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股間のバナナに裏切られたのでパンツを履いた
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よくある話だ。朝、目覚めたら股間のバナナが、エレクトしていたんだ。これは健康な成人男性なら、本当によくある話だ。
だけど、そのバナナが知らない尻にインしていた場合の対処法を求む。
「どうしてだ? どうしてだ?」
目覚めて最初に感じた違和感が下半身だった。下半身、特に俺のエレクトしたバナナが、何か柔らかきものに挟まれ、ぐちゅぬる、ぬぽぬぽしていて気持ちが良い。
思わず腰を使ってしまった。
ぬぷちゅ・・・・
おっふ、いやらしい音がするなあ。
「────んふ、ぅぅ……」
いやらしい声もするなあ。誰の声だろう。
しばらくその音たちを楽しんで、せっかく目覚めたのにまた目を瞑った。
ぐーぐー・・・・
で、本格的に起きた時にはベッドに誰もいなかった。
ベッドの端に座ってボーと黙考する。
あれは誰だったのだろう気持ち良かった。股間のバナナも悦んでいた。
視界に映ったのは美しく綺麗な艶髪で、その髪の持ち主を背後から抱えて股間のバナナを押し付けていた俺は……バナナ。うん、バナナだったな、ただのバナナ。考える力なんか失っていた。
股間のバナナは俺という理性を失い、艶髪の男を犯していたのだろう。
…………犯罪じゃね?
勝手に尻を拝借してオナニるとか、犯罪以外のなにものでもなくね?
ど、どどどどどうしてこんなことになっているのだ?!
昨夜の記憶がないんだが、誰が俺の記憶を盗んで行ったのだろうか?!
この裏切り者のバナナめ!
そうだ裏切り者だこのバナナは。勝手に大きくなって気持ちの良い孔に潜り込んでいたのだ。これは俺の理性では良しとするところではない。昨夜の俺とバナナは連動していなかったのだ。だからこそ裏切りに遭った。
バナナめ……股間の、バナナめ……この節操無し!
詰ることで何かが変わるわけもない。こうなったからにはバナナの責任を取らねばならない。俺は俺であって、バナナはバナナなのだが、バナナは俺の一部でもあるので責任の所在は俺にあるんだ。
裏切り者の不始末は、ちゃんとしないとな。
俺はまた数分ほど考えて────。
それから、パンツを探した。
パンツは裏切っていなかった。健気にも俺の足先に絡んでいたのだ。
パンツ下げただけでバナナをインしたのか昨夜の俺は……。
どれだけせっかちだったのか分かる所業だ。
やはりバナナが裏切り者だな。パンツはそれを止めようとしたに違いない。
『ダメだよバナナ! 本能に理性を委ねてはいけない!』
だがバナナは勝手に盛り上がってしまい時すでに遅し。
『臆病者パンツはそこで見ていろ。ここまでエレクトしてしまったのだ。もう後には引けぬ!』
『待って、バナナ、バナナーーっ!』
アーッ
……可哀相なパンツだ。あんなに必死に止めたのに、バナナは裏切って艶髪の男の尻にインしてしまった。
俺はパンツを想う。
その時ふと、艶髪の男の顔が思い浮かんだ。そいつは馴染のある顔で、俺がここに帰って来たら、いつも最初に会うやつだ。
昨夜もきっと、会って取引の話して、夜も遅くなっていたし一緒に寝たんだろう。
「なんだ。いつもの行動だった」
ただ、バナナが裏切ってインしたのは初めてだ。後で謝りに行こう。いや、今直ぐに謝った方がいいな。
あいつは髪ばかりでなく顔も美人で綺麗だけど、気性が激しいのだ。そういうところが可愛いと常々思っていた。
ついでに花を持って行こう。彼に似合う花は気高く品位あるものだな。
すらりとした身丈と長髪に形の良い耳、瑞々しい唇と蠱惑的な瞳の彼の姿を思い出していたら、また股間のバナナが裏切り出したので、そっとパンツで覆い隠した。
【完】
だけど、そのバナナが知らない尻にインしていた場合の対処法を求む。
「どうしてだ? どうしてだ?」
目覚めて最初に感じた違和感が下半身だった。下半身、特に俺のエレクトしたバナナが、何か柔らかきものに挟まれ、ぐちゅぬる、ぬぽぬぽしていて気持ちが良い。
思わず腰を使ってしまった。
ぬぷちゅ・・・・
おっふ、いやらしい音がするなあ。
「────んふ、ぅぅ……」
いやらしい声もするなあ。誰の声だろう。
しばらくその音たちを楽しんで、せっかく目覚めたのにまた目を瞑った。
ぐーぐー・・・・
で、本格的に起きた時にはベッドに誰もいなかった。
ベッドの端に座ってボーと黙考する。
あれは誰だったのだろう気持ち良かった。股間のバナナも悦んでいた。
視界に映ったのは美しく綺麗な艶髪で、その髪の持ち主を背後から抱えて股間のバナナを押し付けていた俺は……バナナ。うん、バナナだったな、ただのバナナ。考える力なんか失っていた。
股間のバナナは俺という理性を失い、艶髪の男を犯していたのだろう。
…………犯罪じゃね?
勝手に尻を拝借してオナニるとか、犯罪以外のなにものでもなくね?
ど、どどどどどうしてこんなことになっているのだ?!
昨夜の記憶がないんだが、誰が俺の記憶を盗んで行ったのだろうか?!
この裏切り者のバナナめ!
そうだ裏切り者だこのバナナは。勝手に大きくなって気持ちの良い孔に潜り込んでいたのだ。これは俺の理性では良しとするところではない。昨夜の俺とバナナは連動していなかったのだ。だからこそ裏切りに遭った。
バナナめ……股間の、バナナめ……この節操無し!
詰ることで何かが変わるわけもない。こうなったからにはバナナの責任を取らねばならない。俺は俺であって、バナナはバナナなのだが、バナナは俺の一部でもあるので責任の所在は俺にあるんだ。
裏切り者の不始末は、ちゃんとしないとな。
俺はまた数分ほど考えて────。
それから、パンツを探した。
パンツは裏切っていなかった。健気にも俺の足先に絡んでいたのだ。
パンツ下げただけでバナナをインしたのか昨夜の俺は……。
どれだけせっかちだったのか分かる所業だ。
やはりバナナが裏切り者だな。パンツはそれを止めようとしたに違いない。
『ダメだよバナナ! 本能に理性を委ねてはいけない!』
だがバナナは勝手に盛り上がってしまい時すでに遅し。
『臆病者パンツはそこで見ていろ。ここまでエレクトしてしまったのだ。もう後には引けぬ!』
『待って、バナナ、バナナーーっ!』
アーッ
……可哀相なパンツだ。あんなに必死に止めたのに、バナナは裏切って艶髪の男の尻にインしてしまった。
俺はパンツを想う。
その時ふと、艶髪の男の顔が思い浮かんだ。そいつは馴染のある顔で、俺がここに帰って来たら、いつも最初に会うやつだ。
昨夜もきっと、会って取引の話して、夜も遅くなっていたし一緒に寝たんだろう。
「なんだ。いつもの行動だった」
ただ、バナナが裏切ってインしたのは初めてだ。後で謝りに行こう。いや、今直ぐに謝った方がいいな。
あいつは髪ばかりでなく顔も美人で綺麗だけど、気性が激しいのだ。そういうところが可愛いと常々思っていた。
ついでに花を持って行こう。彼に似合う花は気高く品位あるものだな。
すらりとした身丈と長髪に形の良い耳、瑞々しい唇と蠱惑的な瞳の彼の姿を思い出していたら、また股間のバナナが裏切り出したので、そっとパンツで覆い隠した。
【完】
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何というか趣深いお話でした。
うん、バナナが全部悪いね(笑)
パンツ界の、わびさびを感じていただけたら本望です。
あいつ裏切り者だからな(笑)
ご感想ありがとうございましたー!バーナーナー