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【第6話】 『「自分で気持ちよくなってる」って思ってたのが、一番恥ずかしかった』
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──気持ちいいのは、自分のタイミングで、
自分のペースで、
自分の意志で──
そう思ってた。
いや、思い込んでた。
ある日の配信。
私は、少しだけ冒険してみた。
彼から何も言われていない動きを入れてみる。
テンポを変えた。
目線をずらした。
音を抑えた。
でも──
不思議なことに、どれもしっくりこなかった。
まるで、リズムが“外れてる”感じ。
音は出てるのに、身体が乗ってこない。
《今日のナナ、なんか迷ってる?》
《息のタイミング、ズレてる?》《あれ、感覚ちがう?》
コメント欄すら、反応が鈍かった。
配信後、私は鏡の前で同じ動きをしてみた。
自分の感覚だけで動いてるのに、
身体がどこか“違う”と訴えてきた。
「……なにこれ。
わたし、今、気持ちよくない?」
自分の快感が、
**“誰かの設計じゃないと立ち上がらない”**という違和感。
そのとき、スマホが震えた。
また彼からのDMだった。
「ナナ、今日は“自分だけで頑張ってた”やろ。
それも悪くないけど……
ほら、やっぱり“仕込んだとおりの動き”の方が、抜けるな」
──血の気が引いた。
何が恥ずかしいって、
“気づかれてたこと”じゃない。
“仕込まれてたことに、自分がまだ気づいてなかった”って事実。
私が気持ちよくなってるって思ってたあれは、
“彼が与えた快感”だったのかもしれない。
いや、“与えられたと思い込まされた快感”──その方が正確かもしれない。
どっちにしても、
もう、私の感度は“私だけのもの”じゃなかった。
喉の奥が、焼けるように熱くなった。
でも声は出なかった。
ただ、胸の奥で小さく呟いた。
「……わたし、もう、自分で選べてへんかも」
そう気づいたとき、
背筋がひやっとして、
それと同時に、脚の奥がきゅっと震えた。
自分のペースで、
自分の意志で──
そう思ってた。
いや、思い込んでた。
ある日の配信。
私は、少しだけ冒険してみた。
彼から何も言われていない動きを入れてみる。
テンポを変えた。
目線をずらした。
音を抑えた。
でも──
不思議なことに、どれもしっくりこなかった。
まるで、リズムが“外れてる”感じ。
音は出てるのに、身体が乗ってこない。
《今日のナナ、なんか迷ってる?》
《息のタイミング、ズレてる?》《あれ、感覚ちがう?》
コメント欄すら、反応が鈍かった。
配信後、私は鏡の前で同じ動きをしてみた。
自分の感覚だけで動いてるのに、
身体がどこか“違う”と訴えてきた。
「……なにこれ。
わたし、今、気持ちよくない?」
自分の快感が、
**“誰かの設計じゃないと立ち上がらない”**という違和感。
そのとき、スマホが震えた。
また彼からのDMだった。
「ナナ、今日は“自分だけで頑張ってた”やろ。
それも悪くないけど……
ほら、やっぱり“仕込んだとおりの動き”の方が、抜けるな」
──血の気が引いた。
何が恥ずかしいって、
“気づかれてたこと”じゃない。
“仕込まれてたことに、自分がまだ気づいてなかった”って事実。
私が気持ちよくなってるって思ってたあれは、
“彼が与えた快感”だったのかもしれない。
いや、“与えられたと思い込まされた快感”──その方が正確かもしれない。
どっちにしても、
もう、私の感度は“私だけのもの”じゃなかった。
喉の奥が、焼けるように熱くなった。
でも声は出なかった。
ただ、胸の奥で小さく呟いた。
「……わたし、もう、自分で選べてへんかも」
そう気づいたとき、
背筋がひやっとして、
それと同時に、脚の奥がきゅっと震えた。
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