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“この人に見せたい”って思ってしまった時点で、私の負けやった
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──誰に見せるかなんて、
私が決める。
ずっと、そう思ってた。
見せる側には、選ぶ権利がある。
「誰に」じゃなくて、「どう見せるか」こそが主導権やと。
でも、
ある夜ふと気づいてしまった。
「この人に見てほしい」
そう思ってしまった自分に。
それは、彼が送ってきた音声のあとやった。
何も指示してこない。
ただ、こんなふうに言っただけ。
「今夜のナナ、どんな顔してるんやろな」
「……ちょっとだけ、見たいかも」
たったそれだけ。
命令でも期待でもない。
でもその一言が、
わたしの“見せたがり”を、静かに点火してしまった。
その夜、
私は配信を“予定よりも”早く始めた。
メイクも、服も、声も、
どこかいつもより気合が入ってた。
もちろん言わなかった。
「誰に見せたいか」なんて。
でも、画面の向こうに彼がいるかもしれないって思うだけで、
表情が、
吐息が、
どこか“整って”いってしまった。
そして配信後、彼からのメッセージ。
「今日のナナ、
“見てほしい人”に向けて動いてたな」
……ばれてた。
どうして、そんなことまでわかるん。
顔は映してないくせに、
私の顔の“意図”を読み取る。
そのとき気づいた。
わたしが「この人に見せたい」って思った瞬間に、
もうその人に、心を握られてたんやって。
自分で選んでるつもりでも、
選ばされた側が、
一番深く“従ってる”。
それが、いちばん恥ずかしかった。
そして何より──
その恥ずかしさに、
身体が少し、疼いてしまったこと。
それがもう、何よりの“負け”やった。
私が決める。
ずっと、そう思ってた。
見せる側には、選ぶ権利がある。
「誰に」じゃなくて、「どう見せるか」こそが主導権やと。
でも、
ある夜ふと気づいてしまった。
「この人に見てほしい」
そう思ってしまった自分に。
それは、彼が送ってきた音声のあとやった。
何も指示してこない。
ただ、こんなふうに言っただけ。
「今夜のナナ、どんな顔してるんやろな」
「……ちょっとだけ、見たいかも」
たったそれだけ。
命令でも期待でもない。
でもその一言が、
わたしの“見せたがり”を、静かに点火してしまった。
その夜、
私は配信を“予定よりも”早く始めた。
メイクも、服も、声も、
どこかいつもより気合が入ってた。
もちろん言わなかった。
「誰に見せたいか」なんて。
でも、画面の向こうに彼がいるかもしれないって思うだけで、
表情が、
吐息が、
どこか“整って”いってしまった。
そして配信後、彼からのメッセージ。
「今日のナナ、
“見てほしい人”に向けて動いてたな」
……ばれてた。
どうして、そんなことまでわかるん。
顔は映してないくせに、
私の顔の“意図”を読み取る。
そのとき気づいた。
わたしが「この人に見せたい」って思った瞬間に、
もうその人に、心を握られてたんやって。
自分で選んでるつもりでも、
選ばされた側が、
一番深く“従ってる”。
それが、いちばん恥ずかしかった。
そして何より──
その恥ずかしさに、
身体が少し、疼いてしまったこと。
それがもう、何よりの“負け”やった。
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