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リアード王国
魔王
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「久しいな勇者よ。」
「ん?ワンコに知り合いは居ないと思ったけどな。」
「オルフェリキタスだ。今はミナ様の従者をしている。」
「おお!神竜か!懐かしいな!!」
そっか。オル君が魔王討伐の依頼をしたんだっけ。
「およそ60年前…時系列が合わないわ。転生に時間の流れは関係無いって事かしら…。」
リオさんが呟いている。
「立ち話も何だから我が家に案内するよ。家族も紹介したいしな!」
マサキさんに連れられてみんなで母屋の方にお邪魔する。
「おかえりなさい。」
出迎えてくれたのは17~8歳位の美人さん。茶色の長い髪がとても綺麗だ。
「ただいま!お客さんを連れてきた。」
「あらあら、ウェスター?随分とおじさんになって…。」
「お久しぶりです。お二人が変わらな過ぎるんスよ。」
「こちらの皆さんは?」
それぞれ自己紹介をする。
「私はネネ。マサキと同じで転生者よ。宜しくね。」
「という事は魔王討伐の時から?」
「ええ。あの戦いで生き残ったのは私とマサキ、それからルーちゃんだけだったわね。」
「俺達は死んだ事になっているけどな。そういえばルーの奴、元気にしているかな?」
「ルーティアさんなら元気ですよ。私がこっちに来た時に色々お世話になりました。」
「おお!ルーの事も知ってるのか!」
「幼き精霊使いとお知り合いなのですか?」
嬉しそうなマサキさん。
エルさんもルーティアさんの事を知っているみたい。
「何年か前にリリエンタに来てくださって、お仲間の皆さんと凶悪な魔物を討伐してくださったのですよ。」
「世間は広いようで狭いわね。」
ルーティアさんは勇者と一緒に旅をしたと言っていたけど、唯一の生残りという事になっているんだね。
「何で死んだ事にしたの?」
「あーそれは……。」
リオさん、聞かれたくない事もあると思いますよ?
「勇者が魔王を討伐した。そう聞けば英雄譚を想像するかも知れないけど、実は違うんだ。」
マサキさんは魔王討伐に到るまでを簡潔に話してくれた。
マサキさんは日本で事故死して、こちらの神様に会って転生させてもらった。ここまでは私達と変わらないけど、勇者としてアスティアにやって来たらしい。
能力は全体的に高め。ギフトはステータス限界突破とリスタート。
前者はそのままの意味で後者は死んでも最後に祈りを捧げた教会で復活するらしい。
「ゲームみたいな能力ですね。」
「そのまま勇者ね。」
始めは普通の冒険者として日々依頼をこなしていたのだけど、突如魔王が現れて、西の大陸を滅ぼし、世界を混乱に陥れた。
ネネさんは冒険者を始めた頃からの付き合いらしい。ルーティアさんと出会ったのも大体同じ頃だとか。
中堅以上の冒険者に成長していたマサキさんは、ある日神竜に呼ばれて魔王討伐の依頼を受ける。
それから魔王の軍勢との熾烈な戦いを経て遂に魔王の元へと辿り着く。
マサキさんも仲間達も、魔王は残虐で全てを支配せんと勢力を拡大していたのだと思っていたのだけど、本当は違ったらしい。
「その辺については本人に聞くのが一番かな。」
「本人?」
「魔王本人。」
「生きてるんですか!?」
「いや、倒したよ。俺がこの手で。」
「じゃあどういう……?」
「…話そうじゃないか。」
奥の部屋から出て来たのは7~8歳の女の子。セミロングの髪は真っ白で肌も白い。壁を伝いながらフラフラとこちらにやって来る。
ネネさんが抱き上げて連れて来てくれた。
「初めまして。ハナという。マサキとネネの娘だ。」
「つまり魔王の転生体って事?」
「そうだ。」
ハナちゃんはマサキさんの話を引き継いで語り始める。
元々人だったハナちゃんが魔王として覚醒したのは偶然だった。きっかけは深い悲しみと絶望と恐怖、それに怒りだったそう。
覚醒した瞬間、辺り一帯を焼き尽くして生きているものは何も残らなかった。
途方に暮れていると一体、また一体と魔物がやってきて魔王の眷属に加えて欲しいと言ってきた。
この頃はまだ人としての感情が強かった為、現れる魔物が恐ろしくて、言われるままに眷属にしていった。
やがてハナちゃんの眷属達は一つの勢力となって国を攻め滅ぼし、支配する様になる。
魔王の前にいずれ対抗する何者かが現れて、討ち滅ぼしに来るだろうと誰かが言った。
ハナちゃんはそれが怖くてたまらなかった。好きで魔王になったんじゃない。恐怖から周りの魔物達に従っていた様なものだった。それなのに誰かが自分を殺しに来る…。
ある日、別の大陸で勇者が現れたと知らせを受けた。勇者は次々と眷属達を屠り自分のいる城に迫ってきていた。
いつの日かハナちゃんは恐怖に囚われなくなっていた。魔物達を意のままに操り、勇者に対抗した。しかし勇者の勢いは止まる事はなく、遂には居城の玉座間にまでやって来た。
殺される。
そう思った時、魔王として覚醒する前の感情が溢れ出てきた。
怒り、悲しみ、絶望、恐怖…それらは全てハナちゃんの力に変わった。
マサキさん達は多くの犠牲を払い、ハナちゃんは眷属の全てを失い、死闘の末、遂に魔王は倒された。
この時初めてハナちゃんは心の内を吐露した。自分は誰かに助けて欲しかっただけなのだと。
「最後に、苦し紛れに勇者達に呪いを放った。歳を取らずに永遠に苦しむ呪いを。」
「それって逆に嬉しくない?」
「いや、正直辛いよ。永遠の命とか権力者が欲しがるものの定番だけど、なってみれば分かる。」
そういうものなんだね…。
「それで、何で魔王が勇者の子供に転生してるの?」
「正直分からん。ただ一つ言える事は、私が心の内を話した時、マサキ達は悲しんでくれた。私にはそれが嬉しかったと同時に悔しかったのだ。もっと早くに出会えていればと。」
複雑な感情と呪いの作用で子供として転生してしまったのではないかとハナちゃんは言っている。
「その呪いの一端を自分が受けているのだからお笑いだ。」
「永遠に歳を取らないの?」
「いや、実は呪いの効果はそれだけじゃないんだ。俺達のステータスを見てくれ。」
マサキさんのステータスを鑑定で見せてもらう。
「ん?ワンコに知り合いは居ないと思ったけどな。」
「オルフェリキタスだ。今はミナ様の従者をしている。」
「おお!神竜か!懐かしいな!!」
そっか。オル君が魔王討伐の依頼をしたんだっけ。
「およそ60年前…時系列が合わないわ。転生に時間の流れは関係無いって事かしら…。」
リオさんが呟いている。
「立ち話も何だから我が家に案内するよ。家族も紹介したいしな!」
マサキさんに連れられてみんなで母屋の方にお邪魔する。
「おかえりなさい。」
出迎えてくれたのは17~8歳位の美人さん。茶色の長い髪がとても綺麗だ。
「ただいま!お客さんを連れてきた。」
「あらあら、ウェスター?随分とおじさんになって…。」
「お久しぶりです。お二人が変わらな過ぎるんスよ。」
「こちらの皆さんは?」
それぞれ自己紹介をする。
「私はネネ。マサキと同じで転生者よ。宜しくね。」
「という事は魔王討伐の時から?」
「ええ。あの戦いで生き残ったのは私とマサキ、それからルーちゃんだけだったわね。」
「俺達は死んだ事になっているけどな。そういえばルーの奴、元気にしているかな?」
「ルーティアさんなら元気ですよ。私がこっちに来た時に色々お世話になりました。」
「おお!ルーの事も知ってるのか!」
「幼き精霊使いとお知り合いなのですか?」
嬉しそうなマサキさん。
エルさんもルーティアさんの事を知っているみたい。
「何年か前にリリエンタに来てくださって、お仲間の皆さんと凶悪な魔物を討伐してくださったのですよ。」
「世間は広いようで狭いわね。」
ルーティアさんは勇者と一緒に旅をしたと言っていたけど、唯一の生残りという事になっているんだね。
「何で死んだ事にしたの?」
「あーそれは……。」
リオさん、聞かれたくない事もあると思いますよ?
「勇者が魔王を討伐した。そう聞けば英雄譚を想像するかも知れないけど、実は違うんだ。」
マサキさんは魔王討伐に到るまでを簡潔に話してくれた。
マサキさんは日本で事故死して、こちらの神様に会って転生させてもらった。ここまでは私達と変わらないけど、勇者としてアスティアにやって来たらしい。
能力は全体的に高め。ギフトはステータス限界突破とリスタート。
前者はそのままの意味で後者は死んでも最後に祈りを捧げた教会で復活するらしい。
「ゲームみたいな能力ですね。」
「そのまま勇者ね。」
始めは普通の冒険者として日々依頼をこなしていたのだけど、突如魔王が現れて、西の大陸を滅ぼし、世界を混乱に陥れた。
ネネさんは冒険者を始めた頃からの付き合いらしい。ルーティアさんと出会ったのも大体同じ頃だとか。
中堅以上の冒険者に成長していたマサキさんは、ある日神竜に呼ばれて魔王討伐の依頼を受ける。
それから魔王の軍勢との熾烈な戦いを経て遂に魔王の元へと辿り着く。
マサキさんも仲間達も、魔王は残虐で全てを支配せんと勢力を拡大していたのだと思っていたのだけど、本当は違ったらしい。
「その辺については本人に聞くのが一番かな。」
「本人?」
「魔王本人。」
「生きてるんですか!?」
「いや、倒したよ。俺がこの手で。」
「じゃあどういう……?」
「…話そうじゃないか。」
奥の部屋から出て来たのは7~8歳の女の子。セミロングの髪は真っ白で肌も白い。壁を伝いながらフラフラとこちらにやって来る。
ネネさんが抱き上げて連れて来てくれた。
「初めまして。ハナという。マサキとネネの娘だ。」
「つまり魔王の転生体って事?」
「そうだ。」
ハナちゃんはマサキさんの話を引き継いで語り始める。
元々人だったハナちゃんが魔王として覚醒したのは偶然だった。きっかけは深い悲しみと絶望と恐怖、それに怒りだったそう。
覚醒した瞬間、辺り一帯を焼き尽くして生きているものは何も残らなかった。
途方に暮れていると一体、また一体と魔物がやってきて魔王の眷属に加えて欲しいと言ってきた。
この頃はまだ人としての感情が強かった為、現れる魔物が恐ろしくて、言われるままに眷属にしていった。
やがてハナちゃんの眷属達は一つの勢力となって国を攻め滅ぼし、支配する様になる。
魔王の前にいずれ対抗する何者かが現れて、討ち滅ぼしに来るだろうと誰かが言った。
ハナちゃんはそれが怖くてたまらなかった。好きで魔王になったんじゃない。恐怖から周りの魔物達に従っていた様なものだった。それなのに誰かが自分を殺しに来る…。
ある日、別の大陸で勇者が現れたと知らせを受けた。勇者は次々と眷属達を屠り自分のいる城に迫ってきていた。
いつの日かハナちゃんは恐怖に囚われなくなっていた。魔物達を意のままに操り、勇者に対抗した。しかし勇者の勢いは止まる事はなく、遂には居城の玉座間にまでやって来た。
殺される。
そう思った時、魔王として覚醒する前の感情が溢れ出てきた。
怒り、悲しみ、絶望、恐怖…それらは全てハナちゃんの力に変わった。
マサキさん達は多くの犠牲を払い、ハナちゃんは眷属の全てを失い、死闘の末、遂に魔王は倒された。
この時初めてハナちゃんは心の内を吐露した。自分は誰かに助けて欲しかっただけなのだと。
「最後に、苦し紛れに勇者達に呪いを放った。歳を取らずに永遠に苦しむ呪いを。」
「それって逆に嬉しくない?」
「いや、正直辛いよ。永遠の命とか権力者が欲しがるものの定番だけど、なってみれば分かる。」
そういうものなんだね…。
「それで、何で魔王が勇者の子供に転生してるの?」
「正直分からん。ただ一つ言える事は、私が心の内を話した時、マサキ達は悲しんでくれた。私にはそれが嬉しかったと同時に悔しかったのだ。もっと早くに出会えていればと。」
複雑な感情と呪いの作用で子供として転生してしまったのではないかとハナちゃんは言っている。
「その呪いの一端を自分が受けているのだからお笑いだ。」
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「いや、実は呪いの効果はそれだけじゃないんだ。俺達のステータスを見てくれ。」
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