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第7話
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アロンは気弱な笑みを浮かべた。
「それじゃあ、申し訳ないのだけれど、しばらく僕に付き合ってくれるかな」
彼はそう告げながら、いくつか世間話をしてくれた。学院の思い出に始まり、互いの仕事のことや、王都での流行のこと……。
「実は表向きには伏されているが、王室に脅迫状が届いたらしい」
「……警備が厳重になりますね」
ふと差し込まれた雑談に、コーデリアも応じた。
「もちろん。たしかもうじき、君の故郷にも陛下の行幸《ぎょうこう》の予定が入っているよね?」
「はい。復興式に出席されると聞いています」
すでに公表されている予定なので、コーデリアは頷いた。
彼女自身は警備に関わらないが、出席することになっている。彼女はある意味、あの復興式の立役者でもあった。
アロンのような中央官吏は、地方にいるコーデリアの情報も手に入るのだろう。
「万が一のことはないとは思うけれど、君も気を付けて」
「わかりました。アロン様、情報提供をありがとうございます」
「いいんだ、ついでだから」
アロンは笑う。
「ところで、君のほうは……結婚、したの?」
「いいえ」
「そうなんだ。君のような人にはとっくに相手がいると思っていたのだけれど」
「そんな……」
立ち入られたくない話題に、コーデリアの顔も強張る。
「コーデリアはいつまで王都に? よかったら僕と」
その時だった。サリー伯爵家の使用人が、遅れて到着した最後の招待客の名を読み上げた。
「みなさま、ウォルシンガム宰相閣下に、ガプル公爵令嬢がお越しになりました」
夕方にかかり、長く伸びた影がふたつ。
その場にいた他の招待客の目は自然と新たな客人に吸いつけられた。
昨日に新聞に結婚報道が出たばかりのふたりである。
ガプル公爵令嬢はゼニスブルーの瞳に合わせた同系色のドレスを品よく着こなし、男たちを魅了する微笑みを湛えている。
片や、これまでどの場面でも鋭く冷たい印象のあったウォルシンガム宰相は、隣の令嬢にはやや柔らかな表情を見せている。普段は厳しい振舞いが目立つ彼もまた円熟味を増した美男だとはっとさせられた者も多そうだ。
ふたりともが洗練された所作で歩き、小声で会話をしているさまも仲睦まじさと同時に、絵画にも切り取れそうな華麗さがあった。
なるほど、お似合いのふたりだと人々はため息をついた。
「おっと、宰相閣下だね。今日はお見えにならないかと思っていたのだけれど」
アロンはのんびりとした口調で隣に話しかけた。
「あの結婚報道は本当のようだね。コーデリア、よかったらおふたりにご挨拶をしないか? 顔を覚えてもらえるかもしれないぞ」
「や、やめてっ!」
コーデリアは、ふたりへ歩み出そうとするアロンの手首を掴んで必死に止めた。
「わ、私は、いいの……! そんな真似はできない……!」
「……コーデリア?」
アロンが彼女の顔をのぞきこんでくる。
「急にどうしたんだ? ガプル公爵令嬢は知らないが、宰相閣下は評判通りの冷血な方だけではないし、むしろ君のような女性官吏にもわけへだてなく接してくださるよ。そこまで怯えなくとも」
アロンは純粋に心配しているのだろうとコーデリアにもわかっていた。
世間では「冷血宰相」として名が通っていても、クローヴィスが自分の友人によくしてくれるとアロンは確信をしているのだ。
しかしコーデリアは、クローヴィスが「冷血宰相」だから怯えているのではない。
ただ、お似合いのふたりから目を逸らしたかっただけだ。
彼が参加する可能性があるとあらかじめ知っていたならはじめからガーデンパーティーには来なかった。
だが、エミーリアは事情を知らず、彼女なりの好意で参加を勧めてくれただけ。これは不幸な事故だった。それでも知ってしまった以上、この場にはいられない。
「エミーリア様……もうそろそろ戻られるころかしら」
「え? ああ、そうだね、ちょっと手間取っているのかな」
「アロン様、ごめんなさい。私、やっぱり気になるからエミーリア様を探します」
「待って、慣れないところにひとりでは行かせられないよ。僕が使用人に声をかけに行ってくるから」
アロンは軽くコーデリアの肩に手を乗せた後、近くの給仕に声をかけにいく。
コーデリアは顔を見られないよう、手持ちの扇子で目から下を隠した。
――クローヴィス。
手紙を書いた時、コーデリアは二度と彼には会わない覚悟でいたのに。
同じ場で、話しかけられる距離にいて、心が揺らぐ。
彼は昨日出した手紙を読んだだろうか。
――お願い、こちらを見て。私を見つけて。
浅ましくもそう願う自分に気付き、コーデリアは苦しくなる。
だが、その刹那。
クローヴィスの目がふと何かを探すように彷徨い……立ち尽くすコーデリアで止まり、瞠目したように見えた。
彼の片足がコーデリアに向かって踏み出しかけたタイミングで、
「コーデリア、おまたせ」
ふたりを遮るように、アロンが給仕の使用人を連れてきた。
「エミーリア様は邸内で少し休んでいたんだって。案内してもらえるようにお願いしたから。一緒に行こう」
「え、ええ……ありがとうございます」
アロンが手を差し出した。
コーデリアは逡巡するも、そっとその手に己の手を添える。
――気付くわけがないもの。
彼はコーデリアがここにいるとは夢にも思っていない。隣には大事な人がいるのに、コーデリアを顧みるわけがない。
彼のいるきらびやかな世界を垣間見て、彼をひとめ見ることができた。それだけで十分ではないか。
彼女はアロンに微笑みかけて、ガーデンパーティーを出た。
ガプル公爵令嬢は、隣のパートナーが何かに気を取られていることに気付いた。
「どうかなさいましたか」
彼の視線の先にいたのは一組の男女。ちょうど庭園を出ていくところだった。
横顔が見える。男のほうはどこぞのパーティーで何度か見た顔だったが、女のほうには覚えがない。
パートナーの宰相閣下は、特に女のほうに関心があるようだった。彼の足がそちらへ向きかけていたので、彼女は組んでいた腕を引っ張った。
「いけませんわ。わたくしが隣にいるのによそ見をなさっては」
彼は無言で彼女を見下ろした。眉間には苦悩が刻まれた皺がある。
並みの女なら気圧されていただろうが、ガプル公爵令嬢は己に自信があった。
「失礼。……昔からの知人がいたような気がしたもので」
「そうですの」
気のせいでしょう、と彼はその続けるはずだった。少なくともガプル公爵令嬢はそう思ったのだが。
「申し訳ないが、少し離れます。ご容赦を」
「え?」
「あまり仲睦まじい様子を見せては、『私が』嫉妬されてしまいます」
彼はサリー伯爵に彼女のエスコートを頼もうとしている。
しばらく呆然としていたガプル公爵令嬢も、次第に事態を呑みこみ、自らが持つ黒い扇子をぐっと握りしめた。
――クローヴィス様。
……彼女の主義は「欲しいものはなんでも手に入れる」である。
「わたくしをひとりにしないでください」
彼女は宰相の手首をつかんで懇願した。
「見かけられた方がお知り合いかどうか、後でいくらでも確認できますわ。クローヴィス様が『仕事』を放棄されては、わたくしが恥をかいてしまいます」
彼女の思惑通り、責任感の強い彼がその場に留まったのを確認して、彼女は満足したのだった。
「それじゃあ、申し訳ないのだけれど、しばらく僕に付き合ってくれるかな」
彼はそう告げながら、いくつか世間話をしてくれた。学院の思い出に始まり、互いの仕事のことや、王都での流行のこと……。
「実は表向きには伏されているが、王室に脅迫状が届いたらしい」
「……警備が厳重になりますね」
ふと差し込まれた雑談に、コーデリアも応じた。
「もちろん。たしかもうじき、君の故郷にも陛下の行幸《ぎょうこう》の予定が入っているよね?」
「はい。復興式に出席されると聞いています」
すでに公表されている予定なので、コーデリアは頷いた。
彼女自身は警備に関わらないが、出席することになっている。彼女はある意味、あの復興式の立役者でもあった。
アロンのような中央官吏は、地方にいるコーデリアの情報も手に入るのだろう。
「万が一のことはないとは思うけれど、君も気を付けて」
「わかりました。アロン様、情報提供をありがとうございます」
「いいんだ、ついでだから」
アロンは笑う。
「ところで、君のほうは……結婚、したの?」
「いいえ」
「そうなんだ。君のような人にはとっくに相手がいると思っていたのだけれど」
「そんな……」
立ち入られたくない話題に、コーデリアの顔も強張る。
「コーデリアはいつまで王都に? よかったら僕と」
その時だった。サリー伯爵家の使用人が、遅れて到着した最後の招待客の名を読み上げた。
「みなさま、ウォルシンガム宰相閣下に、ガプル公爵令嬢がお越しになりました」
夕方にかかり、長く伸びた影がふたつ。
その場にいた他の招待客の目は自然と新たな客人に吸いつけられた。
昨日に新聞に結婚報道が出たばかりのふたりである。
ガプル公爵令嬢はゼニスブルーの瞳に合わせた同系色のドレスを品よく着こなし、男たちを魅了する微笑みを湛えている。
片や、これまでどの場面でも鋭く冷たい印象のあったウォルシンガム宰相は、隣の令嬢にはやや柔らかな表情を見せている。普段は厳しい振舞いが目立つ彼もまた円熟味を増した美男だとはっとさせられた者も多そうだ。
ふたりともが洗練された所作で歩き、小声で会話をしているさまも仲睦まじさと同時に、絵画にも切り取れそうな華麗さがあった。
なるほど、お似合いのふたりだと人々はため息をついた。
「おっと、宰相閣下だね。今日はお見えにならないかと思っていたのだけれど」
アロンはのんびりとした口調で隣に話しかけた。
「あの結婚報道は本当のようだね。コーデリア、よかったらおふたりにご挨拶をしないか? 顔を覚えてもらえるかもしれないぞ」
「や、やめてっ!」
コーデリアは、ふたりへ歩み出そうとするアロンの手首を掴んで必死に止めた。
「わ、私は、いいの……! そんな真似はできない……!」
「……コーデリア?」
アロンが彼女の顔をのぞきこんでくる。
「急にどうしたんだ? ガプル公爵令嬢は知らないが、宰相閣下は評判通りの冷血な方だけではないし、むしろ君のような女性官吏にもわけへだてなく接してくださるよ。そこまで怯えなくとも」
アロンは純粋に心配しているのだろうとコーデリアにもわかっていた。
世間では「冷血宰相」として名が通っていても、クローヴィスが自分の友人によくしてくれるとアロンは確信をしているのだ。
しかしコーデリアは、クローヴィスが「冷血宰相」だから怯えているのではない。
ただ、お似合いのふたりから目を逸らしたかっただけだ。
彼が参加する可能性があるとあらかじめ知っていたならはじめからガーデンパーティーには来なかった。
だが、エミーリアは事情を知らず、彼女なりの好意で参加を勧めてくれただけ。これは不幸な事故だった。それでも知ってしまった以上、この場にはいられない。
「エミーリア様……もうそろそろ戻られるころかしら」
「え? ああ、そうだね、ちょっと手間取っているのかな」
「アロン様、ごめんなさい。私、やっぱり気になるからエミーリア様を探します」
「待って、慣れないところにひとりでは行かせられないよ。僕が使用人に声をかけに行ってくるから」
アロンは軽くコーデリアの肩に手を乗せた後、近くの給仕に声をかけにいく。
コーデリアは顔を見られないよう、手持ちの扇子で目から下を隠した。
――クローヴィス。
手紙を書いた時、コーデリアは二度と彼には会わない覚悟でいたのに。
同じ場で、話しかけられる距離にいて、心が揺らぐ。
彼は昨日出した手紙を読んだだろうか。
――お願い、こちらを見て。私を見つけて。
浅ましくもそう願う自分に気付き、コーデリアは苦しくなる。
だが、その刹那。
クローヴィスの目がふと何かを探すように彷徨い……立ち尽くすコーデリアで止まり、瞠目したように見えた。
彼の片足がコーデリアに向かって踏み出しかけたタイミングで、
「コーデリア、おまたせ」
ふたりを遮るように、アロンが給仕の使用人を連れてきた。
「エミーリア様は邸内で少し休んでいたんだって。案内してもらえるようにお願いしたから。一緒に行こう」
「え、ええ……ありがとうございます」
アロンが手を差し出した。
コーデリアは逡巡するも、そっとその手に己の手を添える。
――気付くわけがないもの。
彼はコーデリアがここにいるとは夢にも思っていない。隣には大事な人がいるのに、コーデリアを顧みるわけがない。
彼のいるきらびやかな世界を垣間見て、彼をひとめ見ることができた。それだけで十分ではないか。
彼女はアロンに微笑みかけて、ガーデンパーティーを出た。
ガプル公爵令嬢は、隣のパートナーが何かに気を取られていることに気付いた。
「どうかなさいましたか」
彼の視線の先にいたのは一組の男女。ちょうど庭園を出ていくところだった。
横顔が見える。男のほうはどこぞのパーティーで何度か見た顔だったが、女のほうには覚えがない。
パートナーの宰相閣下は、特に女のほうに関心があるようだった。彼の足がそちらへ向きかけていたので、彼女は組んでいた腕を引っ張った。
「いけませんわ。わたくしが隣にいるのによそ見をなさっては」
彼は無言で彼女を見下ろした。眉間には苦悩が刻まれた皺がある。
並みの女なら気圧されていただろうが、ガプル公爵令嬢は己に自信があった。
「失礼。……昔からの知人がいたような気がしたもので」
「そうですの」
気のせいでしょう、と彼はその続けるはずだった。少なくともガプル公爵令嬢はそう思ったのだが。
「申し訳ないが、少し離れます。ご容赦を」
「え?」
「あまり仲睦まじい様子を見せては、『私が』嫉妬されてしまいます」
彼はサリー伯爵に彼女のエスコートを頼もうとしている。
しばらく呆然としていたガプル公爵令嬢も、次第に事態を呑みこみ、自らが持つ黒い扇子をぐっと握りしめた。
――クローヴィス様。
……彼女の主義は「欲しいものはなんでも手に入れる」である。
「わたくしをひとりにしないでください」
彼女は宰相の手首をつかんで懇願した。
「見かけられた方がお知り合いかどうか、後でいくらでも確認できますわ。クローヴィス様が『仕事』を放棄されては、わたくしが恥をかいてしまいます」
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