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第一楽章 憑依

第二十六話 再ゴブリン戦②

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 黄ゴブリンを倒すにはあの盾をどうにかしなければいけない。
 本体はこの刀で切れると思うが、あの盾は傷をつけるぐらいしか出来ない。
 背後を狙うにしても他の2体に邪魔されてしまう。
 かなり特に赤ゴブリンのハルバードの攻撃を受けると、物理耐性の高い俺でもかなりの傷を負ってしまう。
 1回でもまともに受けてしまうと終わりだろう。
 それにあの青ゴブリンも、俺の死角をついて攻撃して来るので厄介だ。
 俺には【視線感知】があるのでギリギリ対処できる。
 今は【縮地】が使えているが、このまま逃げ続けても魔力切れで動けなくなるだろう。
 何かないか、あいつらの弱点は……
 よく観察しろ、絶対に何かあるはずだ。
 その間にも赤ゴブリンが斧の部分を叩きつけてくる。
 それを【縮地】で飛び上がって躱す。
 そのまま刀を後ろに振り抜いた。
 ガキィン、と音が鳴って青ゴブリンを壁まで吹っ飛ばす。
 あっやばい、この体勢だと下からの攻撃をくらってしまう。
 急いで【硬化】を発動させる。
 が、しかしいつまで経っても攻撃が飛んでこない。
 下で落ちてきたところを槍で突こうとしているだけだ
 あっそうか。
 盾もハルバードも重すぎて素早く動けないんだ。
 なんでこんな初歩的なこと分からなかったんだ。
【強脚】を発動し、槍を躱すと同時に赤ゴブリンを蹴りで飛ばす。
 その隙に黄ゴブリンに接近し、頭を突き刺す。
 それを盾で止められるが、想定内だ。
 思いっきり足払いをして黄ゴブリンを倒す。

「グギャッ」

 その隙に背後に回り込んで首をスパッと切る。

「グギャァァァ」

 1発では切りきれないと思ったが、その点は問題ないようだった。
 少し安心すると……刀を後ろに振り抜いた。
 青ゴブリンは背後から攻撃するという厄介な敵だ。
 しかし裏を返せば背後からしか攻撃してこないので、俺みたいに【視線感知】などを持っていると簡単に対処できる。
 今回は首に当たったようできます青ゴブリンも倒せたので、残るは赤ゴブリンだけだ。
 俺は【縮地】で赤ゴブリンに接近し刀を振りかぶる。

「グギャギャギャァァァァ」

 躱されたが、腕を1本を切れたのでかなり有利になった。
 というよりほとんど勝っている。
 ハルバードなんて重いものを使うことは、片手ではかなりしんどい。
 使えたとしても槍は使えないし、斧では単調な攻撃しかできない。
 大振りを躱して、脇腹から真っ二つに切り裂いた。

「グギャアアアァァ」

【憑依】を解除する。
 ふぅ、これでやっと終わりだ。

 ガコンっ

 えっ……
 俺の前の床が開いた。

 ガガガガガガ

 そこから1つの宝箱があった。
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