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勇者
達成報告と追加依頼
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《瞬間移動》の距離は伸ばせる事は実証済みだったが、遠くに移動するにはかなりの集中に、転移を成立する為に掛かる時間も長くなり、更に消耗も激しくなっていた。
戦闘中はアキオが使っていた程度の距離ならば無造作に発動が出来るが、今の様な長距離移動は無理だろう。
それが分かったのは大きな収穫だ。
ゴブリン達を颯太に任せてギョクリュウ達と別れると、エレに乗ってセイランに向かう。
「ハルさん、さっきの力はあの男が使っていた?」
「はい。色々試していたら遠くまで移動できる様になりました」
セロ達に《瞬間移動》の能力について説明する。
「消耗が激しいなら使わない方が良いですね」
「激しいと言ってもそこまでではありませんよ」
ミラは気を遣ってくれている様だ。
「でもやっぱりハルさんだけに負担を掛けたくないからあまり使わない様にしよ?」
「そこまで言うなら、いざと言うときだけにしておきましょう」
リンも多用はやめておこうと言う。
確かに瞬間移動が出来ると知れたら更に厄介な事になるかも知れない。
ウルゼイドの学校で魔法を学んだが、飛行魔法すら無かったのだ。私の能力は戦争に利用したがる者も現れるだろう。
無論、私はその様な事に力を使うつもりはないが、もしも親しい者を人質に取られたら協力をせざるを得ないだろう。
リンがそこまで考えているかは分からないが、彼女なりの配慮と受け止めておこうと思う。
話しているうちにセイランに到着したので冒険者ギルドに報告に向かう。
「おかえりなさい。流石にお早いですね」
出かける前と変わらない姿で出迎えてくれるリフィナ。
「思った以上に大冒険でした」
「そうなのですか……報告をお聞きしてもよろしいですか?」
「はい」
私が指輪からハイレングラスを取り出してセロに渡すと、セロが今回の事を説明していく。
「──という事でした」
「ケイヴワームを討伐……ですか」
リフィナは唖然としていた。
「討伐報酬はケフダユのギルドからいただきました。ケイヴワームもハルさんが持っていますが引き取ってもらえませんよね?」
「……サイズ的に無理ですね。王都の魔物を研究している機関なら喜んで引き取ってくれると思いますよ」
引き取りをしてくれそうなところを教えてくれたので、明日にでも行ってみようか。
「纏めると、北の森に自生していたハイレングラスは、ケイヴワームの作った空洞を通ってきた動物などから伝わって来たと言う事で、住処を追われたゴブリン達はハルさんが保護しケイヴワームは討伐済み」
「はい。そうです」
リフィナはハイレングラスの引き取りと報告の報酬の計算を始める。
「今回の報酬です」
そう言って渡されたのは二万エルズだった。
「多くないですか?」
「ケイヴワームの様な凶悪な魔物の情報まであるのてすから当然です」
最近高額な依頼ばかり受けていて感覚が麻痺しているが、鉄級冒険者の半日の稼ぎで二万は破格だろう。
「それで、追加で依頼を受けていただく事は可能でしょうか?」
「どんな依頼ですか?」
「ケイヴワームが空けた空洞の調査です。どこまで続いているのかを確認していただきたいのですが」
空洞は途中でサヅチが埋めてしまったが、土を退ければ通れる様に出来る。
「どうしようか?」
「ここまでやったなら最後までやろうよ!」
「そうね。芽依に賛成です」
皆も頷いてくれる。
「アルさんはどうしますか?次の仕事は明日になりますし、やめておきますか?」
これ以上付き合わせるのは悪いだろう。
「一緒に行きたいのですが、仲間に聞かなくちゃいけないので……」
「何だよ水臭いなぁ!行ってこいよ!」
声をかけて来たのは《雷鳴》のリーダーだった。他のメンバーも一緒だ。
「なっ……みんな、隠れていたの?」
「三日位休みでいいから。勿論ハルさん達が迷惑じゃなければだけどね?」
回復術師の少女が聞いてくる。
「私達は迷惑だなんて思っていませんよ。アルさんをお借りしてしまって申し訳ありません」
「いえいえ!今後もアルと仲良くしてやってください」
《雷鳴》はみんな仲良しね。
戦闘中はアキオが使っていた程度の距離ならば無造作に発動が出来るが、今の様な長距離移動は無理だろう。
それが分かったのは大きな収穫だ。
ゴブリン達を颯太に任せてギョクリュウ達と別れると、エレに乗ってセイランに向かう。
「ハルさん、さっきの力はあの男が使っていた?」
「はい。色々試していたら遠くまで移動できる様になりました」
セロ達に《瞬間移動》の能力について説明する。
「消耗が激しいなら使わない方が良いですね」
「激しいと言ってもそこまでではありませんよ」
ミラは気を遣ってくれている様だ。
「でもやっぱりハルさんだけに負担を掛けたくないからあまり使わない様にしよ?」
「そこまで言うなら、いざと言うときだけにしておきましょう」
リンも多用はやめておこうと言う。
確かに瞬間移動が出来ると知れたら更に厄介な事になるかも知れない。
ウルゼイドの学校で魔法を学んだが、飛行魔法すら無かったのだ。私の能力は戦争に利用したがる者も現れるだろう。
無論、私はその様な事に力を使うつもりはないが、もしも親しい者を人質に取られたら協力をせざるを得ないだろう。
リンがそこまで考えているかは分からないが、彼女なりの配慮と受け止めておこうと思う。
話しているうちにセイランに到着したので冒険者ギルドに報告に向かう。
「おかえりなさい。流石にお早いですね」
出かける前と変わらない姿で出迎えてくれるリフィナ。
「思った以上に大冒険でした」
「そうなのですか……報告をお聞きしてもよろしいですか?」
「はい」
私が指輪からハイレングラスを取り出してセロに渡すと、セロが今回の事を説明していく。
「──という事でした」
「ケイヴワームを討伐……ですか」
リフィナは唖然としていた。
「討伐報酬はケフダユのギルドからいただきました。ケイヴワームもハルさんが持っていますが引き取ってもらえませんよね?」
「……サイズ的に無理ですね。王都の魔物を研究している機関なら喜んで引き取ってくれると思いますよ」
引き取りをしてくれそうなところを教えてくれたので、明日にでも行ってみようか。
「纏めると、北の森に自生していたハイレングラスは、ケイヴワームの作った空洞を通ってきた動物などから伝わって来たと言う事で、住処を追われたゴブリン達はハルさんが保護しケイヴワームは討伐済み」
「はい。そうです」
リフィナはハイレングラスの引き取りと報告の報酬の計算を始める。
「今回の報酬です」
そう言って渡されたのは二万エルズだった。
「多くないですか?」
「ケイヴワームの様な凶悪な魔物の情報まであるのてすから当然です」
最近高額な依頼ばかり受けていて感覚が麻痺しているが、鉄級冒険者の半日の稼ぎで二万は破格だろう。
「それで、追加で依頼を受けていただく事は可能でしょうか?」
「どんな依頼ですか?」
「ケイヴワームが空けた空洞の調査です。どこまで続いているのかを確認していただきたいのですが」
空洞は途中でサヅチが埋めてしまったが、土を退ければ通れる様に出来る。
「どうしようか?」
「ここまでやったなら最後までやろうよ!」
「そうね。芽依に賛成です」
皆も頷いてくれる。
「アルさんはどうしますか?次の仕事は明日になりますし、やめておきますか?」
これ以上付き合わせるのは悪いだろう。
「一緒に行きたいのですが、仲間に聞かなくちゃいけないので……」
「何だよ水臭いなぁ!行ってこいよ!」
声をかけて来たのは《雷鳴》のリーダーだった。他のメンバーも一緒だ。
「なっ……みんな、隠れていたの?」
「三日位休みでいいから。勿論ハルさん達が迷惑じゃなければだけどね?」
回復術師の少女が聞いてくる。
「私達は迷惑だなんて思っていませんよ。アルさんをお借りしてしまって申し訳ありません」
「いえいえ!今後もアルと仲良くしてやってください」
《雷鳴》はみんな仲良しね。
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