転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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ディルロード帝国

帝国の動き

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「マジかよ……」

鑑定結果を聞いたリュウさんが呟く。

「これでほぼ確定だな。お前達は神を滅ぼす為に動いていたが、その動きすら神に操られていたらしい。」

ルーティアさんに言われて項垂れる4人。

「嘘だろ…俺達は…何の為に…」

怒りに震えながらショウ君が呟いた。

「私達の作戦が成功しても失敗しても帝国は全世界に戦争を仕掛けるつもりよ。」
「そんな事をして、滅ぶのは帝国じゃないの?」

私の思った事をリオさんが言ってくれたけど、神国の総戦力を上回る力が帝国にあるとは思えない。オル君や属性竜王がいるのだから。

「身内だから贔屓する訳じゃないが帝国も中々強いぞ。そして必ず勝たなくてもいいんだ。目的はこの世界を破壊する事だからな。世界が滅ぶレベルで人々の命が消え、大地を焦土に変えようとしている。」

マサムネさんが説明してくれた。
破滅する為に戦争をするの…?それが神様への復讐って事?

「そんなの駄目です。」
「もう帝国は動き出していると思うぞ。各方面に軍を展開しているんじゃないか?」

半ば投げやりに返事をしてくるリュウさん。

「それはまた厄介な事だな。各方面に展開済みなら頭を押さえても簡単には止まらないだろう。」

ルーティアさんは腕を組みながらあれこれ考えているみたい。

「それじゃ、ご自慢の帝国の戦力を教えてもらおうかしら?」

リオさんが嫌味を込めて4人に聞く。
ジュンさんが答えてくれる。

「帝国の軍は陸海空軍に分かれているわ。」
「空軍?エルジュの竜騎兵団みたいなもんか?」
「いいえ、飛空艇を要する航空師団よ。」

ダキアさんの質問に答えるジュンさん。

「飛空艇!」

ソラちゃんが食い付いた。

「ええと…水上滑走をする飛行機ですか?それは飛行艇でしたっけ。」
「ハイウインド?」
「インビジブルだな。」
「エンタープライズというのも。」

「ソラ、マサキ、リオの言っている物の方よ。兵員輸送や爆撃、砲撃を行う空飛ぶ船。飛行機と違ってホバリングや垂直離着陸ができるからどこにでも強襲揚陸ができるのが特徴ね。」

ジュンさんの説明でどういうものか分かったよ。

「で、その兵器の数は?」
「かなりあったわよ。私が知る限り50隻は間違いなく。」
「そりゃマズいな…普通は対空戦闘なんて想定していないぞ。」

クロウさんとダキアさんがジュンさんの答えに呟く。

「性能についても詳しく教えてもらおうかしら。」
「…分かったわ。」

ジュンさんが飛空艇の性能を教えてくれたけど、オル君は「それくらいなら我らで落とせます」と言っている。

50隻以上の飛空艇に対抗する為に神国から竜に来てもらうとなるのは大変なんじゃないかな?

「海と陸の戦力はどうなの?」
「海については水竜王ヴァハトゥンだっけ?それらが暴れまわっているせいで殆どの艦船が沈んでるわ。ただ兵員はご丁寧に全員救助してくれているから人員自体は余っているわね。」

リアード国の一件以来水竜王さん達による海上封鎖は続いていた。人的被害はほぼゼロだとか。

スゴい頑張ってくれたんだね。今度お礼を言わなくちゃ。

「陸には機甲師団があるわ。」
「機甲って事は機械化部隊って事か?」
「ええそうよ。」

マサキさんがジュンさんに確認していた。

機械化?

「現代の地球でいう所の戦車とか兵員輸送とか野砲とかがみんな自動車化してるって事だ。」
「魔導車みたいなものですか…。」

魔導科学は《プロディギウム》を使ってこの世界から消したはず。誰かが文献を調べて復活させたのかもしれない。

「いや自動車だ。ガソリンで動く。」

マサムネさんが教えてくれた。

つまりそれって…

「帝国に来た転生者の中に工学系に詳しい奴がいて、そいつが次々と工業製品を再現していった。ディルロード帝国は世界初の工業国家だな。」
「ちなみに魔法との融合を果たした物もあるんだぜ。帝国じゃあ魔工学って呼んでいたな。」

リュウさんとショウ君が自慢げに話してくる。

つまり過去の世界の兵器みたいなものを所持した軍隊が攻めてくるって事なんだよね。

それってかなりマズいんじゃない…?

「海は渡って来られない訳だから空の守りさえすれば大丈夫なのではないか?」
「いや、確かに水竜は脅威だが対策も既にできている。陸上戦力は海を渡って来ると思うぞ。」

クロウさんの指摘した事は既に対策をしているらしい。マサムネさんに今度はリオさんが聞く。

「船もないのにどうやって海を渡るのよ?」
「準備が整っていたら凍らせて渡るはずだ。」

海を凍らせる?
水竜達が攻撃出来ないほど分厚い氷を作るって事?

「ヴァハトゥンとて水竜を束ねる者。そう簡単には封じ込める事は出来んぞ。」

オル君がマサムネさんに言う。

「水の中にも刺客を用意してある。海を氷で覆って、水面下ではそれが水竜達を葬る。」
「勿体つけてないで教えなさい。」
「帝国の転生者に神獣使いと呼ばれる奴がいる。そいつが使う神獣がヤベーんだ。」

ショウ君が口を挟む。

「それはなに?」

苛立ち気味に聞き返すリオさん。

「フェンリルとヨルムンガンドよ。」

ジュンさんが教えてくれた。
それを聞いた転生者のみんなが息を飲む。

ええと、ヤバいの?

よく知らないから教えてもらったけど、物凄く強くて大きな狼と蛇らしい。

「ウルディザスターでも倒す事はできないだろう。」
「私とて最強の竜を自称する者です。簡単には負けませんよ。」

「それよりも強いミナなら楽勝?」
「それは…分からない。《アドラステア》がどれ程の戦闘能力を待っているのかが不明だからな。」

ソラちゃんとリュウさんが話をしている。
私自身《アドラステア》の事が全然分からない。そんなに強い相手と戦うのなら性能を理解しておきたいけど…。

「あとは帝国の転生者達の詳しい情報と、軍の装備について詳しく聞かせてもらうわ。」
「洗いざらい全部って事かよ。」

ショウ君は諦めた様子で言っている。

「もう帝国には帰れないんでしょ?こちらに協力して少しでも心象を良くしておいた方がいいわよ。」
「なあ、俺達も戦闘に参加させたりはしないよな?」
「しないつもりよ。裏切るか分からない連中を使うほど馬鹿じゃないわ。」

リュウさんの質問に答えるリオさん。
この4人はダンジョンにいてもらうのが一番いいかもしれない。

「ミナを捕まえようとした罪でドS部屋に入れておくか?帝国との事が終わるまで。」

マサキさん、その呼び方はやめてください。
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