5 / 51
第5話 順調にデートする
しおりを挟む《有間愁斗―視点》
あれからTRLに着いた俺達はランド内を順調に回っていた。
砂月さんが提案したルートを歩き、彼女お勧めのアトラクションに乗る。俺も目に付いた面白そうなアトラクションに彼女を誘って一緒に乗ったりした。
砂月さんはかなり詳しくて、アトラクションの映画内容や過去に家族や友達と来た時のエピソードなんかを楽しそうに語《かた》っていた。実は話し好きで喋り出すと結構長いし、ずっと一人で喋っていたりする。
そんな楽しいにしている彼女を見て俺は安心した。
昨夜、女性攻略マニュアルで予習した、「女子に好感を持たれる話術」を駆使したのが良かったのかもしれない。
内容は、自分の自慢話はしない、とにかく相手に共感する、些細なことを褒める、等など色々書いてあった。つまり自分を捨て相手を気持ちよくする、というものだ。
まぁ元々俺に自慢話なんてないし自分が話すのは苦手だから話を聞く方が楽で、このマニュアルは俺に合っている。
乗り物は子供向けが多いせいか座席は小さく隣と距離が近い。並んで座れば肩が触れそうなアトラクションが多い。そんな距離感に最初はお互い緊張したけど、それも小慣れてきた。
日も傾きかけた頃――。
順番の列に並びながら砂月さんは楽しそうに話す。
「小学生の頃からこのアトラクション好きで、来ると必ず乗るんですよ。何度乗っても飽きないから不思議ですよねぇ。あっ、でも昔はお化けとかお人形とか凄く大きく見えて迫力あった記憶なんですけど、大人になると……、って、まぁまだ大人ってわけじゃないけど、体が成長すると、そういうの小さく見えて、でも、細部までしっかり見るとかなり精巧に造られているって気付いたりして新しい発見があるんですよね。って、私ばっかりベラベラ喋ってますよね……」
「全然、砂月さんの話聞くの好きだし。うん、大人になると気付く事って増えるよねぇ」
小柄で華奢な彼女は細い首を傾げ下から俺を覗き込む。表情はCOOL。
「有間さんはどのアトラクションが良かったですか?」
「ど、どれも良かったけど、一個前に乗ったヤツ、凄く迫力あって感動したかな」
「ああ、あれ!私も好きですよ」
「そう言えば、砂月さんって小柄に見えるけど身長何センチなの?」
「今日はヒールじゃないからですかね。私156センチですよ。もう止まってしまいました。高校生の頃、160は欲しいと思ってたんですけど……」
「部活で有利だから?」
高校時代、彼女はテニス部だったらしい。今は部活やサークルには入っていない。
「はい。やっぱりリーチが長いほうが有利ですから」
「そうだろうね。でも女の子はヒール履くし今は丁度いいんじゃない?」
「そうですかね?有間さんは背高いですよね。何センチなんですか?」
「俺は178だよ」
「サバ読んで180とは言わないんですね?」
「今更自分の身長なんてどうでもいいよ。でも学生時代は俺も180センチ欲しかったな」
「じゃあ一緒ですね」
と彼女は微笑む。笑うとマジで可愛い。
このランドに来て、ずっとお俺達の雰囲気は良くて、だから俺は調子に乗っていたのかもしれない。思わず寒いことを口走ってしまう。
「身長差20センチくらいあるとキスした時に丁度いいとかって何かで見たことあるな。俺と砂月さんがキスしたら丁度いいかも、……なんつって」
「そ、そうなんですか……」
ぷいっとそっぽ向かれてしまった。
変な空気になったな。余計なこと言っちまった。
ヤバい、何かフォローしないと!
「ま、まぁ、も、もしもの話だからさ」
「有間さんって実はエロいんですか?」
ふえ?なんて答えればいいだ?マニュアルにはなかったぞ。
「まぁ男は皆エロいんじゃないかな……」
「ふーん、つまり、有間さんはエロいってこと?」
「まぁそれなりに……、とととところで、今日は何時まで大丈夫なの?遅くなっても平気?」
「えっと、お母さんに友達とTRLに行くって言ってあるので、その……、何時でも大丈夫ですけど……、もしかして、変なことする積りですか?」
変なことって、どんなことですか!?
「いやそう言うんじゃなくて、俺、明日は休みだから何時でも大丈夫だし。じゃあパレードまでいよっか?」
「有間さんが平気なら別にいいですよ」
「一人暮らしだから全然大丈夫。うーんと、終わって急いで帰って、家に着くのは10時くらいかなぁ」
「バイトで遅くなると11時過ぎに帰えることもあるので、もっと遅くても平気ですよ?」
と上目遣いで俺を見詰める砂月さん
何これ?煽ってるの?
そう言えば昨日見たマニュアルには仲良くなるだけでは「いい人」で終わってしまい、付き合うことは出来ないと書いてあった。相手をドキドキさせるイベントが必要なんだ。
一番イージーなのはボディタッチ、こいつは相手次第で諸刃の剣になるが、好感を持たれているなら最も有効な恋のエッセンスになる。
この感じ、いけるよな?
例えば軽く肩や腰に触れたり、手を繋いだり……。何をやっても不自然だけども。
どうせならこんな可愛い子と手を繋いでみたい!
ここは攻めるタイミングでは!?
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる