金木犀の涙

星空凜音

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Histoire

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 肌寒い風が舞い上がる。

 寒さに負けじと、着込んだ着衣。

 鼻を掠めるのは、何メートルにも届く金木犀の香り。

 体が暖かくなっても、この季節が巡る度に、何処かで探している自分に乾いた笑いが漏れる。

 遠い昔の思いは、綺麗に想い出に変わると思っていた。

 いつか消えると、忘れられると信じていた。

 だが、実際は無理だと身を持って知った。

 もう会えないと分かっているのに、辛い時程蘇る。

 この心を誰かが知ったなら、女々しいと思われるかもしれない。

 誰かに言う気は無いが、消えないものは消えない。

 それは例え、恋人が居ても―――。


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