空からダンジョンが降ってきた

ジャーヴィス

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1.プロローグ

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 東京オリンピックが無事終わった、いや表向きは無事に終わったことになってるけど、あれは無事とは言えなかった、オープニングから、あれがあーして、これがこーなって、そしてあの人が強引に・・・・かくして日本中が無事終わったふうを装た。

 そんなわけでもう、こりごりだった世界は、今後オリンピックを続けるかどうか、グダグダと決めかねていた、202x年の記録的な暑い夏。

 夏の暑さに、殺意を覚えた人たちがあまりにも多かった、もうこんな世界終わってしまえと、一斉に世界各地で呪いの言葉があふれかえった。

 その呪いにこたえるように、世界中に隕石が降ってきた、何故か海には一つも落下せず、世界の各地に万遍無く降ってきたため、被害を受けた世界に、混乱をもたらした。

 さらに、降ってきた隕石からは、いろいろなタイプのダンジョンが発生し、そのダンジョンは世界に破壊と新発見による技術革新をもたらした。


 ********

 サトシは、リストラされて、初めて自分が、後期高齢者なのだと自覚した、オリンピック景気が終わると、どん底景気が訪れ、ハローワークで募集されている、年齢ギリギリで応募し面接を受けても、それとなく採用を断られ、受け付けてくれそうな、就職先は明らかに、ブラック、ばかりに心を折られ、いつの間にか田舎に引きこもる。

 田舎の、家と山一つの広さを持つ土地は、十数年前なら親戚中で、奪い合うような不動産も、今では負け動産と言われ、お互いに、ジョーカーを擦り付け合うようなありさまだった、リストラされて行く当てのないサトシに、これ幸いと、あてがわれたものの農業の知識は無く、山があってもどうにかができるような、資格も腕もないため、退職金と失業保険で細々と生活していた。

 その年の暑い夏、サトシが住む裏山にも隕石が降ってきた。

 ドカンと派手な音がしたわりに、実害もなく、恐る恐る現場の確認にサトシが向かうと、山の6合目辺りに禍々しい穴が開いていた。

 そーっと覗き込み、一歩足を踏み入れてみる。

 「初めてダンジョンに入場いたしました、管理人に認定されました。」と頭の中に、声が。

 :管理人を受けますか: Y or N

 とサトシの目の前にスマホで見るような画面が現れる。

 思わず、Yを押しそうになるのをグッとこらえ、Nを押してみるのだが、ブー、と変な音がしてはねつけられる、明らかにウイルスソフトに乗っ取られたような、PCやスマホの状態に、これはYを押さない限り、画面が消せなくて、ずーっと出っ放しのパターンだ。


 目の前にこんな画面が出たまま暮らしていくのはつらい。

 途方に暮れてYを押すサトシ。
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