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計画に修正は付きもの。
尤もな理由を付けてかおるの出張申請を通したことは計画通り。二人を除いて誰もが気に留めない完璧なものだった。
全員ではないのに、何故完璧なのか。答えは簡単。漠然とした何かを感じた二人には、そうであって欲しかったからだ。一人は樹、そしてもう一人こそかおるだった。
いつもは恭祐の出張手配はかおるが行う。それが、全て為された後での連絡。しかもかおるは出張理由を知らされないまま。さぞかし戸惑ったことだろう。あの時の視線を思い出すだけで恭祐の性的嗜好が満たされる程だ。
かおるが恭祐に手配する航空券はもしものことを考え、日付が変えられるもの。対して恭祐は、敢えて日付が一切変えられないFIXチケットで発券を依頼した。それは一週間以上常にかおると恭祐は傍にいることを意味する。しかもかおるにとって、知り合いがいない土地勘もない場所で。
そう、恭祐はかおるを入れていた鳥籠を別の場所に持ってきたのだ。出入り口を開けっ放しにしても、恭祐以外手を差し伸べない場所へ。外に出す時は、常に恭祐がその手でしっかり掴み握りしめられる場所へ。
全ては上手くいっている気がしていた。しかし、自らの策に恭祐は足を掬われた。
到着日の夕食で、恭祐の好みではないアルコール度数の低めなロゼを注文したのには訳がある。かおるがどれくらいアルコールに強いか知りたかったのだ。グラスを口へ運ぶ回数が少ない割には、顔にはすぐに赤みが差した。だからこそ、翌日の夕食には重口赤ワインの中でもアルコール度数の高いものを選んだ。回れば足取りが覚束なくなると予想して。
ところが、それまでの無理が祟ったのか仕掛ける側の恭祐に先にアルコールが回ってしまった。普段はいくら飲んでも問題ないというのに。そこからは久し振りの失敗に苛立つしかなかった。けれど何も出来ない。かおるに何か言うのも億劫で、不本意ながら体を預けずにはいられなかった。
かおるは先程まで体を弄られていた相手である恭祐を、必死に部屋へ送り届けようとする。だとしたら、行き着く先でかおるをそのままベッドに引きずり込めば予定したプランとは違えど結果は同じになると思ったところまでで恭祐の気力は尽きた。それ以前の問題に勃つのも難しかったはずだ。
次に目覚めた時は、実に都合の良い状態だった。かおるがベッドの横に座り寝息を立てていたのだ。蛾の火に赴くが如し、と言ったところだろう。そして、日々の仕事、長いフライト、慣れない出張、強めのワインとどれを取ってもかおるに負担を強いることばかりでちょっとやそっとのことでは起きそうになかった。
だから、恭祐は思ったのだ、畳み込むなら今しかないと。目を開けないこの状況を利用し、最高のお膳立てをして目覚めさせればいい。そう思うと、えも言われぬ興奮が恭祐の体を駆け抜ける。どんな時でもかおるは恭祐を楽しませてくれる存在だ。今更、易々と手放すだなんて出来る筈がない。
恭祐はタイミングを見計らい、かおるに体の重みをかけ起こした。ところが、ベッドに組み敷いたかおるは看病に来ただけでそんなつもりはなかったと綺麗事を並べた。おまけに怯える表情に涙まで流して。どこまでも狡猾な女だと恭祐は思わずにはいられなかった。
そこからは、最終的にどう変貌するのか、結局のところ腰を振って善がるのかじっくり楽しませてもらおうと思ったのに…
土台が狂うだけだった。計画の元となる潰すべき問題が最初から存在しなかったのだ。
それなのに、恭祐は既に修正を始めている。目的がより明確になった以上、効果的な手段を取るだけだ。
かおるに精を止めどなく注ぐという手段で羽を毟り取り、飛べなくすればいい。
余計な理由、理屈、纏わりつく全てを取り払えば簡単なこと、恭祐はかおるが欲しいのだ。
貪っていた口腔内から舌を引き抜き、唇を離し尋ねてみる
「かおるは誰のものだ。」
と。
尤もな理由を付けてかおるの出張申請を通したことは計画通り。二人を除いて誰もが気に留めない完璧なものだった。
全員ではないのに、何故完璧なのか。答えは簡単。漠然とした何かを感じた二人には、そうであって欲しかったからだ。一人は樹、そしてもう一人こそかおるだった。
いつもは恭祐の出張手配はかおるが行う。それが、全て為された後での連絡。しかもかおるは出張理由を知らされないまま。さぞかし戸惑ったことだろう。あの時の視線を思い出すだけで恭祐の性的嗜好が満たされる程だ。
かおるが恭祐に手配する航空券はもしものことを考え、日付が変えられるもの。対して恭祐は、敢えて日付が一切変えられないFIXチケットで発券を依頼した。それは一週間以上常にかおると恭祐は傍にいることを意味する。しかもかおるにとって、知り合いがいない土地勘もない場所で。
そう、恭祐はかおるを入れていた鳥籠を別の場所に持ってきたのだ。出入り口を開けっ放しにしても、恭祐以外手を差し伸べない場所へ。外に出す時は、常に恭祐がその手でしっかり掴み握りしめられる場所へ。
全ては上手くいっている気がしていた。しかし、自らの策に恭祐は足を掬われた。
到着日の夕食で、恭祐の好みではないアルコール度数の低めなロゼを注文したのには訳がある。かおるがどれくらいアルコールに強いか知りたかったのだ。グラスを口へ運ぶ回数が少ない割には、顔にはすぐに赤みが差した。だからこそ、翌日の夕食には重口赤ワインの中でもアルコール度数の高いものを選んだ。回れば足取りが覚束なくなると予想して。
ところが、それまでの無理が祟ったのか仕掛ける側の恭祐に先にアルコールが回ってしまった。普段はいくら飲んでも問題ないというのに。そこからは久し振りの失敗に苛立つしかなかった。けれど何も出来ない。かおるに何か言うのも億劫で、不本意ながら体を預けずにはいられなかった。
かおるは先程まで体を弄られていた相手である恭祐を、必死に部屋へ送り届けようとする。だとしたら、行き着く先でかおるをそのままベッドに引きずり込めば予定したプランとは違えど結果は同じになると思ったところまでで恭祐の気力は尽きた。それ以前の問題に勃つのも難しかったはずだ。
次に目覚めた時は、実に都合の良い状態だった。かおるがベッドの横に座り寝息を立てていたのだ。蛾の火に赴くが如し、と言ったところだろう。そして、日々の仕事、長いフライト、慣れない出張、強めのワインとどれを取ってもかおるに負担を強いることばかりでちょっとやそっとのことでは起きそうになかった。
だから、恭祐は思ったのだ、畳み込むなら今しかないと。目を開けないこの状況を利用し、最高のお膳立てをして目覚めさせればいい。そう思うと、えも言われぬ興奮が恭祐の体を駆け抜ける。どんな時でもかおるは恭祐を楽しませてくれる存在だ。今更、易々と手放すだなんて出来る筈がない。
恭祐はタイミングを見計らい、かおるに体の重みをかけ起こした。ところが、ベッドに組み敷いたかおるは看病に来ただけでそんなつもりはなかったと綺麗事を並べた。おまけに怯える表情に涙まで流して。どこまでも狡猾な女だと恭祐は思わずにはいられなかった。
そこからは、最終的にどう変貌するのか、結局のところ腰を振って善がるのかじっくり楽しませてもらおうと思ったのに…
土台が狂うだけだった。計画の元となる潰すべき問題が最初から存在しなかったのだ。
それなのに、恭祐は既に修正を始めている。目的がより明確になった以上、効果的な手段を取るだけだ。
かおるに精を止めどなく注ぐという手段で羽を毟り取り、飛べなくすればいい。
余計な理由、理屈、纏わりつく全てを取り払えば簡単なこと、恭祐はかおるが欲しいのだ。
貪っていた口腔内から舌を引き抜き、唇を離し尋ねてみる
「かおるは誰のものだ。」
と。
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