転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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アスティア

マイノリティ

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レナトゥスは私の姿をしている個体を残して全てワールドリソースにすると言う。

「他の個体はそれで納得しているんですか?」
「はい。今も全ての個体とリンクしています。同意済みです」

彼…彼女達に死ぬという概念は無いらしい。それぞれの体感したものは全て相互で保管しているので自分が物理的に消滅しても他の個体の中で生きているという解釈なのだとか。

「何かもう思想というか哲学というか…人間を超越している感じね」
「それが我々の傲慢に繋がったのでしょう。私達は偶然ミナの身体を取り込んで、人間の思想や理念を手に入れる事が出来たからこの考えに至ったのです」

リオさんの言った事に対してレナトゥスは付け加える。自分達が優れた種族だと思い込んでいた故に誤ちに気付く事が出来なかったのだと言っていた。

「人間というか取り込んだのがミナさんだったから良かったのでしょうね」
「リヴェルティアとか取り込んでたら終わってたかも」

ユキさんはそう言うけど、ここにいる誰を取り込んでも同じ結果になっていたかも知れないよ?
ソラちゃんの言う通りリヴェルティア様を取り込んでいたらもっと酷い事になっていたのは間違いないね。

「それで、どうやって作り変えれば良いんだろう?」

困った時はアウラさん。

[天啓を使いましょう。レナトゥスには全てアスティアに取り込まれて貰います]
「分かりました」

アスティアに取り込むって…レナトゥスは月ほど大きいんだけど大丈夫なの?

「ミナを生成するのに50%消費しています」
「半分!?」

ま、まあアスティアの主神だし?それ位はかかるのかもね…。

「ギフトはコピー出来ましたが神としての能力までは生成出来ませんでした」

えぇ…つまり人間としての私を生成するのに半分も消費したの…?

「ミナ、コスト高すぎ。テュケならきっとダース単位で生成できる」
「そんな事言われたって…」
「なんで俺を引き合いに出すんだよ!」

ソラちゃんが呆れ顔で言っている。
テュケ君は…とばっちりかな。

「半分消費ってどうなってるの?」
「本体の質量が半分無くなっています。現在は50%の質量で球体を再構築中」
「まあ、形はどんなでもいいんでしょ?さっさとアスティアのリソースになりなさいよ」
[その前に神界に移動しましょう。天啓をここで行う事は出来ません]

そういえばそうだよね。
アスティアから随分と離れてしまっているけど神界には行けるのかな?

[問題ありません。ただし、4名の《アルスアドラステア》は解除されます]

それは仕方ないよね。必要ならまた掛ければ良いだけだし。

私達は私の姿になっているレナトゥスを連れて神界へ転移する。

アウレリア様達、見知った神様達が出迎えてくれる。

「ミナ、無事で何よりです」
「立て込んでいて神界に来る暇がありませんでした。ヴェルトラオム様から主神を引継ぎました。地球に行っている時には色々助けて頂いてありがとうございました」
「いいえ、助けられたのは私達の方です。貴女がリヴェルティアを倒してくれなければアスティアは滅んでいたでしょう」

話したい事は尽きないけど、今はレナトゥスの方が優先だよね。
事情を神様達にも説明する。

「そう言う事ですか。何事かと思いましたよ」

私が2人いる事についてだろう。神様の権限を行使できないだけでほぼ同じだからね。間違えられてもおかしくない。

[それでは始めます。まずこのレナトゥス以外のドゥームを全てアスティアのリソースに変換します。続いてワールドコマンドでレナトゥスを分解、再構築……成功。レナトゥスは魔力を吸収する事で生命活動が維持できる様になりました]

おお!これで生き物に寄生して生命力を吸い取らなくて良くなるんだね。

「魔力って、やっぱり寄生するんじゃないの?」
[いえ、吸収効率を最大まで引き上げました。大気に含まれる魔力だけで生命維持が可能です。尚、増殖は可能ですが、魔力を過剰な取り込まない限り行えません]

リオさんの質問に答えるアウラさん。
これなら取り敢えず安心かな?

「ありがとうございます。変異を確認しました。これを他のドゥームに伝えます」

レナトゥスは早速他の世界にいるドゥーム達に組成の変換で種の存続が可能だと教えているみたい。

「……残念ながら受け入れられませんでした」
「何で…?」
「分かりません。自己を変化させる事を否定しているのかも知れません」
「情報共有はするんでしょ?互いに情報を送り合って」

リオさんが食ってかかる。

「前例はあります。ある星の生命を諦め、違う星で共存する道を模索している群体です。彼らはマイノリティと判断され、情報の共有から外されました」

その記憶なら私にも流れ込んできた。確かその世界って、私達が使ってる魔法の発祥のトコだ。

「マイノリティ?」
「少数派という意味ですね。つまり全体が倣うには奇抜な事だと判断されてしまったという事です」

テュケ君の質問にユキさんが答えていた。

「つまり、レナトゥスもマイノリティと判断されてネットワークから切り離されたって事?」
「恐らくは…」

残念そうに俯くレナトゥス。折角、存続の手立てが見つかったのに、他の種を滅ぼさなくても良くなったのに…。

「その判定をしている群体があるの?」
「セントラルコアと呼ばれているドゥームの群体が判定しています」

そこが情報の良し悪しを判定して他の群体にフィードバックしているので、誤情報で自壊するのを防いでいるそう。

「まあ、仕方ないんじゃない?そもそもこんな事になったのが奇跡みたいなものだし、一先ずは世界崩壊の危機は無くなった訳だし」

リオさんの言う通りだ。偶然が重なってこんな結果になったんだ。認められないのも仕方ないのかも。

「因みに他の世界で神様を取り込んだ事は無かったのですか?」

ユキさんが聞いてきた事は私も記憶を持っているから答えてあげられる。私から話そうと思ったけどレナトゥスが答えた。

「ありません。神は取り込まれる前にリソースを放棄して自壊してしまいます」
「あー…尊厳死みたいなものかな」

他所の世界の神様達はワールドコアを乗っ取られる位なら自滅する道を選んだのだとドゥーム達も判断してるみたい。
まあ、得体の知れない者に自分も世界も奪われるなんて嫌だよね。

「この話は一先ず終わりで、地上のみんなに終わったって報告しにいきましょう」

そうだよ。この戦いは終わったんだ。
それをみんなに伝えに行こう!
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