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竜の国
受付終了
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受付も済んだので一度ブランの所に行き、その後王城へと向かった。
門を守備している兵士達は私を見るなり「泉の精霊ハル様、お入り下さい」と言って通してくれた。
見慣れぬ者が大勢ついて来ているのだが確認しなくて良かったのだろうか?
「ハルさんこんにちは。そちらの方達は何方の?」
「こんにちはエリオット殿下。こちらはカクカミ達です。一人ずつ紹介致します」
私は一人ずつ名前を呼んでエリオットに挨拶させる。
颯太に教えられた通りに挨拶をしていく家族達。エリオットは驚きながらも受け答えをしていた。
「この方達があの神獣……いや失礼。ハルさんのご家族なのですか」
「ええ。それで、明日の試合をみんなで観戦したいので……」
「勿論、歓迎させていただきます。当日は私達と同じ席でご覧ください」
「ありがとうございます」
申し訳ないので別の所で観戦すると言おうと思ったのだが、席に空きがあるらしく受け入れてくれた。
「今日はこちらにお泊まり下さい」
「ありがとうございます」
宿は自分達で取るつもりだったが、今回は参加者も多く宿も埋まってしまっているだろう。泉に帰るのも良かったが、エリオットの厚意に甘えさせてもらおう。
それぞれ部屋に案内してもらう事になったが、私は先にラムドと話をしておく。
「今回の大会ではハル殿が試合を見ると言う事で参加者も張り切っているな」
「私が見るだけで張り切るものですか?」
「国を救った泉の精霊殿の前で武を競える事に喜んでいる。というのは建前で、己の力を見せてハル殿に覚えともらおうとしておるのだな」
そしてできれば仲間に加えてもらいたいというのが狙いらしい。
勿論全員がそうではないのだろうが、参加者が多い一因にはなっている様だ。
「大会の救護班の手伝いをさせていただきたいと思います」
「ありがたい。この大会は毎回重傷者をだしているからな。死者が出るのも珍しくない」
大会のルールの中に『殺してはいけない』という項目はない。真剣勝負なのだから事故は十分起こり得る。ゼムロスが話していた敗北条件に『一箇所の四肢の分断』があった。手足の何処か一箇所でも斬り落とされればその場で敗退。相手もそれ以上攻撃してはいけないとなっていた。
今回は救護班に泉の水を大量に渡しておいて、すぐに使ってもらう様に手配しておく。それでも間に合わないのなら私が直接治療に当たろう。
「気になっている事が、私の娘が出る事も知っているのなら、変に気を遣われたりはしないでしょうか?」
「それは問題ない。ハル殿の仲間を倒して名を上げると息巻いている者ばかりだ」
それなら良かったわ。遠慮なんてされたら芽依が怒るだろうから。
「セブレスという剣士はどの様な人物ですか?」
「剣聖セブレス、セブレス・ザ・ソードマスターと呼ばれる者で齢四十にしてこの国一の剣士と謳われている。現在は第一線を退き道場で剣術を教えている。今回出場を決めたのは、先日の事件の折に何の役にも立てなかった事を悔やみ、今一度剣を通して多くの者に勇気を与えたいが為と聞いておる」
ラムドの話を聞く限り人格者の様ね。
「しかし弟子の質は随分と悪いらしい。セブレスの実力を見て弟子入りする者は多いのだが、彼の名前を笠に着て横暴な振る舞いを行う不届き者もいるそうだ」
「彼自身はそれを律しようとはしないの?」
「してはいるようだが、積極的に指導をしているわけではなさそうだ」
それは良くないわね。
「芽依殿が心配かな?」
「芽依なら大抵の者には負ける事は無いと思うわ。私の見立てではメリーゼハーヴとのやり合えるほどの実力をがあるから」
「ははは、親馬鹿だ」
「そうね。お互いにね」
そう言って笑い合う。
明日から予選が始まる。芽依達には無理せずに頑張ってほしい。
門を守備している兵士達は私を見るなり「泉の精霊ハル様、お入り下さい」と言って通してくれた。
見慣れぬ者が大勢ついて来ているのだが確認しなくて良かったのだろうか?
「ハルさんこんにちは。そちらの方達は何方の?」
「こんにちはエリオット殿下。こちらはカクカミ達です。一人ずつ紹介致します」
私は一人ずつ名前を呼んでエリオットに挨拶させる。
颯太に教えられた通りに挨拶をしていく家族達。エリオットは驚きながらも受け答えをしていた。
「この方達があの神獣……いや失礼。ハルさんのご家族なのですか」
「ええ。それで、明日の試合をみんなで観戦したいので……」
「勿論、歓迎させていただきます。当日は私達と同じ席でご覧ください」
「ありがとうございます」
申し訳ないので別の所で観戦すると言おうと思ったのだが、席に空きがあるらしく受け入れてくれた。
「今日はこちらにお泊まり下さい」
「ありがとうございます」
宿は自分達で取るつもりだったが、今回は参加者も多く宿も埋まってしまっているだろう。泉に帰るのも良かったが、エリオットの厚意に甘えさせてもらおう。
それぞれ部屋に案内してもらう事になったが、私は先にラムドと話をしておく。
「今回の大会ではハル殿が試合を見ると言う事で参加者も張り切っているな」
「私が見るだけで張り切るものですか?」
「国を救った泉の精霊殿の前で武を競える事に喜んでいる。というのは建前で、己の力を見せてハル殿に覚えともらおうとしておるのだな」
そしてできれば仲間に加えてもらいたいというのが狙いらしい。
勿論全員がそうではないのだろうが、参加者が多い一因にはなっている様だ。
「大会の救護班の手伝いをさせていただきたいと思います」
「ありがたい。この大会は毎回重傷者をだしているからな。死者が出るのも珍しくない」
大会のルールの中に『殺してはいけない』という項目はない。真剣勝負なのだから事故は十分起こり得る。ゼムロスが話していた敗北条件に『一箇所の四肢の分断』があった。手足の何処か一箇所でも斬り落とされればその場で敗退。相手もそれ以上攻撃してはいけないとなっていた。
今回は救護班に泉の水を大量に渡しておいて、すぐに使ってもらう様に手配しておく。それでも間に合わないのなら私が直接治療に当たろう。
「気になっている事が、私の娘が出る事も知っているのなら、変に気を遣われたりはしないでしょうか?」
「それは問題ない。ハル殿の仲間を倒して名を上げると息巻いている者ばかりだ」
それなら良かったわ。遠慮なんてされたら芽依が怒るだろうから。
「セブレスという剣士はどの様な人物ですか?」
「剣聖セブレス、セブレス・ザ・ソードマスターと呼ばれる者で齢四十にしてこの国一の剣士と謳われている。現在は第一線を退き道場で剣術を教えている。今回出場を決めたのは、先日の事件の折に何の役にも立てなかった事を悔やみ、今一度剣を通して多くの者に勇気を与えたいが為と聞いておる」
ラムドの話を聞く限り人格者の様ね。
「しかし弟子の質は随分と悪いらしい。セブレスの実力を見て弟子入りする者は多いのだが、彼の名前を笠に着て横暴な振る舞いを行う不届き者もいるそうだ」
「彼自身はそれを律しようとはしないの?」
「してはいるようだが、積極的に指導をしているわけではなさそうだ」
それは良くないわね。
「芽依殿が心配かな?」
「芽依なら大抵の者には負ける事は無いと思うわ。私の見立てではメリーゼハーヴとのやり合えるほどの実力をがあるから」
「ははは、親馬鹿だ」
「そうね。お互いにね」
そう言って笑い合う。
明日から予選が始まる。芽依達には無理せずに頑張ってほしい。
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