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ディルロード帝国

開戦前夜

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4人については私のダンジョンに専用の生活空間を作って、帝国とのことが終わるまで隔離させてもらうことにした。

新しく階層を作って屋敷を建てて、アウラさんの分身を数人置いておく。

ダンジョンマスターの権限でどこにいてもダンジョンへ行き来できるのでウェルト大陸からでも入ることができた。

「ダンジョン…?ここが?」
「はい。私のダンジョンです。」
「私のって…まさかダンジョンマスターと契約を?」
「いえ、私がマスターです。契約しているマスターも3人いますけど。」
「はぁっ!?」

何かメチャクチャ驚かれているんだけど…。

「リソースはどうやって補充しているの?」
「それは私が邪気をぶつけて補充しています。ほぼ無限に供給が可能です。」
「これは…勝てる見込みはないんじゃないか…?」
「そうね…まさか本人がダンジョンマスターだなんて…非常識だわ。」
「今頃気付いたの?」
「ミナは常識を地球に忘れてきた。」

勝ち誇ったように言うリオさん。
ソラちゃんは…酷くない?

「と、とにかく!不自由なく暮らせるようにしておきますので。何かあればアウラさんに言ってください。」
「適度に運動できるようにモンスターでも置いておく?邪竜ウルディザスターとか人数分置いておきましょうか?」
「「「いらねぇよ!」」」

リオさんはワザと言っているんだろうね。

「ダンジョンマスターを3体も…恐ろしいわね。」
「いえ、ユキさん、リオさん、ソラちゃんもそれぞれ1人ずつ契約していますよ。」
「つまり6体…?」
「はい。ひょっとしたらもう少し味方になってくれるダンジョンマスターがいるかも知れません。」

フィオレさん達の呼び掛けに応じてくれるダンジョンマスターがいればの話だけどね。

「もう笑うしかないな…。今からでも開戦をやめるように言いに行きたいくらいだ。」
「今解放はしてあげられないわよ。それに、もう手遅れなんでしょ?」
「そうだ。」

4人をダンジョンに置いてレイファードに戻ってすぐに今後の対応を話し合う。

「さて、帝国が開戦間近なのは分かった。各国に連絡をして警戒を強化するように伝えなければな。」

ルーティアさんが対応を話し始める。

「とりあえずエリスト、リアード、ゼルグランには連絡をしましょう。今からビジョンで連絡をするわね。」

リオさんが、エリストのグランドマスターのレギウスさん、エスペランサで代官をしているメリッサさん、ゼルグランの王弟グリムルドさんにそれぞれ連絡を始める。

「神国から防衛戦力を派遣して防衛線を構築します。」

オル君は眷属達に連絡を始める。

「完全に不意打ちではなくなったけど、帝国の兵力、装備を聞いた限りかなりの被害が予想されますね。」

ユキさんは帝国の4人の話を思い出しながら深刻そうに呟く。

「民間人はダンジョンに避難?」
「そうだね。それが一番いいかも。」

ソラちゃんの提案はいいかもね。ただすごく時間がかかりそう。

「避難が済むまでは攻撃を食い止めなければならないのか…広範囲に同時攻撃をされたら防ぎ切れないかもしれないな。」
「今の内に頭だけでも潰しておいた方がいいんじゃないか?」
「それが出来るのはミナ達だけだが、ミナにできるか?」

ルーティアさんとダキアさんが話し合っている所にクロウさんが入って私に聞いてきた。

「話し合いなら良いんですけど、いきなり行って殺すとかはちょっと…。」
「まあそうだよな。」

その後、ウェルト大陸南部の国のセロムザードに行って帝国の件を伝えようということになって夜も更けてきていたけど《テレポート》で移動する事に。

レイファードもまだ情勢が不安定なので竜を10体守護に置いていく。フェノールさんのアドバイザーに雷竜王のラスグロームさんを置いていくことになった。

セロムザードでオレアス王太子に会いに行くと、快復した王様の所に通された。

「其方がミナか。私はセロムザード国王クローゼ=ヴァン・セロムザードだ。救援と怪我病気の治療感謝する。」
「初めまして、エルジュ国エリスト所属の冒険者ミナと申します。快復お喜び申し上げます。」

挨拶はこれでいいのかな?
それよりも本題に入ろう。私から話すと上手く説明できる自信がないのでルーティアさんに話してもらった。

「それについてだが、先程帝国からの使者がやってきた。我が国にも開戦するらしい。」

本当に全世界を敵にする気なんだね。

「我が国は魔王の攻撃で壊滅状態だ。今攻め込まれたらなす術がない。降伏も視野に入れて協議していた所なのだ。」
「抗戦されるおつもりなら神国から竜を応援に寄越します。」
「それはありがたい。神国のドラゴンをお借りできるなら我々も戦おう。」
「分かりました。すぐに手配します。」

実はもう手配済みなんだけどね。

「いつから攻撃を開始すると言っていたのですか?」
「明日の正午には攻撃を開始すると言っていた。」
「それは…マズいわね。同時攻撃を指示されているとしたら他の国も明日には攻撃が始まるわ。」
「私達も迎撃に出た方がいいですね。」
「ま、待ってくれ!君達はここに残ってくれるのではないのか?」
「帝国は全ての国を相手に戦争をする気なんです。一番厳しい所に私達は行きます。」
「そうか…いや、ドラゴンを貸してもらえるだけでも助かるのだ。あとは我々だけで何とかしよう。」

王様はかなり動揺していたけど自分を落ち着かせる為にそう呟いた。

「全体を見ながら動きますから。危険だったら駆けつけます。頑張ってください。」

私はそう言うとお城を後にした。

「海を凍らせて渡ってくると言っていた神獣使いが一番厄介でしょうね。」
「私達はそこに行きましょう。」
「ルーティアさん達は竜達と飛空艇の迎撃をお願いできますか?」
「分かった。君達も気をつけるんだぞ。」
「はい!」

ルーティアさん達とは一旦別れる。
私とユキさん、リオさん、ソラちゃん、ウルちゃんとオル君でエルジュ領の南海岸線に移動した。

「戦闘になったらこの辺りが一番被害を出すだろうから、今の内に村落に連絡して回りましょう。」
「あの、携帯できるテレポーターって作れませんか?それをそれぞれが持っていればダンジョンへのアクセスが容易になるんじゃないかなって。」
「いいわね。作ってみましょうか。」

私の提案にリオさんが賛成してくれて、急遽だけどテレポーターを作成することに。

アウラさんの支援ももらって3人で試行錯誤を繰り返してテレポーターを完成させることができた。
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