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第6話 お母さんも女。そして私も女。 その5
しおりを挟む「ごめんなさい」ここは少ししおらしく。
「ふぅー」とため息をつきながらまたプシュッとビール缶を開け。ごくっとのどに流し込む。
「全く、でもちゃんと避妊はしていたようだし、……あ、でもだからって気軽にやっていいっていうもんじゃないからね」
「わかってるわよ」お母さんのブラをつけたままテーブルの椅子に座り、じっとお母さんの顔を見つめる。
「な、何よ」結構酔いまわっているね。
「ん、あのさぁ―、お母さんの初体験っていつだったの?」
「えっ! そ、そんなの……わ、忘れた」
「忘れたって、忘れるくらい早かったの。まさか小学生の時なんて言わないよね」
「まさかぁ、いくら何でもそんなに私ませていなかったわよ」
「じゃぁいつ?」ちょっと問い詰めた。
「高校の時かなぁ」
「あ、もしかしてその時からパパと付き合っていたの?」
「違うわよ、パパとはずっと後になってから知り合ったの」
「ずっと後からって、何人くらいと付き合っていたの?」
ここから私は娘から女になるよ!
「何人くらいってそんなのわかんないわよ。いちいち覚えてなんかいない」
「へぇ―、以外とモテてたんだねぇ10人くらい?」
「ん―、どうかなぁ―」
「それじゃ、20人とか」
「かなぁ―、もう少しいたような、いないような」
げげ! 20人以上! マジ。てことはその人たち全部とセックスしちゃってるのかなぁ。
でもお母さんって意外とうまく二股とか、かけていそうなタイプかもしれない。
「もしかしてさぁその人たちとセックスしたの?」
「えええええっと」顔が赤いぞ!
「ん、もうしたわよ!」あれま、素直に白状したね。相当気持ちよく酔ってのかなぁ。
お母さんとこんな話するのは初めてなんだけど、面白いなぁ。なんか友達と話しているみたい。
でも相手は酔っ払いだけど。
「へぇー、すごいねぇ。経験豊富なんだ」
「何よ、経験豊富って、なんだかやりマみたいなこと言わないでよ」
ちょっとぷんとすね始めたぞ。
「――――だって気持ちいいんだもん」小さな声で照れたように言う。
そうだようねぇ、セックスは気持ちいいようねぇ。この気持ちよさ、知っちゃったら癖になるよ。
「でさぁ、パパとはよっぽど相性が良かったんだね。結婚しちゃってさ」
またプシュッとビール缶が開く。相当飲んでるぞ。
「だって、出来ちゃったんだもん……あなたが」
ほへっ、なんだなんだ。ていうことは私ができちゃったからパパと結婚したんだ。出来婚だったの。もし私ができなかったら、結婚していなかったていうの? はァ―、何か知られざる真実を聞いてしまった。
「なぜかパパとは出来ちゃったんだよねぇ。出来づらいと思っていたんだけど。結局さぁタイミングだったのかもしれないねぇ。あなたを生んだ後も出来ないしねぇ」
「出来ないようにしてんじゃなかったの?」
「別にぃ、避妊していたわけじゃないから」
「そうなんだ」
出来ずらい、ピル飲んでおきながら……。
で、なんで最近ピル飲まなくなったんだろう。やっぱり朋絵のお父さんの影響……。関係。
ここはちょっと直球で揺さぶってみよう。かなり酔っぱらっているからポロリと言うかもしれない。
お母さんの手がたばこをつかみ一本を加えて火を点けた。
ふぅーと、煙を吐き出して
「でもあなたとこんな話をするようになるなんてねぇ。ちょっと恥ずかしいけど、なんか新鮮」
「そうぉ? でさぁ、お母さんは結婚してから、今までパパ以外の人とセックスしたことないの?」
お母さんはたばこを吸いながらきっぱりと「あるよ」と答えた。
「へぇあるんだ。会社の人?」
「も、だね」
「ほかにもいるんだ」
さてここからだ……。と、思っていたところに
「あなた知ってるんでしょ。朋絵ちゃんのお父さんとのこと」
自ら白状した。
「うふふ、ずっとそれを聞き出そうとしていたんでしょ。バレバレよ」
ふわっと笑う顔がちょっと怖い。
やられた、誘導されていたのは私のほう?
「朋絵から聞いていたんだ」
「全部知ってるんだよね」
「うん」
無意識に私の手はたばこを取り口にくわえて火を点けていた。
「あっ、やっぱりあなたもたばこ吸ってたのね」
「知っていたの?」
「だって朋絵ちゃんも吸ってるていうし、あなたが吸わないでいるのもないなって。それに朋絵ちゃんとお父さんとの親子の関係も聞いちゃったんだけど。沙奈枝、パパとセックスしてるでしょ」
ギクッとした。もしかしてもうパパとできなくなるんじゃないかと。
「怒らないの?」
「怒ってどうにかなるの? それに私も外でセックスしてんだもんあなたたちを問われないでしょ。でも本当は実の親子でセックスしちゃあんまりよくないんだけどなぁ」
やられた。お母さんを言いくるめようとしてこっちが言いくるめられている。
でも、待てよ……。
もしかして目指すところは同じところをお母さんも描いているのか。
でも私がパパの子を孕むのは賛成できないんだろうね。
「あのさ、もしお母さんが朋絵のお父さんの子妊娠したら、産むの?」
「出来たら産んでもいいかなって思っている、勝手なことだとはわかっているけどね」
「そうしたら離婚するの?」
「どうかなぁ、もし、パパが許してくれるんだったら、離婚はしないけど。許してくれなかったらそうなるかもね」
「それじゃさ、もし。私がパパの子妊娠したらお母さんはパパと離婚する?」
私とお母さんはお互いにもう一本ずつたばこをくわえて火を点け、お互いに深く吸い込み、ふぅーと、煙を吐いた。
「沙奈枝、あなた本気なの?」
お母さんのその問いに、私は。
「本気だよ」と答えた。
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