転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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ディルロード帝国

会談の準備

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目が覚めたのは夕方だった。
左右には眠る前と同じユキさんとソラちゃんがいた。じっと私を見ていて恥ずかしい。

「2人とも起きてたの?」
「はい、さっき起きました。」
「ん、ミナが何処かに行かないか監視してた。」

ユキさんは微笑みながら、ソラちゃんは眠そうにしながら言っている。
監視って、真っ先に寝ちゃったのにね。

「沢山寝ちゃいましたね。」
「うん、でもゆっくりできて良かったよ。ありがとうソラちゃん、ユキさん。そう言えばみんなと一緒にご飯を食べるって言っていたよね。家の人に言ってあったかな?」
「大丈夫。ユキが話してくれた。」

流石ユキさん。

「夕食のお手伝いくらいやってもいいよね?」
「そうですね。私達もお手伝いします。」
「ん、手伝う。」

手伝うと言ったら断られそうになったけど、無理やり手伝わせてもらった。
みんなが働いているのに何もしないでいるのはもう限界。
私は貴族みたいに人を使うのは向かないよ。一緒に色々な事をやっていたいタイプなんだ。

使用人のみんなは、初めは困惑していたけどすぐに打ち解けて手早く支度をすることが出来た。

かなりの人が来るだろうという事で大忙しだったので手伝って良かったと思う。

「皆様が到着されました。」

サナちゃんが報告してくれたので、エントランスで出迎える。

「ミナ、大人しくしていたかい?」
「してましたよ。」

会って言う事がそれってどうなんですかルーティアさん。

「本当かいユキ、ソラ?」
「はい。」
「ん、ご飯の準備だけ。」

何で2人に確認するのかな?

「と、とにかくご飯にしましょう!さあ、皆さんこっちですよ!」

来てくれたのはルーティアさん、ミルドさん、ダキアさん、アリソンさん、クロウさん、マサキさん、ネネさん、ハナちゃん、ウェスターさん、テュケ君。
イクスさんやギルドの皆さんはまだ仕事があるそうなので遅れてくるそう。

食事をとりながら決まった内容を教えてもらう。

会談は明後日の夜、リリエンタ南端で行われる。この地はどの都市とも離れていて干渉が難しい。会談、戦後処理の交渉には各国の代表が集まる。それまでに交渉内容を整理してそれぞれで文書の作成をするらしい。
本来なら特使を派遣して各国との調整を行い、取り纏めてから会談の日時を決めるそう。なので調整が済むまで1ヶ月位かかるのが普通らしい。

水面下でのやり取りを円滑にする為に文書の転送を可能にしたらどうかな?

「そりゃあまあ、私とリオで各国のサポートをするつもりだったのだが。」
「文書のやり取りだけを可能にする魔道具を作って見ましょうか。悪用できない様に調整しますので。」
「すぐに作れるのか?難しいなら当初の計画通り私とリオでやるが…」

それだとルーティアさんとリオさんに負担が掛かるから、今度は私が頑張るよ。

「転移装置を極小化して紙が転送できるだけにしてみようと思います。」

複雑に魔法を組み上げる事で模倣できない様にしつつ、解析を仕掛けた場合は機能が消失する魔法を付与して、転送相手は国の数だけ…多重魔法の付与に耐えられるようにオリハルコン製で作成。イメージは…ファックスかな。

インベントリの中で作製を開始…。

「こら、ご飯の最中に他の事をするのは行儀が悪いよー?」
「あはは…ごめんなさい。」

頭の中でやっている事をアリソンさんに気付かれて怒られた。

「できそうなら明日にでも渡しに行こう。でも今は食事の時間だからな。」
「はい。」

そうだね。久し振りにゆっくりとみんなで食事ができるのだから今を楽しもう。

…頼んではないのだけど、インベントリの中での作成はアウラさんが引き継いでくれたから進められている。

他愛もない話をしながらやっくりとご飯を食べて充実した時間だった。

デザートをいただいてお茶を飲みながら話を再開する。

「道具はアウラさんが作ってくれたので用意は出来ました。明日の朝にでもそれぞれの国に渡しながら使い方をレクチャーしようと思います。」
「オッケーよ。手分けしてやりましょう。使い方を教えてもらえる?」
「私も手伝いますよ。」
「お願いします。」

リオさんとネネさんに一通り使い方を教える。ユキさんとソラちゃんも一緒に聞いている。

「ファックスみたいですね。」
「紙はそのまま相手の所に行っちゃうんだけどね。」
「ボタンが少ない。」
「ダイヤルする訳じゃないからどの国に送るかだけ選べるようにしたんだよ。」
「なるほどね。」

「君達のいた地球ではそういった道具は当たり前にあったのかい?」

5人で転送機を囲んで話をしていたらルーティアさんが聞いてきた。

「はい。地球には魔法は無いので電気という力で殆どの物が動いていました。」

ルーティアさんは地球に興味があるんだね。地球の機械や文化を話したら驚きながらも感心して聞いてくれた。

目を輝かせて私の話す地球の事を聞いてくれるルーティアさんカワイイなぁ。

みんなも集まってきて話を聞いている。
質問をされたり答えたり、ユキさん、リオさん、ソラちゃん、マサキさん、ネネさんもそれぞれ地球の話をしてくれた。

盛り上がっておいてアレだけど、アスティアの人達に地球の話をしても良かったのかな…?

[ここにいる者に話すのは問題ありません。]

良かった。

機械の再現といえば、帝国は自動車とか戦車とか作っていたね。魔力とのハイブリッドとはいえ、ガソリンで動く物をこの世界で再現している。
暮らしは楽になるかもしれないけど、環境破壊が心配だよ。深刻な破壊をもたらさない様に規制しなければならないかな。

もしダメなら《プロディギウム》で消し去るしかないかな。

「…何かまた物騒な事を考えてない?」
「そ、そんな事ないですよ!」

リオさん鋭い…。

次の日、3人で手分けして各国に転送機を渡して使い方をレクチャーして回った。
紙を一枚転送するだけの道具に大袈裟に驚かれた気がするけど、これで交渉が早くできるよね。

「まず転移魔法自体が使えないし、魔力さえ注げば指定先に物質を送り込む事ができるなんて、有り得ない物なんだよ。」

帰ってきて報告したらルーティアさんに呆れ顔で言われた。

と、取り敢えずこれで会談までに調整は間に合う筈だから、後は会場の整備をするだけだよね。

リリエンタの南端、名前の無い丘陵地帯に転移して会場のセッティングを済ませてしまおう。

うん、完璧。

夕方までには全部準備をする事ができた。
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