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「7月下旬まで、まだ3ヶ月以上もある。気が変わることもあるだろう」
「…そうかもしれませんね」
「とは言っても、引き継ぎも進めないとな。…矛盾しているけれど、これが会社という組織での現実ってとこだな。このあいだ人事から渡された候補者はこの三人。オレはこの5年目の小峯有生でいこうと考えたんだが、三上はどう思う?」
樹がかおるに話し掛けたのは引き止めが理由だけではなかった。新組織の中心人物としてイニシアチブを取っている樹にはかおるの後任選びという仕事もある。
そして、後任選びがこんな早くに行われているのにも理由があった。
かおると樹は、年が明けた頃から新組織立ち上げの為の打合せを二人で何度となく行った。最初は備品発注やら何やらの小さなことが、気付けば樹からの要求は日に日に大きくなっていったのだ。それに伴いかおるの役割も大きくなってしまった。
だからかおるは悩んだ。仕事が嫌だとか辛いというのではなく、途中で離れることに。自分の担う役割が大きくなる前に、心に決めたことを樹に話さなくてはいけないと感じたのだった。
そう、かおるはずっと心に決めていた、新組織が発足する前に会社を辞めようと。
退社意思は変わらないのだから早すぎるとは思ったが、2月の終わり、かおるはとうとう樹に夏ごろには退社するつもりであることを伝えた。新組織、ひいては恭祐に迷惑を掛けない為に、早目の申し出は正しい判断だろうと考えたのだ。
簡単に受け入れられるだろうと思ったかおるの意志を驚くことに樹は受け入れなかった。樹は仕事を一緒に進めるうちに、かおるの働きを高く評価するようになっていたのだ。
それからだ、樹がかおるに考え直すよう言葉を掛けるようになったのは。
けれどもかおるの意思は固かった。いや、チャンスを逃がすわけにはいかなかったのだ。
「…そうかもしれませんね」
「とは言っても、引き継ぎも進めないとな。…矛盾しているけれど、これが会社という組織での現実ってとこだな。このあいだ人事から渡された候補者はこの三人。オレはこの5年目の小峯有生でいこうと考えたんだが、三上はどう思う?」
樹がかおるに話し掛けたのは引き止めが理由だけではなかった。新組織の中心人物としてイニシアチブを取っている樹にはかおるの後任選びという仕事もある。
そして、後任選びがこんな早くに行われているのにも理由があった。
かおると樹は、年が明けた頃から新組織立ち上げの為の打合せを二人で何度となく行った。最初は備品発注やら何やらの小さなことが、気付けば樹からの要求は日に日に大きくなっていったのだ。それに伴いかおるの役割も大きくなってしまった。
だからかおるは悩んだ。仕事が嫌だとか辛いというのではなく、途中で離れることに。自分の担う役割が大きくなる前に、心に決めたことを樹に話さなくてはいけないと感じたのだった。
そう、かおるはずっと心に決めていた、新組織が発足する前に会社を辞めようと。
退社意思は変わらないのだから早すぎるとは思ったが、2月の終わり、かおるはとうとう樹に夏ごろには退社するつもりであることを伝えた。新組織、ひいては恭祐に迷惑を掛けない為に、早目の申し出は正しい判断だろうと考えたのだ。
簡単に受け入れられるだろうと思ったかおるの意志を驚くことに樹は受け入れなかった。樹は仕事を一緒に進めるうちに、かおるの働きを高く評価するようになっていたのだ。
それからだ、樹がかおるに考え直すよう言葉を掛けるようになったのは。
けれどもかおるの意思は固かった。いや、チャンスを逃がすわけにはいかなかったのだ。
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