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【第36話】 『“全部見てほしいわけちゃうけど、今の私は見てほしかった”って言い訳してた』
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──全部じゃない。
全部なんか、見せたくない。
でも──
“今の私”だけは、
どうしても、見てほしかった。
喉の奥が、
ずっと鳴ってた。
呼吸をしてるだけで、
奥の筋肉がピクピクって動くのがわかった。
手は、膝の上。
そのまま、少しだけ。
ほんの数センチだけ、
スカートの裾を持ち上げた。
「……ナナ、
それ、自分で見せてるんやで?」
彼の声は低くて、やわらかくて、
でも、突き刺さるように鋭かった。
わかってる。
ほんまは全部わかってる。
わたしは、
見せられてるんじゃない。
見せてる側の女になってしまってるってことを。
「見てほしかったん?」
って聞かれて、
うなずくこともできへんかった。
でもスカートの裾は、
もう元には戻せなかった。
“ここまで持ち上げた”っていう事実が、
身体から離れてくれなかった。
「全部は見せてないから、
って思ってるやろ?」
図星すぎて、
息が止まった。
「でもそれって──
“全部じゃないけど見せてる”ってことやねんで?」
その言葉が、
心じゃなくて、
下腹部に響いた。
わたしは、
“見られたがってる女”じゃなかったはずやのに。
今の私は、
たしかに、
“この姿だけは見てほしい”って女になってた。
それを、
「見せたくなかった」とは、
もう言えなかった。
全部なんか、見せたくない。
でも──
“今の私”だけは、
どうしても、見てほしかった。
喉の奥が、
ずっと鳴ってた。
呼吸をしてるだけで、
奥の筋肉がピクピクって動くのがわかった。
手は、膝の上。
そのまま、少しだけ。
ほんの数センチだけ、
スカートの裾を持ち上げた。
「……ナナ、
それ、自分で見せてるんやで?」
彼の声は低くて、やわらかくて、
でも、突き刺さるように鋭かった。
わかってる。
ほんまは全部わかってる。
わたしは、
見せられてるんじゃない。
見せてる側の女になってしまってるってことを。
「見てほしかったん?」
って聞かれて、
うなずくこともできへんかった。
でもスカートの裾は、
もう元には戻せなかった。
“ここまで持ち上げた”っていう事実が、
身体から離れてくれなかった。
「全部は見せてないから、
って思ってるやろ?」
図星すぎて、
息が止まった。
「でもそれって──
“全部じゃないけど見せてる”ってことやねんで?」
その言葉が、
心じゃなくて、
下腹部に響いた。
わたしは、
“見られたがってる女”じゃなかったはずやのに。
今の私は、
たしかに、
“この姿だけは見てほしい”って女になってた。
それを、
「見せたくなかった」とは、
もう言えなかった。
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