1 / 36
第54話 「新しい制服、まだ脱げない傷」
しおりを挟む
春の朝だった。
制服のリボンを結びながら、
私は鏡の前に立っていた。
紺色のスカート。
真新しいブレザー。
まだ馴染まない生地の匂い。
これが、
私の「新しい毎日」のはずだった。
でも、
鏡に映った私は、
どこか、
昔のままだった。
中学三年間でついたひび。
失恋の傷。
誰にも言えない快感。
壊れたまま隠し続けた心。
全部、
制服の下にまだ残っていた。
新しい制服を着たからって、
昨日までの私が消えるわけじゃない。
どれだけ新しい世界が始まろうと、
私のなかの"壊れた場所"は、
ちゃんと持ち越されている。
私は、
スカートの裾を引っ張りながら、
そっと笑った。
ふつうの顔をして、
ふつうの高校生になりすますために。
でも、
本当はわかっていた。
この三年間で私は、
ただ大人になろうとしているんじゃない。
もっと深いところで、
確実に、
「何か別のもの」に変わり始めている。
隠したい。
でも、見つけてほしい。
逃げたい。
でも、壊れたい。
そんな矛盾を抱えたまま、
私は、
新しい制服で、
新しい朝に飛び込んでいく。
期待なんか、してない。
怖いだけだった。
でも、
この痛みを抱えたままでも、
私は、
生きていかなきゃいけない。
まだ、
少女の殻を脱ぎ捨てきれないまま。
私は、
新しい季節に、
そっと足を踏み入れた。
──ここから始まる。
私の、
誰にも言えない高校生活が。
──つづく。
制服のリボンを結びながら、
私は鏡の前に立っていた。
紺色のスカート。
真新しいブレザー。
まだ馴染まない生地の匂い。
これが、
私の「新しい毎日」のはずだった。
でも、
鏡に映った私は、
どこか、
昔のままだった。
中学三年間でついたひび。
失恋の傷。
誰にも言えない快感。
壊れたまま隠し続けた心。
全部、
制服の下にまだ残っていた。
新しい制服を着たからって、
昨日までの私が消えるわけじゃない。
どれだけ新しい世界が始まろうと、
私のなかの"壊れた場所"は、
ちゃんと持ち越されている。
私は、
スカートの裾を引っ張りながら、
そっと笑った。
ふつうの顔をして、
ふつうの高校生になりすますために。
でも、
本当はわかっていた。
この三年間で私は、
ただ大人になろうとしているんじゃない。
もっと深いところで、
確実に、
「何か別のもの」に変わり始めている。
隠したい。
でも、見つけてほしい。
逃げたい。
でも、壊れたい。
そんな矛盾を抱えたまま、
私は、
新しい制服で、
新しい朝に飛び込んでいく。
期待なんか、してない。
怖いだけだった。
でも、
この痛みを抱えたままでも、
私は、
生きていかなきゃいけない。
まだ、
少女の殻を脱ぎ捨てきれないまま。
私は、
新しい季節に、
そっと足を踏み入れた。
──ここから始まる。
私の、
誰にも言えない高校生活が。
──つづく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる