妖怪退治活劇絵巻 ~ようかい退治始めました~

ニジハイ

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第4話 さら蛇との対峙の巻(2)

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 二分ほど歩き体育館までやってきた。
 入り口まで靴を脱ごうとしたときだ。何か違和感 に気付く。
 おかしい。
 静か過ぎる。
 体育館中に目を向けるとそこには誰もいない。
 この時間は体育館を使用するクラスが無い。なんて筈はない。彩花のクラスが今体育館で授業をしている筈だ。彩花は体操服姿に着替えてたし、体育館シューズを持ってたからここで授業があると思う。
 もしかしたら急遽授業が変更になったのかな。
 頭の中では昨日のショッピングセンターの光景が蘇る。妖怪の姿が蘇る。何か胸騒ぎがする。
 靴も脱がずに土足のまま中に入ることにした。
 中に入っても、見えるところには誰もいない。見えないところは用具倉庫とステージの袖ぐらいだ。
 先に用具倉庫に向かう。
 用具倉庫にはスコアボードや卓球台、バスケットボールにバレーボー ル、マットに跳び箱と他社多様な用具が入っている為、かなり大きめに作られていて、横にスライドして開ける形状の目の前の扉もやっぱり大きい。
 普段、扉には南京錠が付いている筈なのに今は付いていない。
 取手に手をかけ、開けようと力を入れる。
 ……開かない。
 おかしい。なぜ開かないんだろう。鍵も何も掛かっていないのに。

(……たす、けて)

 空耳かと疑うような、あまりにも小さな声が聞こえた。

「誰かいるの?」

 …………。

 僕の声に返事は返ってこない。
 声が聞こえたのは扉からじゃなくて、か細い声だけど、頭に直接響いたような気がした。
 聞こえた場所はともかく、状況から見て、目の前の倉庫が怪しい。たぶんそうに違いない。
 慌てて 取手を掴み、スライドさせようとさっきよりも力を入れる。それなのに扉は開かない。

(こんなに重たかったかな?)

 今度はもっと思いっきり力を込めてみた。
 それでも扉はびくともしない。鍵が掛かっているような感じじゃなかった。一ミリたりとも動かず、その場、その空間に固定されているような、不思議な感覚だ。

(何で開かないんだろうか?)

 辺りを見回すと、隅に消火器が設置してあった。消火器を手に再び扉の前に来て、大きく振りかぶり、ぶつける!
 扉は壊れることもなく、ぶつけた衝撃で思わず消火器ごと後ろに転けてしまった。
 立ち上がり、再び消火器を打ちつける。二回、三回と、何度も打ちつける。
 誰かに見られでもしたら、自宅謹慎、最悪退学の可能 性もある。
 それでも、僕は打ちつける。誰かが中に居て閉じ込められていると思う。早く助けなきゃ。先生を呼びに行く手段もあるかもしれなけど、そんなことをしていたら手遅れになるような、そんな気がしてならない。
 二十回ぐらいは打ちつけただろうか。ここまでやっても扉は来たときから何一つ変わらない。

「くっそ、何なんだよ」

 思わず悪態が零れる。
 こうなったらダメ元だ。勢いよく扉に体当たりしてみた。
 体が扉にぶつかる瞬間、体と扉の境目で青白く発光した。そのまま体がすぅっと扉をすり抜けていく。
 すり抜けた先で、体当たりの勢いが残ったまま、踏ん張りきれずに前のめりに倒れてしまった。
 体を起こしながら、正面を見ると……。

『ダレダ!?  ケッカイ、ハイッテキタノハ』

 少し離れたところに二十代に見える女性がいた。
 その女性のへそから下は蛇の身体をしており、女性に見えるのは上半身と顔だけだ。
 胸の膨らみは鱗に覆われ、腕にも鱗があり、爪先は鋭く長い。蛇のような胴体は床まで続き、床を這うようにして六メートル程伸びたところから先細り、尻尾になっている。
 蛇の身体をした女性、いや、蛇の姿をした妖怪の近くには男性と女性が一人づつ横たわっている。
 男性は隆で、女性は渡辺さんだ。

「隆! 渡辺さん!」

 二人に声をかける。が、返ってきたのは弱々しい声だった。

「雪那か、逃げ、ろ」

 隆は顔を上げるも、顔を上げるだけで精一杯みたいだ。渡辺さんはぐったりとしていて、意識がある のかさえもわからない。

『ワタシノ、ケッカイ、テリトリー、ナゼハイレル?』

 結界があって、普通は入れないってことかな?
 それで扉を壊そうと思ってもビクともしなかったのか。
 でも、何で入れたのかは、僕にもわからない。

「知らないよ」

『シラナイダト?』

 蛇の身体をした女性の妖怪、蛇女は短く呟いた。
 結界のことよりも気になることがある!

「隆達に何をした!?」

「毒か、何か……、みたいだ……」

 蛇女ではなく、隆が、腹ばいで首を上げたまま答えた。

『ワタシノ、ドク、ニンゲンゴトキガ、アラガエマイ』

 蛇女はいやらしい笑みを浮かべながら、片言で自負する。
 どうやら隆達は蛇女の毒のせいで体を動かせないみたいだ。全く反応もし ない渡辺さんが気になる。隆よりも先に毒が回っているのだろうか?
 渡辺さんに駆け寄ろうと一歩前に出ると、僕の目の前に蛇女の尻尾がピシャリと地面に打ち付けられた。

『エモノ、ノガサナイ、ツギオマエ』

「邪魔しないでよ!」

『ニンゲンガ、イキガルナ』

 今度は言葉通り、獲物を狙う目つきに変わった。睨むようなその目つきは威圧感があり、睨まれているだけで嫌な汗が出てくる。
 正直言って怖くて、逃げ出したい。怖くて、足が震るけど、それでも、二人をここから救出するまでは逃げるわけにはいかないんだ。
 たとえ、隆が敵わないような相手でも、それでも、逃げずに、今度は僕が蛇女を睨み返してやる。
 今の僕にはこれがあるんだ。
 ろくろ首のときは違う。 あのときは何も出来なかったけど、今は戦う為の武器がある。
 右手を前に出し、『贋神器』の出現を祈るようにしてイメージした。
 『贋神器』、頼む、出てきてくれ!
 右手に青白い光が生まれ、光が刀の形を作り、光が消えると『贋神器』が出現した。
 出現した刀を両手で持ち、剣道で見るような、真正面で対峙する形で構えをとる。隆の構えの見よう見まねだ。

『キサマモ、ニセモノツカイカ?』

 偽物使い? 『贋神器』は『神器』を真似て作ったと聞いているけど、それで偽物呼ばわりしてるのかな。

「それがどうしたっていうんだ」

 偽物だからって、武器には変わらない。刀を振り上げながら走り、蛇女に斬りかかろうとした、そのとき。
 鞭のようにしならせた尻尾が 僕の胸に食い込んだ。

「がはっ」

 水平方向に払われた尻尾が、いとも簡単に僕を吹き飛ばす。斜め後ろにあった壁に背中からぶつかり、そのまま床に尻餅をついてしまった。
 胸と背中に受けた衝撃で、一瞬気を失いそうになりかけたけど、必死で意識を保った。

「ごほっ、えはっ」

 意識は保てたけど、呼吸が上手く出来ず咽せてしまう。
 尻尾の動きが早過ぎて、良く見えなかった……。勝てる気がしない……。あんなのどうやって反応すればいいんだ……。

「それでも……」

 それでも、どうにかして二人を助け出さなきゃ。蛇女に勝てなくてもいい。二人を連れて逃げればいいだけなんだ。
 けっこう難しい気がする。せめて、もう一人いれば、僕が囮になって、その間に誰かが 二人を助けてくれればいいだけなんだけど。
 立ち上がり、刀をもう一度構える。
 ろくろ首と同じ様に、蛇女の口が耳元までパックリと開いた。
 口の中からは先端が二つに割れた長い舌が姿を現す。
 上あごには著しく発達した二本の犬歯があり、牙みたいになっている。その牙の先から緑色の液体が垂れ、地面に落ちた。

『リカイニクルシム、ムダトシレ』

 床をもの凄い勢いで這いずり、僕の目の前で長く鋭い爪が振り下ろされた。
 刀でその爪の一撃を防ぐと、そのまま蛇女は左肩に噛み付いてきた。

「いっ!!」

 突き刺ささった牙を振り解こうと、刀を持ったまま、押しのけるようにして力を込める。僕の腕力では全然押しのけることが出来ない。焦って、ジタバタ藻掻いて も離れようとしない。

「く、っそ!」

 今度は刀を突き刺そうと蛇女に体に向けて突き出す。
 刀が迫るのを察知したのか、肩から牙を抜き、後ろに上半身を反らして躱された。蛇女は這いずって僕から少し距離を空けた。
 距離を空けたまま、尻尾を勢いよく振り、右腕に衝撃を受ける。衝撃と同時に数メートル吹き飛び、左肩から壁にぶつかってしまった。
 ぶつかると、そのまま壁に背中を預けた状態になってしまう。立ち上がろうと足に力を入れようにも、子羊のようにプルプルと震えて、また尻餅を着くようにして座ってしまう。
 おかしい! 足に力が入らない。足だけじゃない、腕を地面に着けて勢いをつけようにも、腕にも力が入らない。

『ドクガマワッタヨウダナ、ソノママシ ンデイケ』

 蛇女は醜く顔を歪めると、渡辺さんの方に近寄っていく。
 渡辺さんの側に来ると、尻尾で渡辺さんの右足を掴み、持ち上げた。
 逆さに宙づりにされた渡辺さんは、地面から頭まで二メートル程の高さまで持ち上げられる。
 重力に従ってスカートが捲れてしまっているけど、スカートを手で引っ張って隠そうともしない。
 両手はぶらりと、バンザイする形で地面に向かって垂れている。
 掴まれていない方の足は膝が曲がった状態でぷらぷらとしていて、体に力が入っていないことが窺える。
 水色のボーダーが入ったパンツが丸見えになっているにも関わらず、渡辺さんは目をとろんと少しだけ開いたまま、暴れようともしない。

『クルシム、ヒョウジョウ、スバラシイ 』

 苦しんでいる表情を見るのが素晴らしいとでも言いたいのだろうか。

「……、っ……」

 声にならない声を発しながら、必死に呼吸をしようと魚のように口をぱくぱくとさせている。
 渡辺さんは、毒によって、呼吸もままならなくなっているのかもしれない。
 虚ろになった目からは、僕の方を向いたまま涙が滲み出ている。

『セイニ、シガミツク、タマラナイ』

 渡辺さんを尻尾で吊したまま、蛇女が恍惚の表情を浮かべる。

『ミットモナイ、カオダ』

 この妖怪は、僕達人間を、隆や渡辺さんを、苦しめ、そして楽しんでいる。いたぶるようなことをして。じわじわと死んでいくのを楽しんでいる。
 違う。必死に生きようと藻掻く人をからかって楽しんでいる。どうせ死ぬの に、みっともなく藻掻いて何やってるんだ。そう言いたいんだろうか。この妖怪は。

「……んな」

『ナニカ、イッタカ?』

 蛇女が聞き返す。

「……けんな」

『ケンナ?』

 また聞き返す。

「ふざけんなあぁ!!!!」

 僕はあらん限りの大声で叫んだ。

『バカナ!? ワタシノドク、ウケテモタチアガル、アリナイ』

 刀を強く握り直し、蛇女に向かって突進する。
 斜め上から振り下ろした刀は蛇女の左肩を掠めた。
 蛇女は後ろに仰け反るようにして躱すが、躱し切れず、ぱっくりと裂けるようにして切り傷が出来た。

『キサマ!』

 蛇女は怒り狂うように、鋭い爪を横に振った。
 咄嗟に屈んで爪を躱し、体に引き寄せた右腕を勢いよく突き上げて、アッパーの要 領で掌底を放った。
 蛇女の顎にヒットし、蛇女がよろける。

(何故だろうか? 身体が上手いこと動いてくれた)

 渡辺さんを掴んでいた尻尾が緩み、渡辺さんの体が落下する。

「危ない!」

 渡辺さんの落下地点目掛けて飛び込む。
 渡辺さんを抱きかかえるようにしてキャッチして、少しでも衝撃を与えないように、くるりと体を反転させた。
 背中から地面に体を打ち付けてしまい、一瞬息が詰まる。
 渡辺さんを見ると、か細い呼吸音が聞こえ、苦しそうだけど、どうにか呼吸はしているようだ。
 よかった。
 少し安心してしまったけれども、時間が無いのには変わりない。すぐにでも手当なり、毒の抽出か解毒をしない限り、そのうち呼吸が止まり、息を引き取ってしまう んじゃないかと思う。それほどまでに渡辺さんが弱りきって見える。

『キ、キサマ、コロス』

 蛇女は体勢を立て直すと、頭に血が上ったのか、目を真っ赤にして睨み付けてくる。
 そんなもんでビビってたまるかよ。
 渡辺さんを抱えたまま、上体を起こし、睨み返してやる。

「僕を殺しても、渡辺さんは殺させないからな」

 この子だけでも守ってみせる。僕はどうなっても構わないけど、この子だけでも。

(出会って二日目だけど、何故かそんな言葉が浮かんだ)

 渡辺さんを床に置いて、足に力を入れる。
 毒のせいなのか、怖いからなのか分からないけど、膝がガクガク震える。
 それでも強く自分の身体に命令する。立て、立て、僕の足立てよ! と、念じて、どうにか立ち 上がってみせた。

「うおおおおおおおおお!」

 刀を強く握り、振り下ろす。
 キィィィンン!!
 蛇女の爪で受け止められてしまった。
 それでも力を入れて押し込む。

「うぅぅぅおおぉぉぉぉぉぉ!」

 蛇女の爪が折れ、刀が腹部を切り裂いた。

『グガァァァァァ』

 蛇女は仰け反ると、尻尾を横に振り、僕の体に打ち込んできた。
 躱すことも出来ず、体を尻尾で叩かれ、簡単に横に吹き飛ばされてしまった。
 蛇女の腹部から赤い液体が滴っているけど、どうみても浅い。

(くっそ、力が欲しい、『贋神器』を手に入れてもこの程度なのかよ僕は……)

 蛇女が僕に近づいてくる。

『ワタシニキズヲ、ツケルトハ……、ダガモウオワリダ』

 蛇女が、爪が折れてい ない方の腕を振り上げる。
 トスッ!
 その腕に青く光る矢が突き刺さった。
 トスッ! トスッ!
 今度は胸部と、尻尾に一本づつ刺さる。

『グギャァ、ダレダ!?』

 蛇音が呻きながら、扉に顔を向ける。
 僕もその先に向けると、見知った顔があった。

「何、やられてんのよ」

 戸部さんが弓を構えて立っていた。

「戸部さん!」

「藤原は仕方無いとして、何で坂田までやられてんの?」

 釈然としない顔で隆に声をかける。

(僕は仕方無いんだ……、でも戸部さんが来たからには安心だ)

「うるせぇ、こいつ、以外と強いんだよ」

 横になったまま返事をする。

「この妖怪、さら蛇でしょ? Cランクの妖怪だからあん
た一人でも勝てる相手でしょ」

「渡辺 を守りながら戦うのは結構キツイんだよ」

「言い訳は後で聞くわ」

 そう言うと、矢を再び二本放ち、さら蛇の頭部に突き刺さり霧散した。

『グギィィ、キサマ』

 さら蛇はさらに怒り狂い、がむらしゃらに爪をブンブンと振りながら戸部さんに詰め寄る。

「全く、こんな妖怪に手こずるなんて、でもこれでお終いよ」

 弓を引き絞ったまま維持し、さら蛇に向けて溜める。
 青い光がさっきよりも濃い色に変化した。
 太く青白い線が、雷光のように光り、さら蛇の頭部に吸い込まれる。

『グギィィィィィィ』

 さら蛇は後ろにノックバックし、額には青白い矢が三本突き刺さっている。三本同時に放った矢は密着し、一本の太い矢に見える。
 三本合わさり、より青く強く輝いて いた矢が消滅し、それでもさら蛇はまだ立ったままだ。

『キィサマ、タダデハ、スマサン』

 まるで鬼の形相と化したさら蛇が戸部さんを睨み付けた。

「な、何で、まだ消えないのよ!?」

 今度は戸部さんが驚きを隠せないでいる。

「今のは、私の中でも最高の威力の筈よ?」

「だから、言ってんだろ、以外と強いって」

「以外とじゃわからないわよ!」

 さら蛇が尻尾をあらん限りの力で思いっきり振り、暴風のような風が起きたかと思うと、戸部さんが扉の横に叩き付けられていた。

「けほっ、けほっ、な、何よこいつ」

 弓を構えていた左腕をぶらんとさせて、口元からは血が垂れている。

「こいつ、強すぎでしょ?」

『キサマラ、ニンゲンガ、ワタシニカテルワケ、ナイ 』

 戸部さんでも敵わないなんて、それはマズイ。非常にマズイ。誰がこの妖怪を止めるんだ? それにこのままじゃ渡辺さんが手遅れになってしまう。早く解毒しないと、このままだとマズイ。頼む、誰か……
 戸部さんがもたれている壁の近くの扉に亀裂が入る。
 亀裂が大きくなり、扉が瓦解していく。

「何ですの、この軟弱な結界は、こんなモノでわたくしを止められると思ってますの?」

 吹き飛んだ扉からは、隆よりも大きな刀を両手で持った女の子が入って来た。さらさらした長い髪をなびかせて、胸がかなりふくよかな女の子だ。服装は同じ学校の制服で、襟元に付いた校章の色は僕達と同じ一年生の青色だ。

「あ、明日香お嬢、強引過ぎです。結界を解くには、それに伴った法術 をですね……」

 その子に続いて、色白の男が入って来た。長めの髪を七三分けにしており、大人しい印象を受ける。僕達と同じ制服に校章も同じく青色だ。

「そんな回りくどいことをしていては日が暮れてしまいます。《景光(かげみつ)》で壊した方が断然早いですわ」

 女の子が、青い光を放つ太刀を正面に構える。その太刀は僕や隆、戸部さんの『贋神器』のような青白い光じゃなくて、もっとはっきりとした青い色の、強い光を放っている。神々しいまでに綺麗な光に目を奪われそうになる。

「宮本、あんたが来るなんてね、癪だけど、助かったわ」

 戸部さんがほっとしたように女の子に声をかける。

「あら、戸部さんじゃないですか、あなたのその様は滑稽ですわね」

「ほんと、癪 だわ」

 戸部さんが若干苛ついた様子を見せる。

『キサマ、ワタシノケッカイヲ、コワシタダト、ソンナコトデキルハズガ……』

「こんな結界、あまりに脆すぎて物足りませんわ」

『ワタシヲ、グロウスルカ』

 さら蛇が先ほどにも増して怒りを顕わにした。眼光だけでチビりそうになるほどだ。只でさえ鋭く危険な爪が、先ほどよりも長くなり、振るうだけで体を真っ二つに切り裂けそうだ。

「そんな小さな爪、わたくしの『神器』、《景光(かげみつ)》には取るに足りませんわ」

 宮本さんの手には自身の身長近くもの長さの太刀を体の正面に構えた。その刀は長さだけじゃなくて幅も広く、女の子の体格にはそぐわない印象を受ける。

『マダグロウ、スルカ』

 さら蛇が腕を振り上 げ、直ぐさま振り下ろされる。
 鋭く、長い爪が、人の体を斜めに切り裂く。
 かと思ったら、宮本は落ち着いた様子で防いだ。太刀の腹を向けて爪を簡単に受け止めている。

「【清流の御心よ、その光を用いて、敵を縛れ】」

 色白の男が忍術でも使うか如く、右手の人差し指と中指を胸の前で立てて呟く。
 さら蛇はもう片方の腕を振り上げ、勢いよく下ろす。

「【捕縛紐(ほばくちゅう)】」

 色白男の指が青白く光り、さら蛇の腕が振り下ろされる途中で止まった。

『ナ、ナンダコレハ』

 さら蛇の腕には青白い光の紐(ひも)が巻き付いており、その先は地面に繋がっている。さら蛇が腕を動かそうにもびくともしない。

『ジャマダ、グヌゥ』

 紐が巻き付いていない方の 腕、宮本さんの太刀と押し合っている方の腕を振り上げ直し、大きく振りかぶって横に振る。

「そんなもの」

 宮本さんも大きく振り上げ、下ろす。宮本さんの太刀がさら蛇の腕を両断した。

『グギィィ』

 さら蛇が悲鳴を上げる。

『キサマァァ』

 尻尾を大きく鞭の様にしならせて宮本さんの体に迫る。
 太刀を床に突き刺し、体を太刀の腹に寄せると刀身が青く光り、尻尾の一撃を受け止める。
 青く光る太刀に触れた尻尾は刀に弾かれた。

「これでお終いですわ」

 太刀を床から引き抜き、水平に構える。刀身の光がより一層強くなっていく。
 さら蛇がここぞとばかりに口を大きく開き、宮本さんに首を伸ばす。毒の滴る牙が宮本さんの首に突き立てんとばかりに迫る。
  その瞬間、水平に構えた太刀から強烈な光が放たれたかと思うと、体を捻るようにして、凄い勢いで横に薙ぎ払われ、横一直線に青い線が奔る。

「【剛剣・雷軌一閃(ごうけん・らいきいっせん)】」

 雷のような轟音と光が水平に引かれ、やがて青く光る線が消えると、そこには上体と下半身に二つに分かれたさら蛇の姿があった。

『コ、コレガジンギノ、チカラダトイウノカ……』

 さら蛇の体から青白い光が放たれ、そして消滅した。
 僕達があんなにこてんぱんにされたのに、この子はいとも簡単に倒した。そんな、強すぎじゃないか、この子?

「わたくしに掛かればこんなものですわ」

 大きな刀が光と共に霧散した。

「ありがと。――悔しいけど、認めるわ。やっぱり強いわね、 宮本は」

「あなたに認められても嬉しくないですわ」

「あんたホントむかつくわね」

 戸部さんが苛ついた様子で宮本さんを睨む。

「明日香お嬢に、そんな言葉をかけないで下さいよ~。お嬢ももう少し人の気持ちを分かってあげて下さい」

 色白男が慌てて間に入る。

「碓井、あなたなら分かるっていうの? こんな弱い人達の気持ちが」

「勿論ですとも、私も弱者ですからね」

 碓井と呼ばれた色白男が大きく頷く。

「いや、あんたも失礼よ」

「そ、そうでしたか、それは申し訳ございません」

 碓井君が再び慌てて、戸部さんに頭を下げる。
 って、そんなやり取りを見ている場合じゃない!

「ねぇ、渡辺さんは大丈夫? さら蛇っていうのかな、さっきの妖怪の毒にやら れたんだけど助かるの?」

「そうだったわ、あんた、解毒薬持ってない?」

 戸部さんが宮本さんに尋ねる。

「持ってるわ、何があってもいいように、そういうのは常備していますわ」

「以外ね、そういうの持ち歩きそうにないのに」

「碓井、解毒薬をこの人達に」

「はっ」

 碓井君が返事をすると、背中のリュックを下ろし、ごそごそと手を突っ込む。

「そいうことね、あんたが持ち歩く筈ないものね」

 納得したような顔で戸部さんが頷く。

「失礼ですわね、弱者の貴方達を助けてあげようっていうのに、その言い方は無いですわ」

 一応、助けてくれるんだ。口は悪いけど、良い人という認識でよさそうだ。
 碓井君は緑色の液体の入った、試験管に似た薬瓶を取り出すと、 戸部さんの近くでしゃがみ込んだ。

「その毒々しい色した液体、本当に解毒薬?」

 どう見ても、その薬品自体が毒では無いかと疑ってしまうような色をしている。着色料をふんだんに使ったような色に思わず尋ねてしまった。

「通常は無色透明でわかりにくいので、着色料を用いてみました」

「あんたの趣味かい!」

 僕よりも早く隆が突っ込みを入れる。どうやらまだ元気は残っているようだ。上体だけお越して、僕達の方に向いて座っている。

「坂田、あんた、毒は大丈夫なの?」

 戸部さんが隆の心配をする。

「あん? そんなもん、自分の体で中和してやらぁ」

 なるほど、坂田ほどのバカになると、そんなことも出来る様になるのか。

「あっそ、じゃああんたの分は要らない みたいね」

「冗談です。薬下さい。死にそうです。すみませんでした」

 どうやら、本当にバカだったようだ。
 戸部さんと隆に薬を飲ませると、今度は僕のところに碓井君がやってきた。

「それ、僕も飲まなきゃ駄目かな?」

 その色から察するに、不味いか劇不味いかどっちかしか想像させない。間違っても、美味しそうには見えない。誰かの黒い料理と一緒なのかもしれない。

「無理して飲まなくてもいいですよ」

 碓井君が微笑みながら答えた。まるで天使のような微笑みだ。

「そっか、よかったよ、話が分かる人で」

 他に毒を中和する方法があるんだろう。無理して、こんなゲロマズそうな液体を飲まなくてもいいんだ。さっきから体が冷たくて、体も思うように動かせな いけど、他の方法があるなら、それに越したことはない。

「飲まなければ死ぬだけですから」

 そう微笑みむ碓井君から薬瓶をふんだくる。
 既に瓶を持つ手が震えている。握力がわずかにしか入らない。瓶に付いているコルクの蓋を開けようと、いくら引っ張ってもコルクが抜けない。やばい、既に中々に、かなり、――手遅れなのか。ガクガク震えながら瓶を持ったまま、顔を上げる。

「え!? あんた、そこまでヤバイの?」

 戸部さんと目が合った。この際、誰でもいい。頼む、瓶を開けて飲ませてくれ。

「た、頼む」

「ちょっと、あ!?」

 握力が完全に無くなり、僕の手からするりと薬瓶が落ちる。地面に着く前に戸部さんが咄嗟にキャッチした。

「危ないわね。て、あんた本 当にヤバかったのね」

「戸部、雪那に飲ませてやれ、このままだと死ぬぞ」

「え!? わ、私が? いいけど……」

 珍しくしおらしい顔をした戸部さんが碓井君から薬瓶を受け取る。

「勿論、口移しだぞ、雪那は飲む力も残ってないらしいからな」

 隆!? 何言ってるんだよ! 咀嚼する必要も無いのに液体で口移しの必要は無いって!

「そ、そんな!? 口移しなんて!!」

 戸部さんも僕と同じで驚いている。当たり前だよ、いくら危機的状況でも戸部さんが僕と口移しなんて嫌がるに決まっているじゃないか。

「や、やがな」

 やらなくていい、そんなことやらなくていいと伝えたいのに。舌が上手く動かせない。

「は、はやく。早くと言ってるぞ。このままだと雪那が死んで しまう。急げ!」

 言ってない!! 早くなんて言ってない。余計な通訳してるんじゃない。どんな顔して言ってるんだ。
 隆の顔を見てみると、まるで面白いおもちゃを見つけた子供のように、嬉しそうな表情をしている。いや、ニヤニヤしていると言った方が適切かもしれない。
 隆! 絶対わざとだ! 間違い無い!

「し、死ぬのは困るわね。嫌だけど、本当に嫌だけど、死ぬのは困るから、――仕方無くしてあげるんだからね。絶対嫌だけど」

 そんなに、嫌、嫌連呼しなくていいよ。僕の心が先に死んだ気がする。そこまで嫌われているんだな、僕。

「ゆ、唯がやりますぅ。わ、渡して下さい」

 渡辺さんがたどたどしい口調で声を出しながら体を起こした。
 良かった、渡辺さん 、意識が戻ったんだ。それに喋れるまでに回復しているみたいだ。

「治ったのね。良かったわ」

 戸部さんも胸を下ろす。胸があるのかは別として。

「でも、私がやるから、唯は寝てていいわよ」

「お、やる気になったか」

「さっきからやるって言ってるでしょ。あんたは黙ってなさいよ」

 戸部さんが隆に怒り、瓶の蓋を取った。
 そして、僕の近くで戸部さんが腰を落とす。腰はあるようだ。

「嫌だけど、仕方無くだからね」

 そんなに嫌なら止めればいいのに。よっぽど正義感が強いんだろう。人を死なせる方が僕と口移しするよりも嫌なんだろうな。
 僕と目が合うと、戸部さんの顔が急に赤くなる。どうしたんだろうか。さっきの戦いで受けた毒が今になって効いてきたんだろ うか。

「――仕方無くだからね」

 戸部さんは自分自身に言い聞かせるようにして、瓶を戸部さんの口元に近づける。

「それ、口移しの必要無いと思いますわ」

 宮本さんがぼそりと言った。

「え!?」

 戸部さんがさっきよりも驚いて、宮本さんに質問する。

「そうなの?」

「折角、面白いところだったのに水を差すなよ」

「本当ですよ~。空気読んで下さい、お嬢」

 隆と碓井君ががっかりしたように注意する。

「わたくし、悪いことしましたかしら? 少し指摘しただけですわ」

 何か悪いことしました? と言う顔をしている。

「ああ、したよ」

「しましたね」

「そうかしら……」

 受け入れようとしている。違う。君はいいことをした。正しい行いだよ。少な くとも僕は助かった。なぜか少し残念な気もするけど、それはたぶん気のせいだろう。

「隆! あんた、私に何やらせようとしてんのよ!」

「いや、ちょっと待て! 戸部が勝手にしたことだろ。俺はちょっと背中を押しただけだ」

「あんたねぇ」

 隆を鋭い眼光で睨み付ける。あんな怖い顔で睨まれたら、さっきの妖怪も尻尾を巻いて逃げ出すことだろう。

「次やったら只じゃおかないんだからね」

 て、それだけ? 睨み付けるだけ? 優し過ぎる。僕が同じことをやったら、腕の一本や二本持ってかれている筈なのに。隆に対して優し過ぎないか? もしかして? 僕は気付いてしまった。
 戸部さん、隆のことが好きだな。
 結局、碓井君に瓶を傾けて貰い、薬を飲ませてもらっ た。
 無味無臭の液体で、僕が勝手に警戒し過ぎてただけだったみたいだ。
 しばらくして、体も元通り動かせるようになった。
 隆と渡辺さんもすっかり回復し、普通に動けるようになっている。
 僕達が回復するのを見届けると、碓井君と、宮本さんは授業に戻ると言って、僕達の前から去って行った。
 後片付けというのだろうか、倉庫の修復は協団の人間が後で来てやってくれるらしい。体育倉庫の改修なり、清掃業者を装うなりして修復の為に潜入するらしい。
 渡辺さんと、僕と隆は制服がボロボロになったから、教室の外のロッカーに入れていた体操服に着替えて、保険室までやってきた。戸部さんは、大きな怪我はしてないからと言って、保険室で別れた。恐らく休み時間になるま でどっかでサボるつもりなんだろう。
 保険室の中に入ると、中には誰もいない。

「いや~、疲れた。俺、ちょっと寝るわ」

 そう言って隆はそのままベッドに向かっていき、カーテンを閉めた。

「先生が来たら言ってくれ、じゃっ」

 カーテン越しに手を振り、ベッドに横になった。
 近くにあった椅子に座ると、渡辺さんも椅子を僕の近くまで持ってきて座った。

「体、どう? 大丈夫?」

 あんなことがあったんだ、解毒剤を飲んだとはいえ、外傷もあるし大丈夫な筈は無いだろう、やっぱり心配だ。

「はい、唯は大丈夫ですよ」

 渡辺さんは笑顔でそう答える。

「そんな、強がらなくてもいいよ。二日連続で妖怪に出くわして、酷い目に遭って、大丈夫なわけないと思うから 」

「でも、唯は本当に大丈夫ですよ。色々思い出したんですけど、こんなこと日常茶飯事ですぅ」

 日常茶飯事って、そんな筈は無いだろう。妖怪に二回も襲われるなんてどれだけ不運なんだ。それが毎日な筈が無い。僕に弱みを見せない為に強がっているんだろう。僕が頼りないから……。

「それに、唯はですね、嬉しいんです」

「嬉しい? こんな酷い目に遭ってるのに?」

「はい。雪那様とまたお会いすることが出来ましたし、これからは毎日会えますから」

 そりゃ、同じ学校だし、同じクラスだから毎日会えるけど。嬉しいことかな。後、協団でも会うことになるのか。

「雪那様はまだ思い出せないですかぁ?」

 そういえば、昔会った――て言ってたっけ。
「ごめん、思い出せ ないよ。前に会ったことあるんだっけ?」

「そうですかぁ。あの、無理に思い出さなくてもいいですよぉ。唯が覚えているだけでも満足ですから」

 一体、僕は渡辺さんに何をしたんだろうか?

「僕って、君に何かしたのかな?」

 聞くのもちょっと怖いけど、気になる。せめていいことであってくれ。

「雪那様は覚えてないかもしれませんが、唯にあんなことやこんなことしたんですよぉ。責任取って貰いますからぁ。あ、私にとっては嬉しいことですから。そんな気負わなくてもいいですから」

 本当に一体何したんだ! 過去の僕! 思い出せ! 責任って? 本当に何したの?

「あ、あの、ぼ、ぼ、僕、何したんですか?」

 思わずかみかみになってしまった。

「ひ、み、つ、です ぅ」

 うわぁぁぁぁ、気になる。めっちゃ気になる。

「今、私は嬉しいし楽しいけど。あまり、長くいない方がいいのかもしれないですぅ」

「はい? それはどういうこと?」

 長くいない方がいいって? 何か理由があるんだろうか。

「ごめんなさい! 何でも無いですぅ。独り言ですぅ」

 全然ついていけない! 何でも無いって?

「えええ? 気になるって、教えてよ」

「しつこい男の子は嫌われますよぉ」

「あ、はい、気になりません」

「す、素直ですねぇ」

 少し驚いて渡辺さんが笑う。相変わらず可愛い笑顔だなぁ。
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