どうかあなたが

五十嵐

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2 スケジュール調整

「明日からの予定を大幅に変更する。調整を」
会話は必要最小限。上司として仕事を依頼するだけだ。

恭祐がかおるのプライベートに立ち入ることはない。いままでも、これからも。
だから、退社の確認さえ終われば昨日までと同じ時間がやって来る。
かおるとて同じ。何の関心も持たれていない自分の話が続くよりは、こうして仕事のメモを渡される方が数倍気楽だった。
ただ、渡されたメモ書きにかおるは目を見張らずにはいられなかった。確かに恭祐は『大幅に』と言ったが…。
かおるの反応を気にかけることなど微塵もないであろう恭祐は、メモを渡した少しの時間も惜しいと言わんがばかりに仕事に戻った。

なぜこんなスケジュールを望むのか…ただでさえ忙しい毎日なのに。まるで二週間分を一週間に凝縮したようなハードなスケジュールを。
それでも恭祐の指示は絶対。ミーティングは全て時間内に終わることなど当然で、更には限られた時間内に重要な意思決定もしなくてはならない。その為に、参加者には議題の趣旨を的確に理解してもらい、提出資料は要点のみしっかりまとめてもらわなくては。
恭祐の意味する調整とは参加者の時間をおさえるだけでなく、ミーティング自体の内容と進捗も意味する。

更に、来週の火曜と水曜には計3箇所の取引先へ出向きたいようだ。恭祐が会いに行く、それは相手も忙しい立場の人間であることを意味している。
幸い、ターゲット達の秘書や秘書役を務めているアシスタントとは良い関係を築いているのでどうにか出来るだろう。
かおるは短時間でこれからの優先事項を決め動き始めた。
そんなかおるを恭祐が不機嫌そうな顔で眺めていることなど知らないで。
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