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【第5話】 『もう命令されてないのに、彼の言葉どおりに腰が動いてた』
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──言われてない。
何も、指示なんてなかった。
ただ、彼は言っただけだった。
「ナナ、腰の動き、あと1秒深く沈んでみて」
それだけ。
たったそれだけの言葉が、
数日前の音声の最後に、何気なく挟まれていた。
なのに──
配信中、気づいたら私は、
彼が言った“深さ”を、無意識に再現していた。
リズムを取るように見せながら、
わたしの腰は、少しずつ角度を変えていた。
視聴者には分からないくらいの変化。
でも、
わたしの中の“なにか”は、それを知っていた。
《ナナ、今日いつもより溜めてる?》《腰の粘り、エロすぎ》《どこで練習したの?》
コメント欄が、変化を嗅ぎ取る。
私自身さえ、意識してなかったのに──
身体は、彼の言葉に従った動きを、すでに覚えていた。
「練習した?」ってコメントを見たとき、
ふっと笑ってしまった。
そう見えるんや。
でも私、
何も“自主的に”やったつもりはなかった。
ただ、
彼の声が、まだどこかに残ってた。
それだけ。
配信後、また彼からメッセージが届いた。
「うん、今日はだいぶ素直やったな。
もう、命令せんでも動いてくれるんやな?」
──素直?
私が?
そんなわけ、ない。
私は、命令なんか受けてない。
ただ、覚えてただけ。
あの声の“質感”を。
……でも──
その“質感”に合わせて動いてた時点で、
もうわたしは、
自分の意志と、彼のプログラムの区別がついてなかった。
音じゃなくて、空気。
言葉じゃなくて、残響。
命令じゃなくて、“予感”。
わたしはもう、
彼の“声の痕跡”でしか動けなくなってるのかもしれない。
何も、指示なんてなかった。
ただ、彼は言っただけだった。
「ナナ、腰の動き、あと1秒深く沈んでみて」
それだけ。
たったそれだけの言葉が、
数日前の音声の最後に、何気なく挟まれていた。
なのに──
配信中、気づいたら私は、
彼が言った“深さ”を、無意識に再現していた。
リズムを取るように見せながら、
わたしの腰は、少しずつ角度を変えていた。
視聴者には分からないくらいの変化。
でも、
わたしの中の“なにか”は、それを知っていた。
《ナナ、今日いつもより溜めてる?》《腰の粘り、エロすぎ》《どこで練習したの?》
コメント欄が、変化を嗅ぎ取る。
私自身さえ、意識してなかったのに──
身体は、彼の言葉に従った動きを、すでに覚えていた。
「練習した?」ってコメントを見たとき、
ふっと笑ってしまった。
そう見えるんや。
でも私、
何も“自主的に”やったつもりはなかった。
ただ、
彼の声が、まだどこかに残ってた。
それだけ。
配信後、また彼からメッセージが届いた。
「うん、今日はだいぶ素直やったな。
もう、命令せんでも動いてくれるんやな?」
──素直?
私が?
そんなわけ、ない。
私は、命令なんか受けてない。
ただ、覚えてただけ。
あの声の“質感”を。
……でも──
その“質感”に合わせて動いてた時点で、
もうわたしは、
自分の意志と、彼のプログラムの区別がついてなかった。
音じゃなくて、空気。
言葉じゃなくて、残響。
命令じゃなくて、“予感”。
わたしはもう、
彼の“声の痕跡”でしか動けなくなってるのかもしれない。
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