転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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アスティア

レナトゥスの中の国

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私達は更に人間が多くいる場所を目指して移動する。さっきの村よりもずっと多くの人がいる所だ。
そこはソルビア村よりもずっと離れた平原にある大都市だ。
中央には立派なお城が見えるあたり、きっと王都なんだろう。

村の時と同じ様に近くまでは飛んで行って、歩いて門へと向かう。

街の入り口には衛兵が居て、身分証の確認をしていた。

「どうする?女神だって言って通してもらう?」
「そうですね…」

身分証明はアスティアの物だし例え仮証が発行できてもここの通貨を持っている訳でもないし、ダメ元で話してみようかな。

「ダメなら他を当たってみましょう」

取り敢えず衛兵に話してみよう。

「よし、次!…って何者だ?」
「あのー…私達、身分証もお金も無いのですが、中には入れませんか?」
「その背中の翼は飾りではないのか…?」

翼をチラリと見て衛兵の男性は聞いてくる。

「ええと…一応神をやっている者です」
「ミナ…もう少し堂々と言えばいいのに」

リオさんが笑いながら言ってくる。

「だって、自分で神だなんて言うの変じゃないですか…」

地球だったら頭のおかしい人だと思われちゃうよ。

「でも事実ですからね。ここは堂々と言うべきですよ」

ユキさんも真顔で言ってくるし…。

「本当に神だと言うなら証拠を見せてもらえないか?」
「えぇ…証拠ですか」

そう言われても何をしたらいいんだろう?

「この神様をあまり困らせない方がいいわよ。何をし出すか分からないから」

リオさん、そういう脅しはやめてください。

「そうですね…天候操作とかなら出来るかもです。それがダメなら街の壁を更地に変える位なら簡単に出来ますけど」

どちらも魔法とかギフトのチカラなんだけどどうかな?

「…まあいい。仮証をタダで発行しよう。10日以内に返しに来るように」
「ありがとうございます」

信じてもらえたのかな?関わり合いたくないと思われたのかな?中に入れるなら何でもいいや。

仮証を受け取って見てみると、【ブライアス国王都リブリア】とこちらの言葉で書かれていた。文字が読めるのも《アドラステア》の追加効果みたい。

とにかく中に入ってみよう。

街の大通りは石畳で綺麗に整備されていて、建物も整然と建ち並んでいた。

通りを行き交う人達も普通に見えるけど、村人と同様に魂が無いらしい。

「また歴史を聞いてみる?」
「そうですね。おかしな所が無いか確認してみましょうか」

情報収集なら冒険者ギルドか酒場辺りかな。でもお金を持っていないから酒場は入りにくいね。それなら手持ちを売ってお金を得よう。

「鉱石でも売ってここのお金を得ましょうか」

武具屋さんを探して中に入る。

「らっしゃい!」

中には逞しい中年の男性がいた。

「あの、鉱石の買取とかやってませんか?」
「おう、何があるんだい?」
「これなんですけど…」

ミスリルのメダルを30枚出して渡す。

「これは…見たことのない鉱物だな」

そう言ってメダルを調べている。
この世界にはミスリルは存在してないんだね。

「よし、1枚500ルブス。30枚で15000ルブスで買い取ろう」
「はい。お願いします」

ミスリルメダルを渡してお金を受け取る。
お礼を言ってお店を出てルブス通貨を調べてみる。

確かに見たことのない貨幣だね。

道の隅っこで貨幣を眺めていると、テュケ君がキョロキョロとし出す。

「どうしたの?」
「今何処かで悲鳴の様な声が聞こえた様な…」
「そう?」

何かトラブルでも起こったのかな?
《ハイパークレアボイアンス》を使って周囲で何か変な事が起こっていないか調べてみる。

大通りから入った住宅街の一角で女の人が襲われていた。
ただの暴漢ではない。これは…ゾンビ?

「こっちです!」

みんなと一緒に女性の所に急行する。

「た、助けて…誰か…!」

女性は路地で8体のゾンビに囲まれていた。

「とにかく助けましょう!」
「分かったわ!《ターンアンデッド》!」

リオさんが白魔法でゾンビを浄化しようとするけど何も起こらない。

「魔法は作動しているわ。あれってゾンビじゃないのかしら…」
「俺達が倒すよ!」

テュケ君とソラちゃんが飛び出していく。
私もインベントリから弓矢を取り出してオリハルコンの矢でゾンビの頭を撃ち抜いて倒す。
ユキさんもテュケ君達の後に続いて突撃して行き、女性の前に出ると盾を構えて護ってくれた。

「ん、全然強くない」

ソラちゃんはハルバードで3体の頭を同時に跳ね飛ばして言ってくる。
リオさんが《ライトニングボルト》で2体を撃ち抜いて倒した。
テュケ君も手早く2刀で2体を斬り捨てて戦闘は終了した。

「大丈夫ですか?」

ユキさんが女性に聞くと、女性は安心した様子で「危ない所をありがとうございました」とお礼を言ってきた。

やはりこの人にも魂はなく、倒したゾンビ達も…まあ当然ないよね。

いや、そもそもゾンビなのかな?
《鑑定》を使ってよく見ると、種族は人間のままで名前まで表示されていた。

「これってどういう事?」
「つまりアンデッドではなかったって事よね」

えぇ…もしかして私達、人殺しをしちゃった?

「あの、1つお尋ねしたいのですが、この街にはああいった人が住んでるんですか?」
「え…?いいえ、住んでる訳無いじゃないですか。アレはどう見てもゾンビの類でしょう」

女性はそう返してきた。

良かった…問答無用で住人を殺した訳では無かったみたい。

「でも《ターンアンデッド》は効かなかったわ」

鑑定結果を再確認してみるけど、状態が死亡になっているだけで、アフターギフトによる悪性変異者だったり凶星石に寄生されているわけでもなかった。

「ここは冒険者ギルドで聞いてみるのが一番かしらね。あなた、ギルドに案内して貰えないかしら?」
「冒険者ギルド…?」

この世界には冒険者がいないのかな?

「ええとね、魔物を倒す便利屋みたいな仕事をやっている人達の組合ってない?」
「ああ!ハンターズの事ですね。知ってますよ。ご案内します」

どあやらこの世界では冒険者ではなくハンターズと呼ばれている様だね。
女性は助けてもらった報告をしに行くとの事なのでそのまま案内してもらう事に。

大通りから一本道に入った所にハンターズの建物はあった。

まあ、見た目は冒険者ギルドそのままなんだけど。

女性を先頭に中に入り、カウンターで受け付けのお兄さんに事情を説明してくれた。

「そうだったのか。君達、初めて見る顔だけど、ハンターなのかい?」
「いいえ、私達はこの国に来たばかりで何も知らないんです」

素直に話したら笑顔で頷いて、袋に入ったお金を渡して来た。

「街の住民を助けてくれたのには違いないのだから、報償金を支払うよ」
「ありがとうございます。それでその…あのゾンビ達はよく街に現れるんですか?」
「最近増えて来てね。我々も原因を調べている所なんだよ」

どうやらハンターズでも原因が分かっていないらしい。
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