「かなぃ・・・」
:青矢「んー??聞こえないなぁー??」
:桃華「ギリギリ届かないって言ってんのよ!しゃがみなさい!」
:青矢「やーだね!って痛てぇって!抓るのはなしだろ!」
:桃華「フンッ」
てゆーか結局私たちも・・・イチャついてるじゃん・・・
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