転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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アスティア

ハンターズ

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私達からと受け付けのお兄さんに遭遇したゾンビ達の詳細を説明しておく。
鑑定結果については話さないでおいた。
変に嫌疑を掛けられても困ってしまうからね。

「ゾンビの発生について詳しく教えてもらう事は出来ますか?」
「そうだね…君達はハンターではないけど、恩もあるし戦闘力も高そうだからね。ゾンビと遭遇したハンター達を紹介しよう。彼らに聞くといい」

お兄さんは隅でお酒を飲んでいるハンターのチームを紹介してくれた。
お礼を言ってお兄さんと女性と別れてハンター達の所に行く。

「どうしたお嬢ちゃん達、俺達に何か用か?」

聞いてきたのは茶髪の青年。革の鎧を着て長剣を壁に立て掛けている。

「酌でもしてくれるのかい?」

ヘラヘラと笑う黒髪の青年。革の胸当てを装備して腰には短剣。

「みんなカワイイじゃあないか。お兄さん達が遊んであげるからこっちにおいで」

そう言って手招きしている金髪に髭面の大男。金属の胸当てに近くにハルバードが立て掛けてある。

お兄さんと言うよりおじさんだよね。

「えっと、街の中に発生したゾンビと戦ったと聞いたんですけど、詳しく状況を教えて貰えますか?」
「そうだなぁ…一晩付き合ってくれたら教えてやるぜ?」

そんな暇はないんだよね…。

「おいオッサン達。俺達は急いでいるんだ。早く教えてくれよ」
「ああ?よく見たらコイツ男か…。お前に用はねぇなぁ」

あー…テュケ君が絡まれちゃう。

「あの、私達急いでいるんです。今すぐ教えてくれないなら他を当たります」
「まあそう言うなよ。俺達と遊ぼうぜ?」

尚も絡んでくるハンター達。
黒髪の人が立ち上がって私の方に歩いてきて手を伸ばしてくる。

んー…手つきが何かイヤだなぁ。

私に触れる直前にテュケ君が手を払う。

「…んだよガキ。邪魔すんな」
「汚ねえ手でねーちゃんに触るんじゃねぇ!」
「んだとクソガキ!」

拳を振り上げる男。テュケ君がタダで殴られる訳はない。拳を余裕で躱すと腕を取って背後に回り込み、足を払って腰を支点に投げ飛ばす。

ミシリと嫌な音が男の腕から聞こえた。
直後ドスンと激しい音がして床に叩きつけていた。

「うぐぁぁぁぁっっ!!俺の腕があぁぁぁーー!」
「テメェ!やりやがったな!!」

残りの2人が立ち上がってテュケ君に向かっていく。

「やめとけよ。オッサン達が束になっても俺には勝てないんだからな!」

テュケ君は2人を睨みつける。その鋭い眼光を向けられて怯んで動きを止めた。

「おー!テュケ、カッコいいー」
「お姫様を守る騎士ね」
「テュケ君、程々にね」

ソラちゃんとリオさんは茶化して、ユキさんはやり過ぎを心配して声を掛けていた。

「テュケ君もういいよ。この人達に聞いたって無駄だったみたい。他を当たろう」
「そうだな」

テュケ君は殺気を引っ込めて下がる。

「あの、ゴメンなさい。でも正当防衛だと思うから、これで…」

倒れた黒髪の男性に《レナータ》を使って腕の骨折を治しておいた。

「はぁ。全く無駄な時間だったわね。行きましょ」
「ん、ゴロツキに構ってる暇はない」
「まったく…これだから男性は」
「早く行こう、ねーちゃん」
「うん」

ハンターズを出る。

「次はどうする?衛兵の詰所にでも行ってみる?」
「そうですね。大通りの辺りにあるかな?」

話しながら歩いていると、後ろから気配を感じる。さっきの人達が追いかけて来たみたい。

「どうする?殺っちゃう?」
「ソラちゃん…『や』の発音に物騒な感じがするんだけど」

全員緊張はしていない。だって力量差があり過ぎるんだよ。

「おい!俺達に恥をかかせやがって!痛い目を見させてやる!」

振り返ると抜身の武器を手に3人…いや、7人が立っていた。知らない4人はさっきの3人の仲間かな?

「あの、やめてもらえませんか?何人連れて来ても無駄なので」
「うるせぇ!」
「おいおい殺すなよ。チョイと痛めつけたらみんなで可愛がってやるんだからな」

うーん…どこの世界にもいるんだなぁ。
ていうか私達背中に翼生やしたまま何だけど、それについてのリアクションは全く無いんだよね。有翼種フェザーフォルクとか存在してるのかな?

「ねーちゃん俺が全部片付けるよ」
「んーいいよ。私がやるよ」

剣も抜かずに立つテュケ君の肩をポンと叩いて前に出る。

「一斉にかかれ!」

みんな一斉に飛びかかって来る。
私は《ヴェンデッタ》を作動させてじっとしているだけ。

「うっ…!」「ぐぇっ!?」「ふごっ…!!」

次の瞬間、攻撃が全員に跳ね返って、血を流してのたうち回っていた。

うん、《ヴェンデッタ》はちゃんと効くみたい。

「うわぁ…容赦ないわね」
「そうですか?これ位で済んだのなら良かったんじゃないですか?」

リオさんが後ろから声を掛けて来る。

今度は怪我を治してあげる必要はないよね。

立ち去ろうとしたら全員ゆっくりと立ち上がってきた。

「意外と丈夫なのですね。ミナさん、どうします?」
「待って。様子が変だよ」

ユキさんが聞いてくるけど私は異様な気配を感じてみんなに警戒を促す。

口から泡の様な涎を垂らしながら低い声で呻いている。目は白目を剥いていて普通じゃない。

《鑑定》を掛けてみたけど名前や種族に変化はなし。
これは…ゾンビになってる!?

「みんな離れて!」
「何で急に?ミナの攻撃がトリガーになったの?」
「分からないです。私はただ《ヴェンデッタ》で攻撃を跳ね返しただけですよ」

武器を拾って、手にぶら下げながらユラユラとこっちに来るハンターだった者達。

「倒すしかない」

ソラちゃんがハルバードを構えて飛び出す。そのままフルスイングして前にいた4人を横に引き裂いて吹き飛ばした。

「ソラの言う通りだよねーちゃん。ゾンビなら倒すしかない!」

テュケ君も長剣と小剣を抜いて飛び込んでいって、あっという間に残る3人を切り捨てた。

「ああなってしまったら私達にはどうする事もできないわ。取り敢えずハンターズに行って報告をしましょうか」

リオさんが倒れて動かなくなったゾンビ達を遠巻きに見ながら言ってくる。

「ひ、人殺し!!」

声のした方を見ると少年が立っていた。
偶然目撃してしまったんだろう。

「違うよ!この人達はゾンビになっちゃったんだよ」
「でもその人、ジョッシュおじさんだ!うちの近所に住んでるハンターのおじさんなんだよ!」
「あなたも見たでしょう?たった今ゾンビになったのよ」
「う、ウソだ!そんな…そんなぁ…」

肩を震わせて蹲る少年。
とにかく落ち着かせようとそばに行く。

「ねーちゃん!ソイツ何か変だよ!」

肩に触れようとした時テュケ君が声を上げる。

「ゔあぁぁぁっっ!!!」

少年が私に飛びかかってきた!
その顔はさっきのハンター達と同じ、ゾンビだった。
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