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莉紗の話
はじめまして
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日曜日のパン屋さんは忙しい。
学校の休みと仕事の休みが重なり、家族連れのお客さんが多いのだ。
私は高校1年生の8月からこのパン屋さん、
BAKERY COCO でアルバイトをしている高校3年生の松本 莉紗。長く働いているから、アルバイトがする業務のことは基本的に何でも出来る自信がある。
「莉紗ちゃん!ちょっと来てくれる?」
レジの方から私を呼ぶ声が聞こえる。
見てみると社員の山本さんだった。
「今行きます!」
私はパンを並べるのを止め、レジの方へ向かった。
「来た来た、今日から入る新人の水野瞬くん!
瞬くんもラストのメンバーだから、仲良くし
てあげてね、じゃあ私は裏でシフト作ってく
るから!表よろしくね~」
そう言うと山本さんは私の返事も聞かずに去って行ってしまった。
この人、、水野さんは私より年上の大学生に見えた。
「あ、はじめまして!松本莉紗です」
軽く会釈をすると水野さんは、
「あ、お願いします。」
と、緊張したように言った。
そう。これが私達の出会いだった。
「山本さんから何か教えて貰う事聞きました?」
「いや、ただ松本さんに教えてもらってね、
とだけしか、、すいません。」
私が教育係、、ということなのか??
申し訳なさそうにしている水野さんを見ると
こっちまで申し訳なくなってきて、とりあえずレジを手伝ってもらうことにした。
「えっと、まだレジは打てないと思うので、
お客さんが持ってきたパンをトレーから
1つずつ袋にうつす作業をお願いします!」
「はい」
なんか少し怖い人だなぁ。背も180は超えてそうだし目つきも鋭いし。クールな人なのかな?
なんだか絡みにくいなぁ。
第一印象は大体そんな感じだった。
お客さんが多いのもあり、時間の流れが早く感じて、気づけばもう17時を過ぎていた。
営業時間は7時~19時までだが、締め作業がある為、結局帰れるのは21時頃。
でも売れ残ったパンは貰えるし、試作のパンは試食できるしで、デメリットといえば少し時給が低いところくらいだった。
水野さんが出勤してきたのが大体13時頃で、
今日はロングなのかな?と思い、レジから移動してチョココロネの仕上げを手伝っている所に声をかけにいった。
「水野さん、今日って何時までですか?」
「あ、21時までです。」
「そっか、じゃあ上がりの時間が私と一緒だね
がんばろうね!!」
そう言うと水野さんはぺこり、とした。
やっぱりなんだか絡みにくい人だ。
それとも緊張してるのか??パン屋さんはやっぱり女性が多いので、男性が入ってきても馴染めずすぐに辞めてしまう人も少なく無かった。
そんな事を考えていると、
おはようございます!と元気な声が聞こえた。
振り返ると自分より1つ上の富永紫月さんが出勤してきたところだった。
紫月さんとはこのパン屋さんで出会い、仲良くなった人だ。しっかりしていて下の名前で呼ぶ事も許してくれる優しくて大好きな人。
「紫月さーん!おはようございます!!」
「莉紗久しぶりだねぇ︎^_^」
紫月さんは掛け持ちでアルバイトをしているから、最近は滅多にシフトが被らなくなってしまった。
「あれ、瞬もいるじゃん、おはよぉ~」
今更気づいたんですか、なんて心の中でツッコミを入れてみたり。
「おはよう紫月」
ん?水野さんは今日が初出勤のはず、、
「知り合いですか?」
親しげな2人が気になってそう聞く。
「うん!幼なじみ的な?」
「なるほど!じゃあ紫月さんの紹介でって事で すか?」
「理解が早いね莉紗ちゃん!
こいつが掛け持ちしたいって悩んでてさ!」
瞬さんがいるからなのか、いつもよりテンションが高くなる紫月さん。
紫月さんの幼なじみなら、きっといい人だと思うし時間がかかってでも仲良くなりたい。
そう思っていた。
それからお客さんが減っていって、
とうとう閉店時間。今日のラストのメンバーは
私、紫月さん、水野さんの3人。
私は水野さんに締め作業を教えながらなので、
ほぼ紫月さんの負担になってしまうが、
気にしないで♡との事だったので、1つずつ丁寧に教えていくことにした。
「まず残ったパンを全てレジに打ち込みます。
紫月さんがパンの名前を言ってくれるので、
一緒にパンの名前とパネルの操作覚えていきましょう!」
「わかりました」
いつもよりゆっくり、私が隣で声をかけながら
水野さんがレジを操作していく。
水野さんは覚えるのが早くて、
こりゃ即戦力になるぞ!なんて思った。
それから順調に締め作業も終わり、まだ残っている社員に「お疲れ様です」と挨拶をして着替える。
広い休憩室の中で男女の着替える場所とロッカーが薄い壁で区切られていて、
私が着替えていると既に着替え終わった2人の会話が聞こえてきた。
「疲れたね~」
「でもここ悪くないね、みんな良い人そう」
「瞬~女しかいないからって簡単に辞めるなよ」
「わかってる」
本当に辞めないでくれ、、人手不足すぎるんだよこのパン屋さん。
だったら、、私がちゃんと教えないとダメだよね。がんばらなきゃ。
ふぅ、、人に教えるってこんなに難しいんだ。
次はもっと分かりやすく教えられるといいな。
「あ、友達近くにいるみたいだから遊びに行く
俺もう帰るわ」
「まじ~?おつかれ~」
あ、帰っちゃう。
どうせなら制服じゃない時も見てみたかったな
「松本さんもお疲れ様です!」
大きな声でこっちにまで声をかけてくれた。
「はーいお疲れ様です!」
バイト終わりに遊びに行く体力あるんだ、、
若いな、なんて思った。
まぁ、私の方が若いんだけど。
「莉紗は私と帰ろうね~送っていくよ~♡」
「え!ありがとうございます!
急いで着替えます!!」
ここの人はよく私を家まで送ってくれる。
みんな親切で、とても居心地がよかった。
学校の休みと仕事の休みが重なり、家族連れのお客さんが多いのだ。
私は高校1年生の8月からこのパン屋さん、
BAKERY COCO でアルバイトをしている高校3年生の松本 莉紗。長く働いているから、アルバイトがする業務のことは基本的に何でも出来る自信がある。
「莉紗ちゃん!ちょっと来てくれる?」
レジの方から私を呼ぶ声が聞こえる。
見てみると社員の山本さんだった。
「今行きます!」
私はパンを並べるのを止め、レジの方へ向かった。
「来た来た、今日から入る新人の水野瞬くん!
瞬くんもラストのメンバーだから、仲良くし
てあげてね、じゃあ私は裏でシフト作ってく
るから!表よろしくね~」
そう言うと山本さんは私の返事も聞かずに去って行ってしまった。
この人、、水野さんは私より年上の大学生に見えた。
「あ、はじめまして!松本莉紗です」
軽く会釈をすると水野さんは、
「あ、お願いします。」
と、緊張したように言った。
そう。これが私達の出会いだった。
「山本さんから何か教えて貰う事聞きました?」
「いや、ただ松本さんに教えてもらってね、
とだけしか、、すいません。」
私が教育係、、ということなのか??
申し訳なさそうにしている水野さんを見ると
こっちまで申し訳なくなってきて、とりあえずレジを手伝ってもらうことにした。
「えっと、まだレジは打てないと思うので、
お客さんが持ってきたパンをトレーから
1つずつ袋にうつす作業をお願いします!」
「はい」
なんか少し怖い人だなぁ。背も180は超えてそうだし目つきも鋭いし。クールな人なのかな?
なんだか絡みにくいなぁ。
第一印象は大体そんな感じだった。
お客さんが多いのもあり、時間の流れが早く感じて、気づけばもう17時を過ぎていた。
営業時間は7時~19時までだが、締め作業がある為、結局帰れるのは21時頃。
でも売れ残ったパンは貰えるし、試作のパンは試食できるしで、デメリットといえば少し時給が低いところくらいだった。
水野さんが出勤してきたのが大体13時頃で、
今日はロングなのかな?と思い、レジから移動してチョココロネの仕上げを手伝っている所に声をかけにいった。
「水野さん、今日って何時までですか?」
「あ、21時までです。」
「そっか、じゃあ上がりの時間が私と一緒だね
がんばろうね!!」
そう言うと水野さんはぺこり、とした。
やっぱりなんだか絡みにくい人だ。
それとも緊張してるのか??パン屋さんはやっぱり女性が多いので、男性が入ってきても馴染めずすぐに辞めてしまう人も少なく無かった。
そんな事を考えていると、
おはようございます!と元気な声が聞こえた。
振り返ると自分より1つ上の富永紫月さんが出勤してきたところだった。
紫月さんとはこのパン屋さんで出会い、仲良くなった人だ。しっかりしていて下の名前で呼ぶ事も許してくれる優しくて大好きな人。
「紫月さーん!おはようございます!!」
「莉紗久しぶりだねぇ︎^_^」
紫月さんは掛け持ちでアルバイトをしているから、最近は滅多にシフトが被らなくなってしまった。
「あれ、瞬もいるじゃん、おはよぉ~」
今更気づいたんですか、なんて心の中でツッコミを入れてみたり。
「おはよう紫月」
ん?水野さんは今日が初出勤のはず、、
「知り合いですか?」
親しげな2人が気になってそう聞く。
「うん!幼なじみ的な?」
「なるほど!じゃあ紫月さんの紹介でって事で すか?」
「理解が早いね莉紗ちゃん!
こいつが掛け持ちしたいって悩んでてさ!」
瞬さんがいるからなのか、いつもよりテンションが高くなる紫月さん。
紫月さんの幼なじみなら、きっといい人だと思うし時間がかかってでも仲良くなりたい。
そう思っていた。
それからお客さんが減っていって、
とうとう閉店時間。今日のラストのメンバーは
私、紫月さん、水野さんの3人。
私は水野さんに締め作業を教えながらなので、
ほぼ紫月さんの負担になってしまうが、
気にしないで♡との事だったので、1つずつ丁寧に教えていくことにした。
「まず残ったパンを全てレジに打ち込みます。
紫月さんがパンの名前を言ってくれるので、
一緒にパンの名前とパネルの操作覚えていきましょう!」
「わかりました」
いつもよりゆっくり、私が隣で声をかけながら
水野さんがレジを操作していく。
水野さんは覚えるのが早くて、
こりゃ即戦力になるぞ!なんて思った。
それから順調に締め作業も終わり、まだ残っている社員に「お疲れ様です」と挨拶をして着替える。
広い休憩室の中で男女の着替える場所とロッカーが薄い壁で区切られていて、
私が着替えていると既に着替え終わった2人の会話が聞こえてきた。
「疲れたね~」
「でもここ悪くないね、みんな良い人そう」
「瞬~女しかいないからって簡単に辞めるなよ」
「わかってる」
本当に辞めないでくれ、、人手不足すぎるんだよこのパン屋さん。
だったら、、私がちゃんと教えないとダメだよね。がんばらなきゃ。
ふぅ、、人に教えるってこんなに難しいんだ。
次はもっと分かりやすく教えられるといいな。
「あ、友達近くにいるみたいだから遊びに行く
俺もう帰るわ」
「まじ~?おつかれ~」
あ、帰っちゃう。
どうせなら制服じゃない時も見てみたかったな
「松本さんもお疲れ様です!」
大きな声でこっちにまで声をかけてくれた。
「はーいお疲れ様です!」
バイト終わりに遊びに行く体力あるんだ、、
若いな、なんて思った。
まぁ、私の方が若いんだけど。
「莉紗は私と帰ろうね~送っていくよ~♡」
「え!ありがとうございます!
急いで着替えます!!」
ここの人はよく私を家まで送ってくれる。
みんな親切で、とても居心地がよかった。
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