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第18話 3家族サークル その2
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「なになに、どうしたの沙奈枝?」
「なんかさぁ、お母さんからなんだけど、懸賞当たったんだって。ホレ」
と、私のスマホのメッセージを二人に見せた。
「あっ!」
「ほぉ―!」
「ねっ!」
「これって、もしかして……」
思わず三人の口がそろった。「使える!」
そんでもって、にまぁ―と顔をほころばせた。
「でも、これってもしかして1名様っていうのじゃないの?」
「ちょっと待って確かめてみる」すぐに返信で「これって1名だけ?」と送った。
ピコーン! 帰ってきたメッセージには。
「なんとご家族なら3名まで対象。うちは全員行けるね」
「だってよ」
「ほう―」
「3名様までかぁ―」
今度は3人そろって腕組みをして「う――――ん」とうなった。
「何とかして3家族うちらも一緒に行ける方法はないかねぇ、皆の衆!」
「そうだねぇ―」
朋絵と美奈子が口をそろえて言う。
そこでお昼休みの終わりのチャイムが鳴った。
「ああ、授業はじまちゃうよ」
「よし、それじゃぁ、これは課題だね」
「そうだね、何とかみんなで考えよう。私達が望む家族を作り上げるために」
「うん!」と三人で決意新たにうなずいた。
でもこれはチャンスだ。大きく前進できるきっかけになるかもしれないイベントだ。
唯一今繋がっていないうちのパパと美奈子のお母さんをくっ付けるのにはまたとないチャンスかもしれない。
そう言えば、友美のお母さんと美奈子のお父さんが付き合うきっかけ、朋絵知っているって言っていたけど。
これは聞かなきゃいけないなぁ。
ああ、そうだお母さんと朋絵のお父さんとのことももっと聞かないと。
でもさぁ、私達がっていうかさ、この計画をなんとなくカタチにしようとしていたのは美奈子なんだけど、それ以前に親たちがある程度付き合いがあったていうのもなんかありそうだよね。ありそうだって考えると元もこうもないんだけど、でも偶然か? それともこうなる運命だったのか?
授業なんか上の空。もうじき夏休み。
窓から眺める空が青い。
今年の夏休みが勝負だよね。
そんなことを考えあっという間に……いやいやポケッとしている間に従業が終わり、ホームルームでプリントが配られた。
進学進路希望調査。
「げっ!」そうだ。私達って3年生だったんだよね。て、何今更驚いてるんだ、私。
だからことを急いでいるんじゃない。
進路かぁ……高校進学?
赤ちゃんできたら高校行けないよねぇ。いや、別に絶対いけないて言う訳じゃないんだろうけど、赤ちゃん高校卒業までお預け?
う――――ん。どうかなぁ。
我慢できるかなぁ。
もしさぁ、赤ちゃんできたら、たぶん、私高校行かないね。
高校必ず行かなきゃいけないていうことじゃないからね。
ま、あの二人も同じかなぁ。
もしかしたら、私よりも先に孕んじゃうかもしれないよね。
「沙奈枝、沙奈枝」
「はぁ?」
「あのさ、その恰好ちょっとまずいよ!」
「何がぁ?」
「ニッちゃん切れてきたの? シャーペン”あれ”じゃないよ」
「へっ?」
気が付けばシャーペンでたばこ吸っている仕草をしていたみたい。
「まじ、ヤバ! 先生目点けていた?」
「別にそんな感じじゃなかったけど」
ほへぇ――――よかったぁ。
こんなことで目点けられたらそれこそ大変なことになっちゃう。
それ以上に私たちはもっと、大変なことをしようとしているのにねぇ――――――!
で、ことは動き始めちゃうんだよ。
あああああああ、やっぱり私達ってこの想いはとっても強いんだね。
運が味方してくれるんだもん。
私達の壮絶なる計画は、ものすごい強いファザコン愛がなせるものなんだから。
「なんかさぁ、お母さんからなんだけど、懸賞当たったんだって。ホレ」
と、私のスマホのメッセージを二人に見せた。
「あっ!」
「ほぉ―!」
「ねっ!」
「これって、もしかして……」
思わず三人の口がそろった。「使える!」
そんでもって、にまぁ―と顔をほころばせた。
「でも、これってもしかして1名様っていうのじゃないの?」
「ちょっと待って確かめてみる」すぐに返信で「これって1名だけ?」と送った。
ピコーン! 帰ってきたメッセージには。
「なんとご家族なら3名まで対象。うちは全員行けるね」
「だってよ」
「ほう―」
「3名様までかぁ―」
今度は3人そろって腕組みをして「う――――ん」とうなった。
「何とかして3家族うちらも一緒に行ける方法はないかねぇ、皆の衆!」
「そうだねぇ―」
朋絵と美奈子が口をそろえて言う。
そこでお昼休みの終わりのチャイムが鳴った。
「ああ、授業はじまちゃうよ」
「よし、それじゃぁ、これは課題だね」
「そうだね、何とかみんなで考えよう。私達が望む家族を作り上げるために」
「うん!」と三人で決意新たにうなずいた。
でもこれはチャンスだ。大きく前進できるきっかけになるかもしれないイベントだ。
唯一今繋がっていないうちのパパと美奈子のお母さんをくっ付けるのにはまたとないチャンスかもしれない。
そう言えば、友美のお母さんと美奈子のお父さんが付き合うきっかけ、朋絵知っているって言っていたけど。
これは聞かなきゃいけないなぁ。
ああ、そうだお母さんと朋絵のお父さんとのことももっと聞かないと。
でもさぁ、私達がっていうかさ、この計画をなんとなくカタチにしようとしていたのは美奈子なんだけど、それ以前に親たちがある程度付き合いがあったていうのもなんかありそうだよね。ありそうだって考えると元もこうもないんだけど、でも偶然か? それともこうなる運命だったのか?
授業なんか上の空。もうじき夏休み。
窓から眺める空が青い。
今年の夏休みが勝負だよね。
そんなことを考えあっという間に……いやいやポケッとしている間に従業が終わり、ホームルームでプリントが配られた。
進学進路希望調査。
「げっ!」そうだ。私達って3年生だったんだよね。て、何今更驚いてるんだ、私。
だからことを急いでいるんじゃない。
進路かぁ……高校進学?
赤ちゃんできたら高校行けないよねぇ。いや、別に絶対いけないて言う訳じゃないんだろうけど、赤ちゃん高校卒業までお預け?
う――――ん。どうかなぁ。
我慢できるかなぁ。
もしさぁ、赤ちゃんできたら、たぶん、私高校行かないね。
高校必ず行かなきゃいけないていうことじゃないからね。
ま、あの二人も同じかなぁ。
もしかしたら、私よりも先に孕んじゃうかもしれないよね。
「沙奈枝、沙奈枝」
「はぁ?」
「あのさ、その恰好ちょっとまずいよ!」
「何がぁ?」
「ニッちゃん切れてきたの? シャーペン”あれ”じゃないよ」
「へっ?」
気が付けばシャーペンでたばこ吸っている仕草をしていたみたい。
「まじ、ヤバ! 先生目点けていた?」
「別にそんな感じじゃなかったけど」
ほへぇ――――よかったぁ。
こんなことで目点けられたらそれこそ大変なことになっちゃう。
それ以上に私たちはもっと、大変なことをしようとしているのにねぇ――――――!
で、ことは動き始めちゃうんだよ。
あああああああ、やっぱり私達ってこの想いはとっても強いんだね。
運が味方してくれるんだもん。
私達の壮絶なる計画は、ものすごい強いファザコン愛がなせるものなんだから。
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