転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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魔王

魔王の力

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《シャイターン》を起動すると身体が熱くなってきた。

目の前の者を破壊する。

バラバラに引き裂いて苦しみながら叫ぶ姿を想像すると胸が高鳴る。

「さあ…始めよう…!これからが本番だよ!」

早くアレを引き裂きたい。

私は高揚感に包まれていた。

……ダメだ!

この気持ちに流されちゃいけない。
意識をしっかり保たないと…《シャイターン》に飲まれてしまう。

4本腕の魔王はその全ての腕を使って私を捕縛にきた。

その腕を無造作に打ち払う。無意識のうちに《フェアレーター》を作動させていて自分の腕に纏わせて斬り裂いていた。

[ギフト《拡散》を強奪しました。]

腕を全て失っても魔王は止まらない。
私の喉を食い千切らんと口を大きく開けて迫ってくる。

《ラズルシェーニェ》を作動させて右手で頭に触れて消滅させた。

力を失い落下していく魔王の身体。

「呆気ない。」

《ラッキーシュート》をかけた《レイブラスター》で落下していく魔王を消し飛ばす。

[《フェアレーター》の作動で魔王に神の力を検知しました。]

やっぱりか…これで敵が何者か分かってしまった。

私を殺すためにここまでするなんて…。

神ヲ殺セ。
神ハ憎ムベキ敵。

《シャイターン》が暴走しかけている。
気を落ち着かせて解除した。

みんなはどうだろう?

《シャイターン》を使った事で《フォルトゥナ》が解除されているけど、全員無事みたいだ。

柱の破壊は後回しでみんなの援護に向かう。

ユキさんが一体の魔王の攻撃を受け止めて、散開した他のメンバーが次々に攻撃を加えている。

もう一体の方は魔法攻撃の集中砲火で足を止めた所をマサキさんが斬り込んで大ダメージを与えている。

《フォルトゥナ》を作動させたので全員の動きが段違いに良くなった。
これならすぐに決着がつくだろう。

アイルアーヴさんとエストレリアさんも魔王相手に互角以上の戦いをしている。

地上では混成部隊がハーフデビルの部隊と戦闘を開始した。
今のところこちらが優勢。

魔王を全て倒して柱を破壊すればハーフデビル達も撤退してくれるだろう。

早く決着をつけよう。

援護の必要がない事が分かったのでオーバーブーストをかけた《レイブラスター》で柱を攻撃する。

巨大な光条が柱を撃ち抜き根元から崩壊していく。

よし。次だ。
地上のハーフデビル達は柱を破壊された事で動揺して、撤退を始めている。
しかし魔王達はそれくらいでは撤退しないだろう。

ユキさん達が戦っていた魔王は既に倒されていて、マサキさん達が戦っていた魔王もたった今、魔法の集中砲火で倒した。

あとはアイルアーヴさんとエストレリアさんが戦っている魔王だけだ。
2人の攻撃に合わせてオーバーブーストをかけて支援する。

アイルアーヴさんの矢の連射とエストレリアさんの連撃を受けて最後の魔王も落ちていった。

「皆さん怪我はありませんか?」
「大丈夫、大した事はないよ。」

ルーティアさんが指揮をとってくれていたお陰でうまく魔王を倒す事ができたみたい。多少のダメージは負ったものの、回復魔法ですぐに治せる程度だった。
地上の部隊の人達にも回復が届く様にオーバーブーストを付けた《スターヒール》をかけておいた。

「我々の勝利だ!」

アイルアーヴさんが声をあげると地上の部隊からも歓声があがる。
柱も破壊できて魔王を4体とも倒す事ができた。シュピルツァとしては大勝利だろう。

「ありがとう!君達のお陰で魔王を倒す事ができたよ。」
「本当に助かりました。これで一旦は平和になります。」

アイルアーヴさんとエストレリアさんが私達の所にやって来てお礼を言う。

「柱も破壊できましたけどあの程度の魔王は幾らでも現れます。これからも暫くは気を付けてください。」
「承知しているよ。今の内に防備を固めておくよ。」
「あなた達はレイファードにいる根幹の魔王と戦うのですね?」
「はい。四方の柱は破壊しましたのでレイファードに向かおうと思います。」
「我々も防備を固めたら援護に向かうよ。」

お二人が来てくれたら心強いけど、これ以上巻き込みたくない。

「いえ、シュピルツァの防衛に専念してください。お二人はこの国の要です。民の支えになってあげてください。」
「そうか…でももし我々の力が必要になったら、いつでも言っておくれ。」
「まずは一度私達の村へお越し下さい。」
「分かりました。」

一度アイルアーヴさん達の村に戻ることにした。

[《シャイターン》、《ラズルシェーニェ》、《フェアレーター》の解析が完了しました。]

移動中にアウラさんが言ってくる。

解析?

[ミナが使用している時の変化と、ダンジョン内の《シャイターン》にギフトを使用させて解析をしていました。]

そうだったんだ…。それで結果はどうだったんですか?

[《シャイターン》は使用を続けると邪悪に支配されてしまいます。《ラズルシェーニェ》は破壊衝動を促進させ、《フェアレーター》は神への怒りと憎しみを増大させるようです。緊急時以外の使用は控えてください。]

…分かったよ。ありがとうアウラさん。

村に戻ってくると、エルフ達が出迎えてくれて代わる代わるに感謝された。
大したものはないけれどと言いながら食事を振る舞ってくれた。

それからアイルアーヴさん達に話をしてシュピルツァにも竜を防衛に付ける事になった。

「シュピルツァは防衛範囲が広すぎるからね。各地に散っている民を集めて防衛しやすい様にするよ。それまでの間、竜達をお借りするよ。」

今日はこの村で休ませてもらうことに。

帝国の人達がいない間に魔王と話した事をみんなに話すことにした。

「つまり…レイファードにいる魔王は神が関わっている可能性があるってことかい?」
「はい。4本腕の魔王が私を殺すために生まれたと言っていました。そしてその魔王からも神様の力を感じました。」

ルーティアさんに聞き返されたので詳しく説明する。

「エンゲーラの時と同じって事?」
「まだ確証はありませんけど多分。」

リオさんから以前倒した神様の名前が出てくる。そう、あの時と同じかも知れないんだ。

「そのために沢山の人を巻き込んでいるのですか……信じられません、なんでそんな酷い事を……。」

ユキさんは怒りを露わにしている。

…私のせいで沢山の人が犠牲になってしまっているんだよね。

「ミナは悪くない。悪いのは暴走している神様の方。」

ソラちゃんが私の考えている事を察して言ってくれた。

ありがとう。私の出来る事は、これ以上犠牲者が増えない様に魔王を止める事だ。
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