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表情には出さないもののサフィールの動揺をエミーリアは感じ取った。だから、安心して記録してもらう為に微笑を浮かべ、小さく頷いたのだった。
アルフレドが言ったようにエミーリアはもう十年以上王子妃教育をこの王城の中で受け続けてきた。内容は王子妃教育だけに留まらず、本来アルフレドが成すべきことも含めて。
かと言って、アルフレドに王子教育を熟すことが出来なかったという訳ではない。一通りは習っている。しかし、我が子可愛さに父である王はより厳しい教育をエミーリアにさせたのだった。
何故ならアルフレドは王が愛する第二妃の子だからだ。王はアルフレドを次の王にする為に同世代の娘の中で最も爵位が高く権力のある侯爵家の長女であるエミーリアに白羽の矢を立てた。
第二妃は元々子爵家の娘。王に嫁ぐ為に伯爵家に一度養子には入ったが、実家も養子先も後ろ盾には程遠い。
アルフレドには無理を強いず、配偶者となるエミーリアを他の令嬢の追随を許さない程に完璧にすることで盤石な体制を築こうとしたのだ。
父である侯爵にとってエミーリアは完全な政治の駒だった。第一夫人として迎えた隣国の公爵家の娘が産んだのだから。そして、母である第一夫人はエミーリアを産むと、嫁ぐ時に共にやって来た護衛騎士と領地にある邸に移り住んだ。エミーリアを乳母達に任せて。
しかし、父は母の行いに何も言わなかった。これが二人の契約だったからだ。子をなした後はお互い関わりを持たないというのが。
父としても出ていった方が都合が良かった。爵位が低く第一夫人として迎えられない一代限り男爵の娘を同時に娶っていたからだ。
何方もどっちだったのだ。
何故なら、母は本国では浮気がばれて婚約話が流れた傷物令嬢。しかも甘やかされて育ったせいで、頑として浮気相手のこの国に連れてきた騎士を諦めることはなかった。
それが故に、最終的に父との結婚に首を縦に振ったのだった。結婚という契約を受け入れ、その見返りを得たのだ。
契約の為とはいえ、騎士との未来の為にいやいや足を開いて父を受け入れ、その結果生まれたエミーリアに母は愛情など一欠片も持てなかった。だから一度も乳を与えることなく、捨てることが平然と出来たのだろう。
そんなエミーリアを王家が望んだ時、父は二つ返事で受け入れた。しかも、王家の望むようにとエミーリアの身を直ぐに王城へと送り出したのだ。
立派に政治の駒となり、五歳で邸からいなくなったエミーリア。
別れた時に四歳、二歳、一歳だった腹違いの妹も弟も、自分達に姉がいたことなどもう覚えていないだろう。
いつか、サフィールが記録している公式文書を目にした時に、自分達と同じ家名の人間だと思う程度で良いとエミーリアは思った。
この後、アフルレドはエミーリアが待ち望む言葉を言うはずだ。言わなければ、言わせるだけ。
アルフレドが言ったようにエミーリアはもう十年以上王子妃教育をこの王城の中で受け続けてきた。内容は王子妃教育だけに留まらず、本来アルフレドが成すべきことも含めて。
かと言って、アルフレドに王子教育を熟すことが出来なかったという訳ではない。一通りは習っている。しかし、我が子可愛さに父である王はより厳しい教育をエミーリアにさせたのだった。
何故ならアルフレドは王が愛する第二妃の子だからだ。王はアルフレドを次の王にする為に同世代の娘の中で最も爵位が高く権力のある侯爵家の長女であるエミーリアに白羽の矢を立てた。
第二妃は元々子爵家の娘。王に嫁ぐ為に伯爵家に一度養子には入ったが、実家も養子先も後ろ盾には程遠い。
アルフレドには無理を強いず、配偶者となるエミーリアを他の令嬢の追随を許さない程に完璧にすることで盤石な体制を築こうとしたのだ。
父である侯爵にとってエミーリアは完全な政治の駒だった。第一夫人として迎えた隣国の公爵家の娘が産んだのだから。そして、母である第一夫人はエミーリアを産むと、嫁ぐ時に共にやって来た護衛騎士と領地にある邸に移り住んだ。エミーリアを乳母達に任せて。
しかし、父は母の行いに何も言わなかった。これが二人の契約だったからだ。子をなした後はお互い関わりを持たないというのが。
父としても出ていった方が都合が良かった。爵位が低く第一夫人として迎えられない一代限り男爵の娘を同時に娶っていたからだ。
何方もどっちだったのだ。
何故なら、母は本国では浮気がばれて婚約話が流れた傷物令嬢。しかも甘やかされて育ったせいで、頑として浮気相手のこの国に連れてきた騎士を諦めることはなかった。
それが故に、最終的に父との結婚に首を縦に振ったのだった。結婚という契約を受け入れ、その見返りを得たのだ。
契約の為とはいえ、騎士との未来の為にいやいや足を開いて父を受け入れ、その結果生まれたエミーリアに母は愛情など一欠片も持てなかった。だから一度も乳を与えることなく、捨てることが平然と出来たのだろう。
そんなエミーリアを王家が望んだ時、父は二つ返事で受け入れた。しかも、王家の望むようにとエミーリアの身を直ぐに王城へと送り出したのだ。
立派に政治の駒となり、五歳で邸からいなくなったエミーリア。
別れた時に四歳、二歳、一歳だった腹違いの妹も弟も、自分達に姉がいたことなどもう覚えていないだろう。
いつか、サフィールが記録している公式文書を目にした時に、自分達と同じ家名の人間だと思う程度で良いとエミーリアは思った。
この後、アフルレドはエミーリアが待ち望む言葉を言うはずだ。言わなければ、言わせるだけ。
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