Girl tha make stronger!

珊螺

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それぞれの道

第3騎士団

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サベルがカイルの部屋を退室し、しばらく歩いていると先程見た侍女がそこに居た。

侍女の目がサベルを捉えると、近づいてきた。

「なにか用ですか?」

サベルは侍女に話しかけると、目の前で立ち止まる。

「・・・こちらに。」

侍女の案内でどこかに向かう。

侍女とサベルが向かった先は、第一騎士団の団員が集まっているところを一望出来る所だった。

「なぜ、ここに?」

サベルが不思議に思い、侍女に問いかける。

侍女は静かにサベルの方に向きながら・・・

「第3騎士団に配属なら適正者かと思ったが、思い違いだったか。」

その声にハッとする・・・ハルの声だった。

「・・・え??ハル様!?なぜその姿ですか!?」

サベルがかなり動揺した感じでハルに詰め寄ろうとするが、ハルが制止を促す。

「落ち着け。これも私の仕事。元々裏で働く人間だ、姿や声を偽ることは造作もない。」

侍女の姿でハルの声の女性がサベルの前に立っている状況は変な感じだった。

「ハル様?私にはちょっとよく分からなくて・・・。」

サベルは変装するとハルが分からないのでどうにかしてほしいということだった。

それを聞いたハルは自分の鎖骨あたりを2回トントンと指を指す。

サベルは頭に?が浮かぶ。

「お前に会うときにどんな姿でも合図するから動作に注意を払え。」

「・・・は、はい!」

ハルは姿、声をも変えられるので判別は難しい。

サベルには分かるようにハルが教えることにした。

ちなみにカイルはハルが近づいたら感覚で分かる。

どんな姿でも・・・。

「では、この後仕事ありますから辞退いたします。」

急に侍女の声色になり、礼をしてきびすを返した。

サベルはポカンと何も言えないままハルの変装をした後ろ姿を見送った。

『何も言えずにハル様を見送ってしまった・・・。』

そういえば・・・とサベルは思い出す。

『カイル殿下はハル様が侍女になって現れたけど分かっていたのかな?』

感覚的に繋がっているカイルとハルはどこにいても誰でも分かることに他の人は分からない。

サベルはハルを見送って、第3騎士団の部屋へ戻った。

無人の部屋へ戻ると、サベルは割り当てられた机に向かった。

カイルからもらった書類を見ているとドアをノックの音がした。

「どうぞ?」

サベルは確認もせずに入室を許可する。

扉から入ってきたのはマディルだった。

「失礼します・・・。今後の対応について話しておきたいと思って来ました。」

サベルとマディルはテーブルに向かい合った。

「最初に第3騎士団の他の皆さんには別行動をお願いしてすいません。これにはカイル殿下の要望になります。さらにハル様とサベル様にも他の方とは違う行動をお願いしてありますことご了承ください。」

マディルの丁寧な説明にサベルは静かに頷く。

「折を見て次の展開に行動を移す前にまた説明をしに参ります。その間は私の下で主となる者の下で働くすべを学んでいただき、第3騎士団所属の団員からの連絡をお待ちください。」

「質問いいでしょうか?いつもはどこに居る感じでいればいいですか?」

サベルとマディルの間に静かな空間が流れ・・・

「主にカイル殿下の元に居る方が良いでしょう。私も居ますし。」

「分かりました。」

マディルはそう言うと部屋を出ようと扉に向かうと、急に振り返り。

「あと、カイル殿下とハル様は似ている気がしますので私は力になれると思います。」

にこやかに言うマディルは晴れやかだ。

サベルはマディルを見送ると椅子に座り直す・・・と先程の話を思い出す。

『ハル様とカイル殿下が似ている??どこがだろう・・・。』



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